NIKE LEBRON IX(9) LOW (2012) PERFORMANCE REVIEW
- テストカラー:Floridian(510811-800)
- 主な機能:Phylon Midsole,Full-length Visible Max Air Unit,Half Inner Bootie,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Lebron James,JR Smith,Montrezl Harrell,PJ Tucker
- 価格:¥18,700⇒¥24,200(復刻)・$150⇒$190(復刻)
Introduction
今回はLebron James(レブロン・ジェームズ)の9thシグネチャーのローカット"Nike Lebron IX(9) Low"のパフォーマンスレビューです。
2022年に復刻された今作ですが、レビューで使用する個体は2012年のオリジナル。
オリジナル当時に履いていた個体は流石に履き潰したため、最近買い直した物になります。
やや年代物ですが、オンコートで余裕で使えそうなコンディションだったためレビュー決行。
またレブロンシリーズは2, 7, 8と復刻を履き、いずれもオリジナルに忠実なパフォーマンスでした。
そのため今作のレビューもおそらく復刻のパフォーマンスと同じか、少なくとも近いものと思われます。
早速その細部を見ていきたいと思います。
※今作のハイカット(オリジナル)はレビュー済みです。
⇒NIKE LEBRON IX(9) PERFORMANCE REVIEW
⇒NIKE ZOOM LEBRON 2 (2022) PERFORMANCE REVIEW
⇒NIKE LEBRON VII(7) QS (2019) PERFORMANCE REVIEW
⇒NIKE LEBRON VIII(8) QS (2021) PERFORMANCE REVIEW
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
母指球からヒール中央にかけては「チェーン・パターン」、それ以外の部分は「ミルククレート・パターン」で構成されたアウトソール。
素材は「トランスルーセント・ラバー」。
ラバーは硬めで、粘着性はやや高めな質感です。
特殊なパターンですが、アウトソール形状がほぼフラットで、クッションのエネルギー伝達もスムーズ。
フォアはしっかりとグリップしてくれ、ホコリの多いコートでもソールを頻繁に拭く必要はありませんでした。
ヒール周りはややホコリに弱い印象です。
やや急ストップ寄りのトラクションですが、十分に扱いやすい部類に入ります。
※最近買い直した状態良い個体とは言え、今作は10年以上前に発売されたモデル。
アウトソールのラバーは既に硬化が始まっており初回バスケでは滑り倒しました。
そこで使用したのが「紙やすり(サンドペーパー)」です。
ラバーの硬化は基本空気に触れている表面から進むので、全体の表層を少し削っただけでトラクションは見事に復活しました。
硬化の進行度合によっては硬化が無い場合もありますが、これくらい見た目に綺麗な個体なら経験上、高確率で復活が見込めます。
やすりの番目に関しては「中目#120~#240」もしくは「粗目#40~100」が削りやすい印象です。
ラバーとの相性もあるので、複数の番目が入ったセットを買うのがオススメです。
以上、余談でした。
CUSHIONING - 10 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」に「フルレングス・ビジブルマックスエア」を合わせたクッションセットアップ。
ファイロンは硬く、高密度で高弾力。
ビジブルマックスエアはその見た目からフカフカのクッションをイメージされがち。
ですがエア内部にはTPU製のコラム(柱)が多数設けられており、沈むのはコラムの無いエッジ部分のみ。
今作の場合はアウトソール幅を広めに取っているため、このエッジ部分に乗ることはほぼ無いでしょう。
そのため体感のクッションは硬質で、屈曲剛性、捻れ剛性のいずれも強力。
フルレングスのビジブルズームエアは屈曲剛性に癖がある傾向にあります(レブロン10、ハイパーポジット2など)が、ズームでないマックスエアは扱いやすい傾向にあります。
⇒NIKE LEBRON X(10) PERFORMANCE REVIEW
⇒NIKE AIR ZOOM HYPERPOSITE 2 PERFORMANCE REVIEW
今作も例外でなく体重をかけると足と連動して必要最低限だけ変形して、次のステップへスムーズに移行できます。
この足とアウトソールの連動において、大きな役割を担っているのが「インソール」。
水色のコシのあるフォーム素材で、近年の市販モデルのほぼ二倍の厚さがあります。
この分厚さからマイサイズで購入すると最初は窮屈だと思います。
この窮屈さを我慢してインソールに体重を掛けて少し待つと、インソールは足型にモールドされて沈み、窮屈さも消え、ジャストフィットに。
このインソールは優秀なので、他のバッシュへの転用でも活躍してくれます。
・市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」への交換
・「スジオカボード」+「スーパーフィートのグリーン」
・「スジオカボード」+「純正インソール」
・「スジオカボード・サマー」+「純正インソール」
※上記のセットアップは全て不思議と純正インソール単体と変わらないハイパフォーマンス。
※これはジョーダンCP3.Xと同様の現象です。
※「スジオカボード・サマー」+「純正インソール」の場合のみ、サイズ感が少し緩くなりましたがシューレースを締めて調整できる範囲でした。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクトインソール」は今作には合いませんでした。
※インソール交換とボード追加は評価に含めていません。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
クッションに厚みがあるものの、接地感を妨げる要素はややホコリに弱いヒール周りのトラクションとマックスエアのエッジの二点。
足型やステップによっては癖がある可能性もありますが、基本コートを近くに感じるでしょう。
何よりインソールを足型にモールドが大事なので試着の段階で騙されないよう注意が必要です。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「ハーフ・インナーブーティー」を「フューズ」と「スクリーンメッシュ」のアッパーが包むオーソドックスなセットアップ。
アジアに向けたEPラストや、日本向けたJPNラストが出る以前のリリースなので、今作はグローバルラスト。
※JPNラストはハイパーダンク2013などで展開されていました。
履き口は大きく開き、ローカットな事もあり、足入れはかなり簡単。
シューレースホールの数は多く、ホールの摩擦も強い。
特に上から2列目と3列目はシューズ内底部、ストロベルボードからつながるフューズ素材に直にレースを通す形式。
この部分だけ摩擦も締め付けも一段と強いため、ストレス感じるとの声がオリジナル当時にあった記憶です。
内部のパディングは適量で、成型もグローバルラストにしてはややトーボックスに高さがある事が気になったくらい。
高さは許容範囲内で基本快適なフィットです。
※※※サイズ選びに関して※※※
グローバルラストのマイサイズである"27.5cm"を購入し、普段のソックス2枚でジャスト。
やや幅は狭めなので幅広の足型の場合、ハーフサイズ(0.5cm)アップが必要かもしれません。
前述のとおり、インソールがモールドするまでは窮屈に感じる可能性が高いので試着の際は要注意です。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
ほぼフラットなソールには安定性があり、フィットも基本良好。
捻れ剛性も強力で、ヒールカウンターも機能しています。
注意点はTPU製ピラーの無いマックスエアのエッジ部分とフューズのレースホール。
エッジに加重する機会は少ないと思いますが、足幅が広い方や小指側に乗る癖のある方は注意が必要かもしれません。
フューズ部分もジャストサイズで履けば問題ないと思いますが、足首周りの甲が極端に高かったり、低かったりすると気になるかもしれません。
LATERAL TRANSITION - 9 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
左右方向のステップではピラーの無い部分にメインで加重するステップでない限り、基本スムーズです。
HEEL-TOE TRANSITION - 10 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
前後方向では足と一体になった高剛性のマックスエアの反発をフルに使えます。
加速感もありつつ、微妙なスピードコントロールも可能です。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンをメインに、アッパーのスクリーンメッシュからも通気します。
裏でフューズパネルに塞がれている箇所がけっこうあり、見た目よりは通気しませんが優秀な部類かと。
DURABILITY - 9 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
自分の個体は10年以上前にリリースされたオリジナルなので、今回のレビュー途中でアウトソールの接着がさすがに剥がれて来ました。
ですがその前に履いていた個体は剥がれはもちろん、エア抜けなども無く、購入から7~8年履けた記憶です。
オーバーサイズで履いたり、足型が合わない状態で履いている友人や知り合いは早々にエア抜けを起こしていたのでフィッティングはやはり大切です。
とは言えエアが抜けても中央のピラーは残るので、エッジにメイン荷重しなければ普通に履ける状態だったりしますが。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
446g(片足・27.5cm)
Final Conclusion
今作をまとめますと「名作シリーズ」。
メインのレブロンシリーズは毎年新しいクッションが導入される一方、ローカットは旧世代スペックが多い傾向にあります。
新しいクッションはズームエア、旧世代はマックスエアであることがほとんど。
マックスエアは吸収性が高そうなルックスですが、ソフトなのはエアバブルの外枠部分のみ。
実際の荷重部分にはピラーが内蔵されていたり、ミッドソールで分節されていたりで、硬めな踏み心地な傾向にあります。
自分のレビューでは吸収性低めのクッションは高評価対象。
そのマックスエア多用のレブロンシリーズのローカットは安定してハイパフォーマー(90点前後)を輩出しています。
最近ではレブロン18ローも良かったですね。
⇒NIKE LEBRON XVIII(18) LOW PERFORMANCE REVIEW
レブロンの復刻の定価は高めですが、エアジョーダンなどに比べるとセールでの値下げ幅も大きい印象です。
探してみると予想以上に安価でゲットできるかもしれません。
とりあえず、テスト中に分解したこの個体は自力で再接着してみようと思います。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました<m(__)m>
このレビューが少しでもバッシュ購入の参考になれば幸いです。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 10/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 9/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 10/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 9/10
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WEIGHT - 9/10