Nike Zoom BB NXT Performance Review
- テストカラー:Black/Valerian Blue-Lime Blast(CK5707-001)
- 主な機能:Forefoot Zoom Air Unit x 2, Double Layered React Midsole, React Insole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Ben Simmons, Rudy Gay, Deni Avdija, Duncan Robinson, DJ Augustin, Mason Plumlee, Aaron Baynes, Paul Millsap, Jaxson Hayes, Furkan Korkmaz
- 価格:¥21,450・$180
Introduction
今回は"Nike Zoom BB NXT(ナイキ ズームBBネクスト)"のパフォーマンスレビューです。
突然ナイキバスケットボールのトップモデル的な扱いで登場した今作。
クッションには陸上カテゴリで記録更新を連発しているポッド型のクッションが採用され、これは試すしかないと発売後すぐに購入。
期待値はかなり高めの中、細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全体に「プレッシャー・マッピング」(もしくは「波紋状」)のパターンが採用されたアウトソール。
同じシーズンに発売された"Zoom Rize 2"同様、"Kobe IX(9)"をモチーフにしていると思われます。
ラバーは暗闇で光る「グロウ・イン・ザ・ダーク」と勝手に思い込んでましたが、実際は普通の「トランスルーセント」でした。
その粘性(変形のしやすさ)は通常レベルで、粘着性は低め。
スキール音はほとんど鳴らず、綺麗なコートでもホコリの多いコートでも安定してグリップしてくれます。
粘着性が低いためホコリの吸着も浅く、一度拭けばしばらくは放っておけます。
惜しいのは「フォア形状」が反り過ぎているため、左右のステップでは空振りしたり、前後では急な角度変化で上手く体重が乗せられない事が時折。
ラバーの質感とパターンの機能はパーフェクトです。
CUSHIONING - 9 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
2層からなる「リアクト・ミッドソール」のフォアに2個の「ズームエア・ポッド」を配置したクッション・セットアップ。
インソールもリアクト製なので、トータルで「3層のリアクト」が足下に存在する形になります。
けっこう厚底のクッションですが、不安定に感じたり、大きく沈んだりすることはなく、意外なほど接地感もしっかり。
ケージされたズームポッドも踏み込みに対して沈まず、反発だけを返してくれます。
これは同時にフォアの屈曲剛性の強化にも一役買っていて、加速力ある反発性を体感できます。
ただしフォアのソール形状がランニングシューズを模してか、少し反り返り過ぎていて、両足跳びや落下を使うステップ時にタイミングを取り辛い。
ここさえクリアできていれば、今シーズンベストどころか"Nike Kyrie 5"と競えるクラスのクッションだった可能性があります。
片足跳びやその場でのリバウンドやブロックなどではかなり好感触です。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「フォアフット・インナーブーティー」を「メッシュのアッパー」が包む構造。
履き口は特に狭くなく、足入れはスムーズ。
新品の段階では少しキツめに感じたものの、15分ほどプレーしたらクッションが沈み、丁度良いところで落ち着きジャストに。
ヒール周りのパディングや掴みも良く、ソール剛性が強力なバッシュながら抜け感もありません。
癖があるとしたら少し「アーチサポートが高め」なこと。
ここを調整しようとインソールを変えると、クッション感覚がかなり変わってしまいます。
フィッティングとのバランスを取るのに苦労する可能性があります。
アッパーの完成度は満足出来るレベルかと。
※※※サイズ選びに関して※※※
今作は国内販売ではグローバルのみの販売で、マイサイズからハーフサイズダウンの「27.0cm」を購入。
(中国や台湾ではEPラストの展開もあるようです)
前述のとおり、新品の段階ではわずかにキツかったものの、少しプレーするとクッションが沈んでジャストサイズに。
その後も十数回プレーしてもそこからの変化はないので、ハーフダウンを基本にサイズを選んで良いかと。
またスーパーフィートのグリーンとの相性は良くなく、と言いますかかなり悪い部類に入ります。
アーチが過剰になる上に、クッションの沈みも強くなり、ブヨブヨした乗り心地でとても不安定になります。
スーパーフィートのカーボンに変えても似た状態になり、今作に関しては純正のリアクトインソールがベストに感じました。
もしどうしても交換したいならフォームベースでヒールカップやシャンクなど硬質なパーツが極力入っていない物が合いそうです。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 9 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
同シーズン発売の"Zoom Rize 2"同様、「名作」にあと一歩のパフォーマンス。
自分はマイナスポイントに感じる「反ったフォア形状」ですが、ここを有効活用できる方はモンスターパフォーマンスを期待して良いかと。
※「リアクトインソール」は他のバッシュに入れてパフォーマンスが上がることが多いので、これを採取するために美中古などを狙うのもアリかと。
※ 後に発売された”Nike Air Zoom G.T. Run”でもリアクトインソールは手に入りますが、あちらは表面の布地が無く、摩擦が強過ぎたため、機能的にも価格的にも今作の方がオススメです。
ネタバレになりますが少しレビュー公開が後になりそうなので未レビューモデルについても少し。
同じポッドズームを使った"Jordan Zoom '92"に関しても同様に一箇所だけ惜しい仕様。
20-21シーズンのナイキ、ジョーダンブランドは敢えて完成形を避けているような印象を受けるのは自分だけですかね?
ともあれ今作に関してはフォアに修正を施した次作を期待して待ちたいと思います。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 9/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 9/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 9/10