Nike Hyperdunk 2016 Performance Review
- テストカラー:Black/White(844359-010)
- 主な機能:Flywire Technology, Hyperfuse Technology, Heel Zoom Air Unit, Forefoot Zoom Air Unit, Phylon Midsole, Half-length Inner Bootie, TPU Internal Heel Counter, TPU Shank Plate
- 着用した主なプレイヤー:Paul George, DeAndre Jordan, Aaron Gordon, DeMarcus Cousins, Deron Williams
- 価格:¥17280(国内)・$140(海外)
Introduction
今回は“Hyperdunk 2016”のパフォーマンス・レビューです。
幅広ラストのEPバージョンは試着して足型が合わなかったので、海外から購入の通常ラストを使用しました。
このカラーは海外発売のみですが、国内でも何色か通常ラストが発売されています。
また今作はクッションやアッパー素材にもバリエーションがあり、使用したのはメッシュアッパーに、前後ズームのバージョンです。
これ以外にフライニットアッパーとフルレングスズームのバージョンも存在します。
前作"Hyperdunk 2015"はアッパー、特にヒール周りが残念で、スコアもそれなり。
今作もヒール周りがギザギザな存在感あるシルエットで、初見では正直不安に思いました。
ですが「ダメかもしれない…」と思いながらプレーすると本当にダメな事が多いので、今作はしっかり修正が入っているだろうと期待して臨みました。
果たしてどうなるか…細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 10 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
ブレードパターンと呼ばれる線状のエッジが並んだアウトソール。
どことなく"Kyrie 2"に似ている印象です。
このソリッドラバーのブレードはソフトでしなやか。
それでいて強いステップでも沈み過ぎたり、変形し過ぎたりしない強度もあります。
粘性も高めで、とにかく良く止まります。
中でも母指球部分の縦に並んだブレードは素晴らしい。
スパイクの様にコートを噛み、1歩1歩加速してくれる感覚。
ここ最近のバッシュでは"UA Clutchfit Drive 2"と並んで最高クラスにアグレッシブなトラクションです。
CUSHIONING - 10 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
ファイロンミッドソール上面に、フォアとヒールにズームエアを配置したクッションセットアップ。
ファイロンは平均的な質感ですが、弾力性が高い印象。
ズームエアの感触はそこまで感じませんが、中央を繰り抜かれたアウトソールとブレードパターンが必要な時に必要な分だけ沈んでくれます。
それだけで十分な衝撃吸収性が確保されています。
巻き上がったミッドソールとシャンクプレートのお陰でシューズ全体の剛性は強力。
変形からの復元もかなり高速です。
ソールのブレードパターンのグリップと、この復元が絶妙にマッチして反発・反応ともに最高クラス。
ハイパーダンクシリーズでは初代"Hyperdunk '08"のクッションが最高だと思っていましたが…今作は同等かそれ以上。
文句なしのパーフェクトです。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
パッと見では"UA Curry 2.5"や"Zoom Hyperquickness 2015"の様な「ブリトー・タン構造」。
実際はメッシュのハーフレングス・インナーブーツをマイクロメッシュのオーバーレイで包んだだけ。
※今まで同じ機能を、機能一覧で"Inner Bootie(Forefoot Only)"と記載していましたが、ナイキ公式で"Half-length Inner Bootie"の記載が出てきたので置き換えました。
※機能自体はどちらも同じものです。
その中をフライワイヤーが通っています。
インナーブーツの履き口は最近流行りのワンピースアッパーの様に狭くなっていて、足入れに苦労するタイプ。
とは言っても比較的足入れしやすい部類で、慣れればすぐ履けるようになるでしょう。
心配していたヒールカウンターの成型も良く、アンクルカラーには適度なパディングが入っていてかなり快適。
細いフラットなシューレースのロックダウンも強力。
足甲部分のタンは薄いので、足型によってはシューレースが食い込んだり、当たったりするかもしれません。
結び目部分のタンは分厚いので、この部分は心配いらないでしょう。
シューズのサイジングは長めつくりで、つま先に若干ですがいつもより空間ができます。
それでもロックダウンがしっかりしているので、シューズ内で足が動く事はなく、プレーに支障なし。
前作"Hyperdunk 2015"から大きく修正して、かなり優秀なレベルまで持って来ています。
※サイズ選びについて※
今回使用したのは「幅広ラストのEPバージョン」ではなく「通常ラストの海外バージョン」。
高さ・幅は通常通りですが、若干長めのつくり。
フィット・ロックダウンがしっかりしているので、つま先に若干スペースがあっても自分は気になりませんでした。
ハーフサイズダウンすると特に高さの面で足当たりがキツくなる可能性がありますので注意が必要です。
幅広ラストのEPバージョンの場合、横にも高さにもさらに余裕ができるので、ハーフサイズダウンがオススメです。
SUPPORT - 10 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 10 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 10 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 10 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
"UA Clutchfit Drive 2"を抜き、歴代最高スコア更新となりました。
ハイパーダンクシリーズの中だけでなく、今まで履いたバッシュの中でもトップクラスに入るパフォーマンス。
久々にNike iDを作りたいとまで思えるバッシュに出会いました。
2008年に初代"Hyperdunk '08"を履いた時の感動に近いものがあります。
当時は限定カラーをかき集め、Nike iDも数足作り、トータル10足くらい持っていたかと…。
さすがに今はそこまではしないですが、Nike iDは絶対に作ると思います。
1度は試す価値のある1足かと…本当にオススメです。
画像はフライニットバージョンの開発スケッチですが、レギュラーバージョンがこれだけ良いと期待は否が応でも高まります。
フライニットバージョンも出来るだけ早く履いてレビューしたいと思います。
できたらローカットも…。
追記 2017/01/07
フライニットバージョンのレビュー、公開しました!
"Nike Hyperdunk 2016 FK(Flyknit) Performance Review"
またローカットについては試着段階で全体の剛性がかなり弱め。
見た目はハイカットと同じクッションセットアップですが、履き心地は別物でした。
正直ハイパフォーマンスは見込めないな…と思い購入は断念。
クッションや剛性は頼りなく感じましたが、その分、接地感や細かいステップのしやすさは増している印象でした。
あくまで試着して軽く歩いたくらいですが…一応情報として追記しておきます。
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TRACTION - 10/10
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CUSHIONING - 10/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 10/10
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LATERAL TRANSITION - 10/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 10/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 10/10
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WEIGHT - 8/10