Nike Hyperdunk 2015 EP Performance Review
- テストカラー:Bright Crimson/Black(749562-600)
- 主な機能:Flywire Technology, Hyperfuse Technology, Heel Zoom Air Unit, Forefoot Zoom Air Unit, Phylon Midsole, Inner Bootie(Forefoot Only)
- 着用した主なプレイヤー:Kevin Love, Rudy Gay, Pau Gasol, Marc Gasol, Tyson Chandler
- 価格:¥17280(国内)・$140(海外)
Introduction
今回は“Hyperdunk 2015 EP”のパフォーマンス・レビューです。
前作に引き続き、ラストの広いEPバージョンを試しました。
見た目はヒールが張り出した、なかなか大胆なシルエット。
デザイナーのレオ・チャン曰く、バック・トゥー・ザ・フューチャーの“Air Mag”からインスパイアされた未来的デザイン、との事。
まあ、ハイパーダンク初代が“Air Mag”のインスピレーションからデザインされているので、シリーズとしては特に目新しいわけではありませんね。
広告塔は開放骨折から復活したペイサーズのポール・ジョージ。
彼が主に履いているのはローカットですが、MVP級のスタッツを残しています。
個人的に好きなプレイヤーなのでこの活躍は嬉しいですね。
そのパフォーマンスを支えるバッシュにも期待できそうです。
それでは機能の細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
アウトソールはオーソドックスなヘリンボーンパターンとピボット・サークルの組み合わせ。
小指のエッジ部分と土踏まず部分は、ファイロン・ミッドソールが接地する構造。
ラバーは硬めで、粘性はなかなか優秀。
ラバー部分もファイロン部分も、ホコリに比較的強く、たまに拭けばしばらくグリップ性が持続します。
このミッドソールが底面まで伸びて接地する構造は“Zoom Hyperrev”や“Zoom Hyperrev 2015”でも使われていますが、最初見た時は設計ミスなんじゃないかと疑いました。
ミッドソールがグリップするなんて想像もしませんでしたから…。
使ってみると違和感ないどころが良くグリップするので驚きです。
この構造の導入によって、ソール周りの軽量化はかなり加速するでしょう。
最近発売された“Air Force 1 Ultra Flyknit”では既にアウトソールのほぼ全面がファイロンに。
手に取ってみましたが、エアフォースとは思えないフワフワした軽さでした。
このモデルのようにファイロン・アウトソールをフルレングスにした場合、バッシュとしての耐久性は未知数ですが…その可能性には期待せずにはいられないですね。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 5 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
フューズ素材のアッパーにフライワイヤーと、これもオーソドックスなセットアップ。
フォアフット部分のみ、タンから繋がったインナーブーツ構造になっています。
まずはこのEPバージョンのサイズ感から。
作りは甲の高さ以外大きめで、通常のナイキサイズからハーフサイズダウンで丁度良かったです。
甲の高さは通常なので、甲高のプレイヤーにはサイズ選びが難しいモデルかと。
肝心のフィット感は、フォア部分は良好。
インナーブーツとフライワイヤーでカチッと足にフィットします。
ヒール部分は張り出したミッドソールに、独特のハイカット形状と、見た目からして履く人を選びそうな印象。
案の定と言いますか、自分も例外ではなかったようです。
ハイカットの部分は適度にパディングがあり、特に違和感なし。
問題になったのは後方へ張り出し、巻き上がった黒いミッドソールの部分。
何故かカカトの骨が収まる底面近くの側面にはまったくパディングがなく、ガンガンと足が巻き上がった部分に当たる設計になっています。
正直、この構造には欠陥があると言わざるを得ず…これで妥当な評価だと思います。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 6 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 6 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
2008年の登場以来、安定したパフォーマンスを提供し続けてきたハイパーダンクシリーズですが、今回は残念な結果になりました。
ヒール周りのフィットの悪さ、無意味にハイカットな足首部分と、見ためにインパクトあるパーツたちが、肝心の機能を伴っていません。
NBA選手の着用率が低いのも頷けます。
アウトレット価格で出回っていますが、それでもあまりオススメはしませんね。
同じハイパーダンクなら前作“Hyperdunk 2014”もまだ手に入りますので、こちらの方が断然良いかと思います。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 5/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 6/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 6/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 8/10