Under Armour UA TB Clutchfit Drive 2 Performance Review

9月 7, 2016
17292
2
  • テストカラー:White/Cardinal(1276456-104)
  • 主な機能:Micro G Midsole, Innter Bootie(Forefoot Only) ,3D Molded TPU External Heel Counter, TPU Internal Heel Counter, TPU Shank Plate
  • 着用した主なプレイヤー:Emmanuel Mudiay, Mike Conley Jr.
  • 価格:¥18.900(国内)・$125(海外)

Introduction

11_2-Conley-SC-2

今回はアンダーアーマーのクラッチフィット・ドライブシリーズの2ndモデル“UA TB Clutchfit Drive 2”のパフォーマンスレビューです。

前作“UA Clutchfit Drive 1”はカリー着用モデルとして大人気となりました。

今作発売時には、カリーは既に自身のシグネチャーラインをスタートさせていましたので、今作は着用せず。

やはりスーパースターが履く、履かないのは影響が大きいのか、イマイチ存在感の薄い印象。


個人的にもデザインが好みではなく、履くのを後回しにしていました。

結局レビューを書き始めたのは15-16シーズン終了後と遅くなってしましましたが、その細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 10 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

DSC07854

全面ヘリンボーン・パターンのアウトソール

セクションごとにパターンの向きが変えられ、全方向にグリップする構造です。

ラバーは前作より若干ソフトになり、よりコートを掴むような感覚に。

粘性は変わらず凄まじく、歩くだけでギュッギュッと軋むような音が鳴るほど。

ホコリにも強く、前作と同等からそれ以上の素晴らしいトラクションです。

CUSHIONING - 10 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

DSC07864 DSC07863 DSC07855

チャージドフォーム・ミッドソールと、オーソライト・インソールのセットアップ。

チャージドフォームはミッチリと高密度で硬めながら、適度に弾力もあります。

インソールは分厚く、フカフカと気持ちの良い足当たり。

衝撃吸収性は申し分ありません。


フォアフットの屈曲部分には適度な剛性があり、屈曲からの復元も速い。

チャージドフォームの弾力性も手伝って、反発性も素晴らしく快適です。

フォアが反ったソール形状が不安でしたが、履くと全く気にならず、ナチュラルな高反発力を期待できます。

COURT FEEL - 10 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

DSC07857

クッションは弾力性がありつつ、安定性も失われない適度なセットアップ。

ソールも体重を掛けるとヒタッとコートに張り付く感覚。

動きの中でも、ソールやアッパーがブレる事もなく、かなり鋭敏なコート感覚があります。

文句なしのパーフェクトです。

FIT/LOCKDOWN - 10 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

DSC07856

モデル名に「クラッチフィット」とついていますが、機能的には意味を成していません。

前作ではレザー表面に「オーゼティック構造」のコーティングを施すことで、アッパーのフィット感・ロックダウン向上に一役買っていました。

今作では「オーゼティック構造」のパーツが、通気窓のメッシュ内部に配置されているのみ。

アッパーに伸縮性がないので、この配置ではデザイン面以外の意味はほとんど無いと言えます。


「クラッチフィット」の効果が無くとも、今作のフィット感・ロックダウンはかなり優秀。

アッパーはメッシュ素材がフューズコーティングされ、フォアフット内部はタンから繋がるインナーブーツ構造です。

コーティングされてもメッシュの足当たりは優しく、ヒールカウンターの成型も良く、カカトの収まりも申し分なし。

足とシューズが一体となった感覚があります。


サイズに関しては、前作“UA Clutchfit Drive 1”と同様、全体的に小さめのつくり。

通常サイズよりハーフサイズアップがオススメです。

SUPPORT - 10 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

DSC07858

エクスターナル・ヒールカウンターはソフトですが、内部のインターナル・ヒールカウンターには強度・剛性があり、横ブレをしっかり抑えてくれます。

内蔵されたシャンクプレートのおかげで捻れも起きません。

また前作"UA Clutchfit Drive 1"で気になった「ソール面積の小ささから来る不安定感」も今作では解消されています。

サポート性も文句なくパーフェクト。

LATERAL TRANSITION - 10 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

DSC07859

かなりアグレッシブに止まるトラクションに、フィット感抜群のアッパー。

重心移動はナチュラル且つスムーズ。

前作"UA Clutchfit Drive 1"は大きなステップに弱い印象でしたが、今作はどんなステップでもスムーズな重心移動が可能です。

HEEL-TOE TRANSITION - 10 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

DSC07860

前項に続き、こちらも違和感なくプレーできます。

トラクションは左右方向も申し分ないレベルですが、前後方向はそれ以上にアグレッシブにグリップする印象。

加速してくれる感覚があり、自分の能力以上のスピードが出ます。

加速されながらもスムーズな重心移動。

もちろんパーフェクトです。

BREATHABILITY - 6 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

DSC07861

パッと見はメッシュパネルが多く、通気性が良さそうな印象。

実際プレーしてみるとそうでもありません。

タンやフォアフットは悪くありませんが、ヒール周りの生地とパディングの速乾性が低い印象です。

DURABILITY - 8 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

DSC07862

今作と同じクッションを使った"Charged Foam Curry 2"では「チャージドフォームのヘタリの早さ・耐久性」がかなり気になりました。

そのため、今作は通常よりかなり多くの時間プレーしてからレビューを書きました。


結論から言いますと今作は問題なし

チャージドフォームに関わらず、フォーム素材は同じ名称でも、モデルによって密度が異なります。

今作はかなりの高密度、つまりフォーム内の気泡が小さく、少なく、硬めなためヘタリには強い仕様です。

フォームにシワは入りますが、ヘタリは感じません。


また"Charged Foam Curry 2"ではシャンク部分が浮いた構造のため、次第にミッドソールとシャンクの間の空間が広がって、捻れ・変形が大きくなって来ました。

今作は中足部が浮いていないため、その心配もありません。

丁寧にフューズコーティングされたアッパーの耐久度も申し分なしでしょう。


意外だったのはアウトソールのラバー。

あまりにアグレッシブに、急ストップしてくれるせいか、エッジ部分の減りが早い。

ストリートでの使用にはオススメしません。

トータルの耐久性は優秀なレベルかと。


※"Charged Foam Curry 2"はチャージドフォームのヘタリが早い事がレビュー公開後に分かったため、耐久性スコアを当初の"8/10"から"6/10"に下方修正しました。

WEIGHT - 8 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

DSC07867

約403g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

eb-100715-Mudiay-700x400

まさかの「歴代最高のトータルスコア」になりました。

前作"UA Clutchfit Drive 1"で課題だったフィット感・サポート性を修正し、良かった部分もしっかりアップグレード。

隙のない仕上がりです。

15-16シーズンのベスト・パフォーマーは"Air Max Audacity""Charged Foam Curry 2"と思っていましたが、今作は軽くその上を行くパフォーマンス。


「もっと早く買えば良かった」と心の底から後悔しました。

そして、バッシュはデザイン・見た目で判断してはいけないと改めて反省させられました。

パフォーマンスが良いと、デザインも良く見えてくるから不思議なものです。

今や2足目はどのカラーにしようか迷っている状態です。


カラーによっては海外なら70ドル程度国内でも10000円程度のセール価格で手に入ります。

コストパフォーマンス的にも最強と言って良いでしょう。

是非試していただきたい1足です。

  • TRACTION - 10/10
  • CUSHIONING - 10/10
  • COURT FEEL - 10/10
  • FIT/LOCKDOWN - 10/10
  • SUPPORT - 10/10
  • LATERAL TRANSITION - 10/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 10/10
  • BREATHABILITY - 6/10
  • DURABILITY - 8/10
  • WEIGHT - 8/10
TOTAL SCORE
A 92 / 100

PERFORMANCE RANKING

TAGS