Nike Kyrie 2 EP Performance Review
- テストカラー:Bright Crimson(820537-680)
- 主な機能:Hyperfuse Technology, Heel Zoom Air Unit, Inner Bootie(Forefoot Only), Phylon Midsole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter, Midfoot Strap
- 着用した主なプレイヤー:Kyrie Irving, Reggie Jackson, J.R. Smith, Jameer Nelson, Thaddeus young
- 価格:¥17820(国内)・$120(海外)
Introduction
今回のレビューはカイリー・アービングの2ndシグネチャー。
球体のように丸いフォアフットがかなり特徴的なデザイン。
前作“Kyrie 1”でもフォアフットは、前後左右方向へ傾斜が付けられていました。
重心移動を加速させるための仕様かと思いますが、“バッシュのソールはフラットがベスト”と思っている自分としては、履く前からあまりワクワクしない形状。
それでも球体型ソールは今までにない形状なので期待も少し。
バッシュはプレーしてみなければ分かりませんから、食わず嫌いはダメですね。
それでは機能の細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 7 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
ヒールはオーソドックスなヘリンボーン・パターン。
フォアフットは楕円を中心に、全方向にエッジが効くパターン。
パターンの溝は深く、エッジ一本一本はかなりソフト。
フォアの球体部分は新品の状態だとほとんど変形せず、接地面積が限定され、かなり滑る。
ですが30分くらいプレーすると馴染んできて、適度にグニュッと沈み、しっかりコートを掴みます。
その後、数回の練習では比較的良くグリップしました。
しかしある時から大きくフォアフットが変形するようになり、今度は変形し過ぎで滑るという現象が…。
ラバーは耐久性あるXDRなので剛性は強めなはずですが、体重あるプレイヤーには向かない仕様なのかもしれません。
周りでも軽量プレイヤーは好んで履いていますが、体重あるプレイヤーや身体能力のあるプレイヤーは高確率で不満を持っている模様。
このXDRの粘性は平均より若干低めで、ホコリにも弱いです。
軽量プレイヤー限定になりますが、ソリッドラバーが使われたカラーを購入した方が良いでしょう。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
ファイロン・ミッドソールにヒール・ズームエアのセットアップ。
インソールはオーソライト製で、薄め。
オーソライトはスポンジのような素材で、最も一般的なインソール素材です。
ファイロンの感触は若干硬めで、それに包まれたズームエアの存在感は弱め。
そのため、衝撃吸収性を発揮するのは球体状のアウトソールの方。
球体部分と、足の高いエッジが体重を掛けると沈むため、平均レベルの衝撃吸収性は確保されています。
フォアフットのシャーシー部分を包むように巻き上がったアウトソールは前作“Kyrie 1”と同様。
ラバー自体がソフトなので、フォアフットの剛性・復元性は前作より弱め。
球体上のソールも沈む分、反発・反応は遅く、ギリギリ平均レベルかと。
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
アッパーはフォア部分はフューズ素材、ヒール部分はニット素材で構成されています。
フューズ素材は前作“Kyrie 1”よりかなりソフトになり、優しい足当たり。
フォア部分のみインナーブーツになっているのは前作同様です。
ヒールカウンターの成型も良く、適度なパディングもあり、カカトの抜け感もなし。
ストラップもしっかり足をロックしてくれます。
ソール形状により、足が後傾してしまう分でマイナスですが、素晴らしいフィット感です。
サイズに関しては、このカラーはEPラストらしく、長さと幅にゆとりあるつくり。
通常のナイキサイズを求めるなら海外版がオススメです。
前作“Kyrie 1”より高さは低くなっているので、甲高のプレイヤーは要試着でしょう。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 6 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
本来フューズ素材の利点は耐久性ですが、今作は柔らかく前作のカッチリしたフューズより耐久性は下がっています。
特に細いシューレースを勢い良く引っ張ると、シューレースホールが破れる可能性があります。
自分の周りでも2例ほどありましたので、要注意です。
それ以外は、つま先がTPU素材でコーティングされ、捻れや変形も起きにくいつくりなのでトータルの耐久性は平均以上でしょう。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
独特なソール形状なので、かなりアグレッシブな機能を想像してましたが、履いてみた感想は普通のバッシュ。
ほぼ普通のバッシュですが気になった点を1つだけ。
球体状のフォアフットのおかげでジャンプシュートは非常に打ちやすい。
球体部分を掴むように指球のアーチが自然と形成され、ほとんど踏み込まなくてもクイックでシュートが打てます。
逆に言えば、このアーチの強制的な固定は動きの中ではストレスなわけですが…。
この辺りはプレースタイルに寄るでしょう。
-
TRACTION - 7/10
-
CUSHIONING - 7/10
-
COURT FEEL - 7/10
-
FIT/LOCKDOWN - 9/10
-
SUPPORT - 8/10
-
LATERAL TRANSITION - 7/10
-
HEEL-TOE TRANSITION - 6/10
-
BREATHABILITY - 7/10
-
DURABILITY - 8/10
-
WEIGHT - 8/10