Nike Hyperdunk ’08 Performance Review
- テストカラー:Blackout(820321-002)
- 主な機能:Flywire Technology, Heel Zoom Air Unit, Forefoot Lunarlon, Phylon Midsole, Inner Bootie(Forefoot Only), TPU Internal Heel Counter, Phylon External Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Kobe Bryant, Pau Gasol, Chris Bosh, Jason Kidd, Michael Redd, Deron Williams, Manu Ginobili
- 価格:¥16,200(国内)・$150(海外)
Introduction
今回は“Hyperdunk '08”のパフォーマンス・レビューです。
オリジナルはさすがに劣化して履けないので、使用したのは2016年製の復刻。
オリジナルの発売は2008年の北京オリンピックの頃。
国際大会には消極的だったアメリカが金メダル奪還に本腰を入れてきたのがこの大会でした。
選手の足元を見ると、ハイパーダンクだらけ。
ナイキがオリンピックでのマーケティングに本気になり始めたのもこの大会からでしょうか。
国ごとにPEが用意され、どのカラーも鮮やかでコートで非常に映えていたのが印象的でした。
見た目だけでなく実際のパフォーマンスも素晴らしく、初めて履いてプレーしたときは今までにない軽さとフカフカのクッションに感動した記憶があります。
「フライワイヤー」「ルナフォーム(ルナロン)」「TPU素材アッパー」など、今では当たり前に使われている機能・素材が初めて導入されたモデルでもあり、バッシュの進化において大きなマイルストーン的存在でしょう。
今回の復刻ではオリジナルの素晴らしい機能がどこまで再現されているのか、細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
ファイロンミッドソールのフォアフット部分にルナロンを埋め込んだクッションセットアップ。
オリジナル当時、ルナロンは「ルナフォーム」と呼ばれてましたね。
名称は変わっていますが、素材自体は基本的に同じものです。
誤算だったのは、このカラーはオリジナルには入っていた「ヒール・ズームエア」と「カーボンファイバー製シャンクプレート」が入っていないこと(!)。
今回の復刻では商品名に"OG"と記載あるモデルのみがオリジナルと同じ仕様らしいです。
現状ですと"United We Rise"だけですね。
完全に事前調査不足でした…。
それでもクッションはフカフカとソフトな足当たり。
ルナロンはほとんど存在感がありませんが、ファイロンはソフト且つ弾力性のある心地良い質感です。
オリジナルと比較するとヒールが薄いと感じますが、十分快適な衝撃吸収性は確保されています。
そして、こう言ったソフトなクッションだと心配されるのが、剛性不足から来る反発性の弱さ。
しかもシャンクプレートが無い仕様。
幸いにも(?)シャンクプレートは小さく、無くても大きな影響はありません。
ズームエアもヒール搭載なので、こちらも無くても影響は最小限。
ミッドソールとアウトソールの成型・構成はオリジナル同様に絶妙で、しなやか且つ高い復元力があります。
反発性に関しては悪くないパフォーマンスかと。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 10 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
アッパーは、フライワイヤーを組み込んだTPU素材とシンセティック・レザーのセットアップ。
フォアフット部分はタンからつながるメッシュ製インナーブーツ仕様になっています。
特にパディングもないアッパーですが、成型が非常に良い。
インナーブーツと裏地に張られたメッシュのおかげで足当たりもナチュラルです。
ヒールカウンターのカカトの収まりも申し分なし。
一点気になったのは「くるぶし部分のシューレースループ」が使えなくなっている事。
用途としては、より足をカカト側にガッチリとロックしたい場合に使うループです。
今回の復刻でも一応ループ自体は付いていますが、裏地のメッシュと共に接着されてしまっています。
使いたい場合は接着を剥がして、少し裏地を切らなくてはなりません。
個人的には使わないパーツなのでスコアには反映させませんでしたが、気になる方は購入前に確認した方が良いでしょう。
サイズに関しては、若干甲が低めですが、基本的に通常のナイキサイズで問題ないでしょう。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 2 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
最初の2回目くらいまではなかなかのパフォーマンスでしたが、3回目くらいからブレ・不安定感が大きくなってきました。
やはりシャンクプレートとズームエアが無いためだと思われます。
残念ながらオリジナルには遠く及ばないパフォーマンス。
買うなら絶対にズームエアの入った"United We Rise"が良いでしょう。
"United We Rise"は友人に少し履かせてもらいましたが、オリジナルの素晴らしいパフォーマンスが忠実に再現されているように感じました。
オリジナルのハイパーダンクは個人的に「歴代バッシュの中で最も高く跳べるバッシュ」。
APLの謳い文句ではありませんが「+10cmくらい跳べる感覚」です。
プレイヤーによってジャンプの仕方は違うので効果は保証はできませんが「ジャンプ力が上がるバッシュはどれか?」と聞かれたら真っ先に今作を挙げます。
クッションがヘタるまではトータルのパフォーマンスも最高レベル。
練習でガンガン履いてクッションをヘタらしてしまうのはもったいないと思います。
試合やトライアウトのための勝負靴として使うのがベストかと。
コスパは悪いので「予算に余裕があるなら」と条件付きでのオススメになりますが、"United We Rise"は一度は履いてみる価値のあるバッシュです。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 10/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 2/10
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WEIGHT - 10/10