Nike Hyperdunk 2016 FK(Flyknit) Performance Review
- テストカラー:Oreo(843390-010)
- 主な機能:Flyknit, Flywire, Full-length Zoom Air Unit, Phylon Midsole, TPU Internal Heel Counter, TPU External Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Paul George, Kentavious Caldwell-Pope, Aaron Gordon, Bradley Beal, John Wall
- 価格:¥27,000(国内)・$200(海外)
Introduction
今回は"Hyperdunk 2016 FK(Flyknit)"のパフォーマンス・レビューです。
先にレビューした「レギュラーバージョン」の"Hyperdunk 2016"は歴代最高スコアを叩き出しました。
その「レギュラーバージョン」よりも国内では約9000円、海外では60ドル高価な今作「フライニットバージョン」。
価格が大幅に上がった分、よりハイパフォーマンスを期待したいところ。
…ですがレギュラーバージョンの完成度が相当に高かったので、「良くて同程度のパフォーマンスだろう」と言うのが正直な予想です。
実際の機能はどうなのか?細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
CUSHIONING - 10 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
ファイロン・ミッドソールとフルレングス・ズームエアのセットアップ。
ファイロンはレギュラーバージョン同様に、若干弾力性ある質感。
フルレングスズームと繰り抜かれたアウトソールは、着地・接地の衝撃はほぼ吸収してくれ、足裏への負荷は最小限。
加えて、インソールはレギュラーバージョンよりも厚くなっていて、さらに吸収性はアップ。
最高クラスと言って良いでしょう。
フルレングスズームの入ったソールは、変形からは高速で復元します。
ただし、ミッドフットの変形の仕方が、レギュラーバージョンの方が足裏の動きと一致しているように感じました。
またトラクションが若干ホコリに弱いため、母指球部分のブレード・パターンの推進力もレギュラーバージョンには及びません。
とは言えレギュラーバージョンがメーターを振り切るほど素晴らしい反発性だったので、今作も相当に優秀なレベル。
不満を感じる事は無いでしょう。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
アッパーはほぼフルフライニット。
つま先にはキャップ状の補強パーツが入り、ヒールカウンターは内と外両方に設置されています。
フライワイヤーと繋がったシューレースはくるぶし辺りまでで、実質ローカットの構造。
それより上はソックス状のフライニットのみ。
この部分は伸ばしたままでも、ロールダウンしてプレーしても、機能面に違いはありません。
最近のバッシュは、殊足入れが難しいモデルが多く、今作もその形状を見た時から不安に思っていました。
実際にトライしてみると、意外にもとても簡単。
スポンッとスムーズに足が入ります。
ソックス状の部分は伸縮性十分で、履き口の成型もちょうど良い広さ。
ヒールカウンターの収まりも良好です。
中足部は足にピタリとフィットする少しタイトな成型。
この部分はフルフライニットなので、足当たりはナチュラル。
ただし、トゥーキャップを追加したつま先は中の空間が長く、高さも余る感覚。
このフライニットバージョンは幅広ラストのEPバージョンは存在せず、すべて通常ラスト。
にも関わらず、EPバージョン並みのゆとりがあります。
ハーフサイズダウンしても、長さと高さの両方はピタリと合いそうにない成型。
そのため十分なフィット感・ロックダウンを得るには、シューレースをタイトに締める必要があります。
締めると、つま先のゆとりもそこまで気にならなくなり、全力でプレーしてもほぼ違和感なし。
フライニットと補強パーツのバランス・使い方はこれで適切かと。
あとはその成型がもう少し良ければパーフェクトスコアでした。
※サイズ選びについて※
つま先の空間に高さがあり、全体に長めの構造。
基本ハーフサイズダウンで良いと思います。
シューレース部分はタイトな成型なので、特に甲高のプレイヤーは要試着かと思います。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
さすがにレギュラーバージョンの"Hyperdunk 2016"には及びませんでしたが、それでもなかなかのハイパフォーマンス。
フライニットをベースに、トゥーキャップやヒールカウンターなど補強パーツがバランス良く組み合わされています。
惜しいのはトゥーキャップの成型とトラクションだけ。
そのままでも試合用の勝負靴として使えるレベルですが、レギュラーバージョンより厚くなったインソールは交換を考えても良いかもしれません。
フルレングスズームのソールだけでクッションは十分で、これにインソールの厚さも加えると、レスポンスが若干遅い感覚。
薄いインソールに交換で、クッション性と接地感・レスポンスのバランスが良くなり、かなり動きやすくなりました。
体重のあるプレイヤーやビッグマンに限っては、純正インソールのままの方がおそらく快適でしょう。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 10/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 9/10