スジオカボードSummer(サマー)

今回は「スジオカボードSummer(サマー)」のレビューです。
初代スジオカボード、スジオカボードNEXTに続く三作目。
今回もフットプロンプターさんより商品の提供を頂きレビューしています。
※関さん、いつもありがとうございます!!
このボードたちはバッシュのインソール下に入れる事でその真価を発揮します。
詳細は初代スジオカボードのレビューを参照ください⇒スジオカボード1.6mm(1/3)
硬質ながらしなやかさもあるポリプロピレン系の素材が使われ、厚さは1.6㎜だった初代スジオカボード。
今作サマーの素材は残念ながら「正体不明」。
初代よりもやや硬く、屈曲からの復元スピードも速い。
地面方向への押し込みの変形からの復元速度は、初代比べて今作はややゆっくり。
厚さは1.6㎜と同様です。
大理石調の上面はスベスベで、フェルト調の下面はやや摩擦が強めです。
※厚みや素材は色々とバリエーションがあるので興味ある方はフットプロンプターさんのSNSにてご確認ください。
さてここからはスジオカボードSummerを色々なバッシュに入れて各個レビューしていきたいと思います。
まずはコービー6プロトロから。
この個体は結構履きこんだため、ミッドソールがかなり柔らかくなり、ソール剛性も落ちてしまっています。
人によってはバッシュが馴染んだと表現する状態ですが、バッシュは新品状態が一番性能が良いと思っている自分にとっては既に寿命が来ている状態。
初代はそんな寿命が尽きたモデルを若返らせ、新品と同じかそれ以上のパフォーマンスまで引き上げる効果がありました。
⇒NIKE KOBE VI(6) PROTRO (2020) PERFORMANCE REVIEW
今作のクッションは「クシュロン・ミッドソール」のフォアフットに「ズームターボ」を埋め込んだセットアップ。
最初は画像左のコービー6の純正インソールとサマーの組み合わせをトライ。
初代の時同様、純正インソールだと体重を掛けてもスジオカボードまで上手く体重が乗らず、これは失敗。
次にカイリー3の薄いインソール(一般的なオーソライト系素材)とサマーで再トライ。
結果これは大成功。
初代を入れたコービー6はカイリー5やジョーダンCP3.Xなどトップグループに近いパフォーマンスまで到達しました。
ただ真夏の気温ではソフトになり過ぎるクッションを完全に抑える事はできず、あと一歩の印象でした。
今作サマーはその熱で起きるクッションのブレもほぼ抑えてくれます。
トップグループと同クラスのパフォーマンスまで化け、正直コービー6を履いて初めて全力でバスケができました。
ズームターボはサマーにより上部への逃げ場を完全に失い、沈み幅がほぼ無いまま高反発だけを提供してくれます。
ただ…とまた注釈を付けないといけないのは残念ですが、この抑え込まれた状態のズームターボを全力のバスケで使うのは「長くて30分」。
上部を塞がれた分、左右方向のクシュロンにとんでもない負荷が掛かっているのが強いステップでは毎回実感します。
30分を超えたらザイオンのPG2.5(ミッドソール破断)になる可能性がかなり高いです。
また自分の足は基本的にコービーシリーズとフォアの屈曲の仕方が合わないのですが、サマーを入れた状態だとプレーが高速になる分だけその違和感も比例してアップ。
少し膝や足首が危ないと感じたことが何度かあったので、コービーシリーズに同じ感想をお持ちの方は気を付けてトライを。
コービーシリーズが合う方はそのまま良さだけが増す可能性が高いのでオススメです。是非お試しを。
続きましてはナイキ ジャ1。
自分が一番好きな現役NBA選手のファーストシグネチャーです。
「ファイロン・ミッドソール」に「フォアフット・ズームエア」を合わせたクッションセットアップ。
コービー6同様、まずはカイリー3のインソールとサマーの組み合わせからトライ。
……乗った瞬間から違和感があり、シューレースを締めた段階で違和感は確信に。
明らかにサイズが緩くなり、ソックスを足して埋める必要がある状態に。
実際に足して履いたらサイジングは問題なし。
ですがパフォーマンスはかなり微妙。
サマーがフォアのクッションを押し込んだまま底面に張り付いている様で、クッションに弾力性が一切残されていません。
硬いクッションは好みですが、この質感はちょっと違う。。
一様に沈んで張り付いている分けではなく、体重の掛かる部分だけやや深めに沈んでいるため、足のアーチ維持に影響が出てしまっています。
はっきり言ってこれは不快な部類の乗り心地。
スーパーフィートのグリーンなど他のどのインソールを合わせても快適にはならず、ジャ1に関しては初代スジオカボードが最適解の模様です。
さて、お次はカイリー5。
今回は最近特に気に入って履いているカラー”Bandulu”でトライ。
⇒NIKE KYRIE 5 SBSP PERFORMANCE REVIEW
こちらもはカイリー3インソールとサマーのコンビから。
。。。あまり軽々しく使いたくない言葉ですが…このパフォーマンスには「感動」しました。
誇張表現でなく、歴代履いたバッシュの中でもトップクラスに入る履き心地。
履いているバッシュを一切意識しなくなる素足感覚の状態でプレーできます。
90年代や2000年代にカイリー5を超えるパフォーマンスのバッシュはけっこうあったわけで、そんな過去の名作たちとの間には超えれそうで超えれない溝が今まではありました。
今回サマーがその溝の橋渡しになり、遂に同グループに属した印象。
コービー6でもかなり驚きましたが、まさかカイリー5クラスのバッシュが同じ上昇幅で変化するとは。。。こちらに関しては是が非でもトライを。
次はジョーダン・ルカ1です。
デザインは好きなのに機能が残念なバッシュの代表格。
スジオカボードNEXTで多少の改善が見られましたが、今回はそれ以上を期待したいところです。
⇒JORDAN LUKA 1 PF PERFORMANCE REVIEW
クッションは「EVAキャリア」の内部に、ジョーダンブランドの新しいフォーム素材「フォーミュラ23(Formula 23)」を敷いたセットアップ。
母指球部分だけやたらと沈み、対人で履くのは躊躇する仕様です。
こちらもカイリー3のインソールとサマーのコンビでトライ。
。。。変化はありましたが…沈み方がより急になり、ガクンッと落ちる感覚。
これは無しです。NEXTを使うのが現状はベストでしょう。
まだまだ行きます。
お次はジョーダン・ルカ2。
PFラストながらかなりのハイパフォーマンスを見せた良モデル。
初代スジオカボードとの相性はかなり良かったのでルカ1と違い、サマーも期待できそうです。
⇒JORDAN LUKA 2 PF PERFORMANCE REVIEW
クッションは「ファイロン・キャリア」の上部に「フォーミュラ23」を敷いたセットアップ。
ルカ2に関してはトーボックスの高さ問題があるので、厚みある純正インソールとサマーのコンビで。
…サマーを入れたカイリー5に感動したばかりですが、それにかなり近いレベルのハイパフォーマンスにこんなに早く出会えるとは。。。
今作のフォアクッションはサマーで押し固められることのなく、必要最低限の弾力性を保ちつつソール剛性は強力に。
接地感と反発性のバランスが絶妙です。
クッションがサマーに負けていないため、サマーの厚さ分だけトーボックスの高さも埋まりました。
現在バッシュの買い替えを考えている方に「オススメは?」と聞かれたら、ルカ2とサマーのセット購入と答えると思います。
まとめです。
スジオカボードサマーと相性が良い(ポジティブな変化が見込める)バッシュの条件は「弾力性・復元性の強いクッション」。
ジャ1が合わなかったのはミッドソールに弾力があるものの、他のモデルのミッドソールやズームエアに比べると復元性が低かったからかと。
復元性がある程度より低いバッシュには初代スジオカボードが合う傾向にあるので、そこは取捨選択を。
ボードの耐久性に関しては、今までのボードと同様で通常の使用ではしばらく使えるアイテムかと。
・インソールを使わずボードに直乗り
・あまりにソール剛性が弱いバッシュと合わせる
・オーバーサイズ(イメージとしては捨て寸1.5cm以上)のバッシュと合わせる
などはボードがすぐに割れてしまう原因として考えられるので注意が必要です。
ともあれ初代スジオカボード同様、買って損は絶対に無いアイテムだと思うので迷ったらトライがオススメです。
オーダー・ご相談はフットプロンプターさんへSNSのDMからお問い合わせください。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。