スジオカボード1.6mm(1/3)

3月 12, 2023
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今回は「スジオカボード1.6mm」のレビューです。

ツイッターの方をフォロー頂いてる方にとっては既知のアイテムかと思いますが、改めて説明を。

まずバッシュの基本構造として、ミッドソールとインソールの間にEVA製の「ノーマルストロベルボード」が存在します。

これがあるとクッションは沈みにくく、エアの感触は伝わり難いものでした。

そこでナイキとジョーダンブランドが投入した新機能が「エアストロベル」「ズームストロベル」

これらは上記のノーマルストロベルを排して、エアやズームエアの直上にインソールを置くセットアップの事。

その機能詳細は各レビューを見て頂きたいですが、体感としてはエアの最大化と言うより「衝撃吸収性の最大化」の方がしっくり来ます。

⇒NIKE AIR ZOOM G.T. RUN PERFORMANCE REVIEW (ズームストロベル搭載)

⇒NIKE PG 4 (PG4) EP PERFORMANCE REVIEW (エアストロベル搭載)

代わりに犠牲になっているのが「反発性」「反応速度」と「接地感」。

個人的にバッシュの機能で最重要視している項目たちばかりで、上記モデルはいずれも履いていてかなりストレスに感じるパフォーマンスでした。

エアストロベルやズームストロベルでなくても、最近のバッシュはブランド問わず吸収性が高いクッションが採用される事が多いのが実情。

そのため新作バッシュが発売されて、たとえデザインが気に入ったとしても購入まで至らないケースがかなり増えていました。


それを解消してくれる可能性のあるアイテムが「スジオカボード」。

ノーマルのストロベルボードが無いなら、自前で作って入れてしまえば良いと言うスジオカ(42)さんの発案から誕生しました。

製作を請け負ったのはフットプロンプターさんです。

用途はバッシュのインソールの下に入れるだけ

目的はクッションの沈み軽減です。

硬質ながらしなやかさもあるポリプロピレン系をベース素材に、上下から繊維生地でサンドした構造。

※この素材はバッシュのヒールカウンターやサイドウォールの素材に近いかと思います。

上面生地は摩擦が強めで、下面はスベスベな質感です。

厚みはタイトルのとおり1.6㎜を選択しました。

※厚みや素材は変更・相談可能ですので興味ある方はフットプロンプターさんへDMにてお問い合わせください。

⇒フットプロンプターさん(Twitter)

⇒フットプロンプターさん(Instagram)


さてここからはスジオカボードを入れてプレーしたモデルたちを各個簡単にレビューしていきたいと思います。

まずはコービー6プロトロから。

特にこのオールスターカラーはデザインは大好きなのにオンコートで履けないモデルの代表格。

かなり履いたため新品の頃に比べインソールもミッドソールもかなり柔らかくなってしまい、対人で履くの無理なレベル。

もしこの状態の個体でレビューを書いたら↓のレビュースコアから10点くらい下がると思います。

⇒NIKE KOBE VI(6) PROTRO (2020) PERFORMANCE REVIEW

今作のクッションは「クシュロン・ミッドソール」のフォアフットに「ズームターボ」を埋め込んだセットアップ。

最初は画像左のコービー6の純正インソールとスジオカボードの組み合わせをトライ。

純正インソールは厚みがあり且つかなり使った影響でほぐれてソフトになっているため、体重を掛けてもスジオカボードまで上手く体重が乗らず、これは失敗。

次にカイリー3の薄いインソール(一般的なオーソライト系素材)とスジオカボードで再トライ。

結果これは大成功。

ブレや沈みが減ったと言うより「消えた」と言う表現がしっくりくるくらいダイレクトなクッションに変化。

カイリー5ジョーダンCP3.Xには及ばないものの、そのトップグループにかなり近いレベルまで来ています。

対人バスケで履くのが億劫だったモデルが一気に試合で使えるレベルまで化けるとは、、、正直感動しました。

コービー6を持っていて、沈み過多や剛性不足が気になる方は是非ともお試しを。


続きましてはズームGTラン

200足以上レビューしてきた中でもワースト10に入る低スコアを叩き出したモデルです。

⇒NIKE AIR ZOOM G.T. RUN PERFORMANCE REVIEW

「フォアフット・ズームエア」の上に「フォアフット・ズームストロベル」を重ね、更にその上から「リアクト・インソール(ソックライナー)」を載せたクッションセットアップ。

画像の紺色の方がリアクトインソールです。

まずはリアクトドロップインの下にスジオカボードを入れてトライ。

わずかに沈みが軽減された程度で大きな変化は無く、フォアは不安定なまま。

思い通りのステップを踏むのは難しい仕様です。

次にドロップインの代わりにカイリー3の薄いインソールとスジオカボードのコンビでトライ。

コービー6で起きたような劇的な変化はなく、沈みは健在。

残念ながらGTランのクッションはスジオカボードでも対応不可でした。


どんどん行きます。

お次はカイリー5

説明不要の名作ですが、ガムソール使用のカラーは他カラーに比べ、僅かですが沈み感が強い。

この解消を期待してのトライです。

⇒NIKE KYRIE 5 SBSP PERFORMANCE REVIEW

まずはスーパーフィートのグリーンとスジオカボードのコンビで。

これは当たり。沈み感が消え、ジャンプ力も瞬発力も接地感も軒並みステータスアップ。

ただし身体のコンディションが微妙な日は、剛性過多で細かいステップが踏みにくい予感がするほどの強剛性。

カイリー5の純正インソール(通常のオーソライト系)とスジオカボードのコンビも効果アリです。

こちらの方がクッションの押し込みが強まるのか、ややサイズ感が緩くなったのだけが気になりました。

ソックスを足したりサイズアップするほどではないので、スーパーフィートとのコンビが剛性過多に感じる日のオプションとしては十分です。


次は気になっている方が多そうなジョーダン・ルカ1です。

デザインは好きなのに機能が残念なバッシュの代表格である今作。

個人的に一番沈みが解消して欲しいモデルです。

⇒JORDAN LUKA 1 PF PERFORMANCE REVIEW

クッションは「EVAキャリア」の内部に、ジョーダンブランドの新しいフォーム素材「フォーミュラ23(Formula 23)」を敷いたセットアップ。

フォアの母指球だけやたらと沈み、対人で履くのは躊躇する仕様でした。

これがどう変わるか、まずはルカ1の純正インソールとスジオカボードのコンビで。

。。。正直まったくの変化なし。しっかり沈みます。。

スーパーフィートのグリーンとスジオカボードで再トライも、こちらも変化はほぼ無し。。

期待が大きかっただけにこれにはかなり落胆しました。


さて気を取り直して次はエアジョーダン1ミッド。

⇒AIR JORDAN I(1) RETRO MID PERFORMANCE REVIEW

カップソールの内部に「ファイロンミッドソール」「ヒールエア」のクッションセットアップ。

まずは純正インソール(薄いスポンジ系)とスジオカボードのコンビで。

もともと沈みが無いモデルなので、沈み軽減の効果は感じず。

フォアの屈曲剛性が若干上がり、この分だけ反発性や反応速度が増してこれはまずまずの好感触。

スーパーフィートのグリーンとのコンビでは更に高反応になったので、沈み防止とは違う点で効果アリです。


続いてはレトロ繋がりでエアジョーダン13を。

フォアのグリッドに向かって沈み込む感覚が解消されるかがポイントです。

⇒AIR JORDAN XIII(13) RETRO(2017) PERFORMANCE REVIEW

「ファイロン・ミッドソール」の上部に「ヒール・ズームエア」「フォアフット・ズームエア」を埋め込んだクッション・セットアップ。

気になったのはフォアの中でも先の部分。足指の下のファイロンが異様に薄いこと。

母指球から足指に体重が移るときに落差が大きく、カクンッとやや不自然な体重移動でした。

これの解消を期待したいと思います。

まずは純正インソール(オーソライト系)とスジオカボードのコンビ。

。。。結果は全然変わらず。

スーパーフィートのグリーンとのコンビでも感覚は変わらずでした。

むしろ落差が大きくなる感さえあるので、これはボード入れずに履くのが良いようです。


さて最後は歴代最高スコアのこいつで。

⇒JORDAN CP3.X(10) PERFORMANCE REVIEW

「ファイロン・ミッドソール」のフォアフット底面に、9つに分節された「アーティキュレイティッド・ズームエア」を埋め込んだクッション・セットアップ。

スコアのとおり、クッションに関しては完全に満足している今作。

完成している機能に対してどう変化が起きるか、興味本位でのトライです。

まずは純正インソール(コシのあるオーソライト製)とスジオカボードで。

変化なし。

次にスーパーフィートのグリーンとスジオカボードで。

変化なし。

名作は名作のままでした。


まとめです。

※↓追加レビューも書きましたので興味ある方はどうぞ↓

⇒スジオカボード1.6mm(2/3)

⇒スジオカボード1.6mm(3/3)

スジオカボードと相性が良い(ポジティブな変化が見込める)バッシュの条件は「ソフトで弾力性あるクッション」「一様なクッション」かなと。

※条件二つ目は「一様で厚過ぎないフォアクッション」に修正します。

ボードにはソフトなクッションを押し込んで硬質化させ、高反応なクッションへ変化させてくれます。

よくレビューでもSNSでも「昔のバッシュは良かった。。。」的な事をボヤいていますが、スジオカボードを入れたコービー6は正に昔のバッシュの感覚に変貌。

ナイキのコービーモデルで初めて「素足感覚」を味わえました。

バスケにジャンプトレーニングにけっこう激しく使いましたが、割れそうな感覚は無く、母指球に少しヨレが来た程度。

耐久性は問題なさそうです。

一方、ズームGTランの様にフォアのみ大きく沈み、ソールの部分ごとに感覚が大きく変わるクッションには対応不可に感じました。

一様でないクッションのバッシュを改善したいと思っている方は、ボードの形状や素材などを変えて対応する必要があるかと思います。

この部分はフットプロンプターさんが相談に乗って頂けるはずなのでDMにてお問い合わせしてみてください。

⇒フットプロンプターさん(Twitter)

⇒フットプロンプターさん(Instagram)

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。


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