Jordan Luka 1 PF Performance Review

8月 3, 2022
32551
0
  • テストカラー:Photo Blue/White-Black-Glacier Ice
  • 主な機能:Formula 23,EVA Carrier,Flight Wire Cable,Iso Plate, TPU Internal Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Luka Doncic
  • 価格:¥13,200(国内)・ $110(海外)

Introduction

今回はNBAダラス・マーベリックスのPGルカ・ドンチッチの1stシグネチャー"Jordan Luka 1 PF"のパフォーマンス・レビューです。

デザインが好みで、珍しく発売前から欲しいと思っていた今作。

ナイキ公式からの通知が来た時には既に完売。。。

その後、今作を購入したもののサイズが合わなかった@yo_comadoから連絡あり、めでたくマイサイズを買い取り。

さて肝心のパフォーマンスはどうなりますか、細部を見ていきたいと思います。

⇒他のジョーダンブランドモデルのレビューはこちら

⇒ASTERKICKSのプロフィールはこちら

⇒各スコア項目についてはこちら

⇒Youtubeチャンネルはこちら

⇒Twitterアカウントはこちら

⇒Instagramアカウントはこちら

TRACTION - 7 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

全面が「ストライプ・パターン」のアウトソール。

ストライプはシャンクプレートなどパーツに沿っています。

PFラストのラバーにはXDRが使われることがほとんどですが、今作は「トランスルーセント」がメイン。

※XDRはその配合上、透けた見た目にはならないそうで「トランスルーセント=XDRではない」と考えて良いそうです。

ヒールのエッジはトランスルーセントではありませんが、XDRのタグがぶら下がっていなかったので「ソリッド」と考えて良さそうです。

ラバーの粘性(変形のしやすさ)はシャンクのある部分は低く、無い部分はやや高め。

粘着性は全体に通常レベルです。

初回の着用では急ストップ系でやや扱い難いものの強力にグリップ。ホコリにも強く、パーフェクトかな?と思っていました。

2回目以降はクッションがソフトになり、母指球周りの接地タイミングが遅くなり、ステップの強さによっては横ブレも発生。

またホコリの吸着も強めで、しっかり拭かないと取り除けません。

スキール音はやや大きめに鳴ります。

そのスキール音のとおり、やや制動距離があるトラクションです。

さらに横ブレも相まって、トータルではギリギリ平均レベルのトラクションかと。

CUSHIONING - 7 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

クッションは「EVAキャリア」の内部に、ジョーダンブランドの新しいフォーム素材「フォーミュラ23(Formula 23)」を敷いたセットアップ。

シャンクプレートは中足部から小指部分まで繋がった特殊な形状をしていて、その表面には「Iso Plate(アイソプレート)」と刻印があります。

キャリア部分の素材に関しては記載が見当たらなかったため、便宜上EVAとしています。

このEVAはややソフトめで弾力もそこそこある質感。

そしてフォーミュラ23は今作のメインテーマ。個人的に最も気になっていた部分です。

インソールの下の生地を接着剤で固めたストロベルボードがあるため、直接触れるのはアウトソールの土踏まず部分のみ。

その質感はソフトで弾力性・復元性はやや低め。

初回の使用ではアイソプレートの入っている小指球周りは硬く、しっかりした乗り心地。

プレートのない母指球周りはソフトで、大きく沈みます。

2回目では小指球周りのフォーミュラ23もソフトになって来て、母指球周りとの差が少し埋まりました。

3回目以降、全体的に使用に連れてヘタッて来ている感覚はありますが、その差は維持されたまま。

クッションの前後バランスとしてはほぼフラットですが、小指球と母指球はアンバランスでかなり扱いが難しい。

EVAキャリアの屈曲剛性はそこそこ高いので、枠はしっかりしてるが母指球周りだけ底抜けするタイプのクッションです。

フォア寄りで履くと沈むときにつま先が痛むので、ヒール寄りで捨て寸はいつも通りで履くのが良いと感じました。

このクッションの向き・不向きの説明は…押すポイントがフォアとヒールの違いはもちろん、股関節の内外旋も関わって来そうで…。

…細かく説明するととんでもなく長くなりそうなので割愛させていただきます。

個人的には期待していただけに残念なパフォーマンスでした。

「スーパーフィートのグリーン」に替えると前傾が強くなり過ぎ、より母指球に勢いよく乗ってしまい、沈みを助長するためNG。

"Nike Zoom BB NXT"のリアクトインソールはクッションバランスはそのまま、沈みを若干抑えてくれます。

※ちなみに純正のインソールはかなり密度の低いフォームで、初回使用でペラペラになりました。

※インソール交換はスコアに含めていません。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

クッションは厚過ぎず薄過ぎず、コントロールスピードで動いているうちはまずまずの接地感。

ドライブやジャンプなどアタック姿勢に入ってからはなかなか厳しい接地感。

使うステップの種類によって意見がかなり分かれそうな気がします。

FIT/LOCKDOWN - 7 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「フルレングス・インナーブーティー」をメッシュベースの「アッパー」が包むセットアップ。

インナーブーティーは切れ込みが少し入っていますがほぼフルレングス仕様です。

ブーティーはネオプレンではなく、一般的なメッシュ素材。

アッパーはメッシュの表面に「フライトワイヤーケーブル」を貼り、フューズでさらに補強されています。

シューレースホール周りはヌバックで補強され、タンのトップ部分はシンセティックレザーが使われています。

履き口はやや広めに開き、足入れは簡単。

アッパーの素材や成型は良いですが、クッションが沈むためシューズ内ではランダムに空間が生まれてしまいます。

加えて母指球側だけ沈む仕様なので、足首が強制的に外反させられてしまいます。

初回着用ではここに対応が上手くできず、内くるぶし辺りにシューレースが当たってけっこう痛みました。

基本足首は固めてプレーするため、アッパーの足当たりとは長年無縁だったため、この痛みはかなり新鮮でした。

この内くるぶし部分はインナーブーティーとアッパーが重なる部分で、そのため母指球の沈みが気にならなくとも足首の形状や、背屈強めでプレーする方は気になる可能性アリ。

事前の要チェックポイントです。

ヒールやタンのパディングは通常の量ですが、カカトの収まりは良好です。

フィットの項目なのにクッションの要素ばかりじゃないかと言われそうですが、足裏のフィットも含めるべきと考えているのでこの評価です。

※追記;今作はナイキ/ジョーダンブランドとしては珍しく、新品段階でシューレースは「オーバーラップ」で、こちらに送る前に「アンダーラップ」に通し直してくれたそう。

オーバーラップはシューレースホール部分の圧は強くなるものの、その分だけ周囲のタンが浮いたり空間が余計に生まれるため苦手。

そのため通し直してくれたのは非常に有り難かったです。

そもそもクッション部分の影響でフィットが微妙な今作ですが、それでもこの変更でいくらか改善される可能性があるので購入された方はご検討を。

※※※サイズ選びに関して※※※

グローバルラストのマイサイズと同じ「27.5cm」のPFラストを購入。

試着段階では小さく感じましたが、少し履くとインソールはペラペラになり、普段のソックス2枚でジャストに。

フォア以外のクッションの沈みは一様なので、足のアーチに関わらずマイサイズで良いかと。

アーチ成型は通常アーチ程度です。

またリアクトインソールに変更した際は、若干サイズがキツくなります。

もし交換前提ならハーフサイズ(0.5cm)アップも候補に入るでしょう。

SUPPORT - 6 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

リングジャンプなど股関節の内旋から母指球に強く乗るステップをいつも通り多用した初回の着用。

最初の一時間で両の膝や足首が尋常じゃなく痛み出しました。

足首は強制的に外反させられる仕様なので、一般的な内反捻挫の心配は無いと思いますが、膝に不安がある方で内旋位、母指球に乗るステップを使う方は要注意です。

これを考慮しながらステップを調整すればプレーは出来ますが、少なからずスピードやステップのバリエーションは限定されるため、強度の高い練習では厳しそうなサポート性です。

LATERAL TRANSITION - 7 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

左右方向ではクッションがやや横ブレするため、ディフェンスやルーズボールなど不意の強いステップでは遅れを感じます。

オフェンスではステップ角度をコントロールすれば比較的スムーズに動けます。

HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

前後方向ではブレーキ時、ジャンプ時に沈みが干渉して来ます。

ドライブのステップでは身体の方を調整すれば沈みはある程度無視できるようになりました。

調整後のドライブだけを考えたら8~9点を付けたいですが、ブレーキ部分は変わらずなのでこの評価です。

BREATHABILITY - 8 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

エアジョーダン6や7の様なベンチレーションホールが開いたタンがメインの通気口。

アッパーもトーボックスや小指側からは比較的通気してくれます。

真夏の灼熱の体育館で使用しても特に熱が籠る感じはありませんでした。

DURABILITY - 7 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

横ブレが結構起きるので、これに引っ張られてアッパーにもダメージが来るかもしれません。

合計9時間履いた段階では十分生きてますが、フォーミュラ23のヘタリが今後どうなるかは要観察。

という事でスコアは平均レベルの7点とします。

WEIGHT - 10 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

376g(片足・27.5cm)

Final Conclusion

今作をまとめますと「コントロールスピード」

身体能力を活かしたアスレチック系のプレイヤーには向かず、フィジカルやスキルでプレーするタイプに向いた仕様です。

ドンチッチのプレースタイルとはピッタリ合っていると思います。

結構辛口になりましたが、フォーミュラ23のフォームとしてのポテンシャルは悪くないかと。

その場のジャンプなど時間を掛けて溜めを作れるムーブではまずまずの加速感があり、今後に期待。

来年のJordan Luka 2ではアイソプレートを母指球まで伸ばしてくれたら、それだけねスコアは跳ね上がると思いますし。

安価ですが争奪戦が激しく、なかなか購入自体が難しい今作。

機能的もオススメとは言えませんが、自分には合いそうだと思った方、合いそうもないけど欲しい方、どちらも購入できることを祈っております。

※追記;今作は国内発売の「PFラスト」を使用しましたが、海外発売の「グローバルラスト」ではパフォーマンスは違う可能性があります。

今作に限らず、EPラストやPFラスト比べて、グローバルラストはアッパーの高さが抑えられているだけでなく、ミッドソールが厚いです。

そのため、沈みが大きかった母指球部分もグローバルでは違う可能性もあります。

現在はあまりに円安が進んでいて海外から買うのは躊躇してしまってますが、為替の状況によってはグローバルにもトライするかもしれません。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m

⇒ナイキ公式で購入

⇒楽天市場で購入

⇒アマゾンで購入

⇒ヤフーショッピングで購入

⇒ギャラリー2で購入


⇒他のジョーダンブランドモデルのレビューはこちら

⇒ASTERKICKSのプロフィールはこちら

⇒各スコア項目についてはこちら

⇒Youtubeチャンネルはこちら

⇒Twitterアカウントはこちら

⇒Instagramアカウントはこちら

  • TRACTION - 7/10
  • CUSHIONING - 7/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 7/10
  • SUPPORT - 6/10
  • LATERAL TRANSITION - 7/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
  • BREATHABILITY - 8/10
  • DURABILITY - 7/10
  • WEIGHT - 10/10
TOTAL SCORE
B- 75 / 100

PERFORMANCE RANKING

TAGS