NIKE JA 1 NRG EP PERFORMANCE REVIEW
- テストカラー:Halloween/Zombie(FV5562-300)
- 主な機能:Forefoot Zoom Air,Phylon Midsole,Half Inner Bootie,TPU Shank Plate,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Ja Morant,Dillon Brooks,GG Jackson,David Roddy,Nic Claxton,Danuel House Jr,Kentavious Caldwell-Pope,Kenneth Lofton Jr,Cameron Payne
- 価格:¥14,300・$120
Introduction
今回はJa Morant(ジャ・モラント)の1stシグネチャー"Nike Ja 1 EP(ナイキ ジャ1 EP)"のレビューです。
欧米で発売の「グローバルラスト」は既にレビュー済みで、なかなかのハイパフォーマンスでした。
後日、店頭で東アジア向けの「EPラスト」を試してみると、意外なほど好印象。
そしてタイミング良く好みのカラーである"Zombie(Halloween)"が国内発売。
オンラインの争奪戦には残念ながら敗れて買えませんでしたが、スジオカ(RETRO#16)さん経由で定価購入できました。感謝です!
早速その詳細を見て行きたいと思います。
※グローバルとEPの間には、サイズ感の違いはもちろん、クッションやグリップ性能などにも異なる点が存在します。
※この比較に関してはカイリー3のレビューで詳述しています。
⇒NIKE KYRIE 3 PERFORMANCE REVIEW
TRACTION - 10 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
JaシリーズのロゴとアルファベットのJAがマッシュされたアウトソール。
結果として全面が変則的な「ヘリンボーン・パターン」にまとまっています。
EPラストなのでラバーは耐摩耗性に優れた「XDR」。
XDRはやや硬めで、粘着性は平均的な質感。
スキール音はグローバル同様に大きめに鳴るものの、制動距離は特に感じず。
急ストップ系でもなく、ホコリにも強く、扱いやすいトラクションです。
試着レビューで履いたカラーのXDRはもっと粘着性が低く、滑りそうな感覚でした。
この辺りはカラーに寄り性能差があるかもしれません。
またラバーの種類だけでなく、アウトソールの形状・設計自体も今作は"Day One"のカラーとは異なります。
"Day One"など初期発売カラーはミッドソールに対して、アウトソールが左右にも縦にもやや大きくフレアな成型。
一方今作はじめ最近発売のカラーはミッドソールとほぼ同じ幅、同じ長さのアウトソール成型に変更されています。
これはグローバル、EPに関係なく起きている変更な模様です。
グローバルの"Day One"のフォアのシルエットは反り返っていて、エッジもカイリーぽく丸まっている様に見えます。
ですが実際にフレアした部分には体重がしっかり乗ることはないため、体感はフラットでした。
ただグライドやフロートなど左右へのステップではこのフレア部分が引っ掛かり、調整が必要な事がレビューを書きあげた後に判明。
スコアを変更するほどではないため加筆はしませんでしたが、現行の成型ではこの点を気にする必要がなくなっています。
グローバルの"Day One"とEPの"Zombie"がどちらも満点のトラクションですが、序列をつけるなら今作の方が上。
発売タイミングが違うのでフェアな比較ではありませんが、それでもEPがグローバルより良いと感じたのは今作が初めてかもしれません。
CUSHIONING - 9 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」に「フォアフット・ズームエア」を埋め込んだクッションセットアップ。
※ストロベルボードは通常のEVAです。
ファイロンは高めの密度で圧力を掛けるとやや沈み、そこからの復元が速い弾力ある質感。
グローバルの"Day One"よりも硬質でしっかりしたファイロンが使われています。
ただやはり厚さは違う。。。
グローバルとEPの違いはアッパー成型が高くなるだけでなく、「ミッドソールの厚さ」も変更されるのが常。
今作も例に漏れず、ミッドソールは薄くなっています。
通常この変更は足とソールの連動を薄め、ソール剛性も下げてしまう致命的な変化なのですが、今作はまたも例外的に良い。。。
薄いミッドソールはグローバルから履き替えた直後は頼りなく感じましたが、少しプレーすると身体の方が慣れ、薄いながらも押せばほぼ同等の反発が返ってくるように。
ジャンプの最高到達点はやはり下がったものの、薄さが接地感と細かいステップの鋭さを増している感覚。
ハンドラーなど平面での動きを要求されるポジションではEPの方が良いかもしれません。。
クッションでも条件付きで逆転現象が起きました。驚きです。
※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」に交換すると、元々しっかりしていたアーチサポートがより強化され個人的にはアリ。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクトインソール」に交換ではフォアの厚さが過剰になり、やはり窮屈になるためNG。
※「スジオカボードサマー」と「純正インソール」が最適解。グローバル同様、より少ない力でより高反発・高反応を得られます。
※「スジオカボード」と「純正インソール」の組み合わせもなかなかに好感触ですが、サマーよりはやや大人しめの感覚です。
※「スジオカボード1.5」との相性はまずまず。まだ詳細レビューしていないボードですがかなりの高硬度。EPの薄いミッドソールを押すにはしなやかなボードが合っている模様です。
※インソール・ボード交換はスコアに含めていません。
※ここで言及していないインソールやボードの他の組み合わせは「特に変化なし」もしくは「NG」でした。
※インソール・ボードの合う合わないは個々人によるのでこれらはあくまで参考程度でお願いします。
COURT FEEL - 10 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
クッションが薄くなったこと、アウトソールのフレア形状が解消されたことで接地感はグローバルの"Day One"より今作が明らかに上。
明確な逆転が発生。やはり驚きです。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「ハーフ・インナーブーティー」を「アッパー」が包むオーソドックスなセットアップ。
アッパー素材は「テキスタイルメッシュ」と「シンセティックレザー」がベース。
素材の組み上げに関しては「フューズ」や「接着」は少なめで「刺繍」が多い仕様。
通常のEPはグローバルに比べ、トーボックスに高さが追加された構造で、今作も同様。
今作のグローバルはトーボックスが低過ぎたため、高さが追加された今作のトーボックスがちょうど一般的なグローバルの高さに。
またグローバルではやたらと広かったヒールカウンターが、今作ではタイトになり、こちらもグローバル仕様に。。。
アッパーに関しては、どっちがEPでどっちがグローバルか分かりません。
実際に履いてみても、気になったのは土踏まず当たりの幅が広い事くらい。
グローバルの"Day One"より今作の方が上。。。再度逆転発生です。
※※※サイズ選びに関して※※※
EPラストの「27.5㎝」を購入。
純正インソールのままならいつものソックス2枚。
ベストパフォーマンスが出せる「スジオカボードサマー」を入れた場合はソックス1枚がジャスト。
ボードやインソールでの調整をする方はハーフサイズ(0.5cm)アップを基本に考える方が良さそうです。
純正インソールのまま使用する方はヘタリなど考慮に入れてマイサイズでも良いかもしれません。
SUPPORT - 10 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
トーボックスの低さから来る足指へのダメージも今作では解消されています。
サポート性でも逆転です。
LATERAL TRANSITION - 10 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
こちらは同率満点。
ですがグローバルのフレアソールにアジャストしなくて良い点を加味すると、左右方向のステップでもEPが上です。。
HEEL-TOE TRANSITION - 10 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
クッション項目で前述したとおり、グローバルからEPに履き替えた直後のみ前後方向の推進力には物足りなさを感じました。
少し履いて慣れれば、スムーズで強力な推進力を得られるように。
トーボックスの形状は大切ですね。。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンのメッシュがメインの通気口で、両サイドのレザーパネルのホールからも若干通気。
平均レベルの通気性はグローバルと同様です。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
約370g(27.5cm・片足)
Final Conclusion
今作をまとめますと「クラッチフィットドライブ 2」。
薄いクッションながら最高クラスに高反発だったバッシュと非常に似ています。
そのクラッチフィットドライブ 2の唯一にして最大の弱点は「耐久性」。
⇒UNDER ARMOUR UA TB CLUTCHFIT DRIVE 2 PERFORMANCE REVIEW
20回ほど履いた辺りでミッドソールがヘタリきってしまい、ガクンとパフォーマンスが落ちた記憶で、今作もその点だけが気になります。
この点に関してはもう少し履いてから追記予定です。※現在の使用回数は6回
グローバルのレビュー同様にモラントファンとしてのプラシーボも入っている可能性はありますが、考慮に入れても名作の域のパフォーマンス。
安価で手に入りやすいモデルなので、気になっている方は是非一度履いてみてほしい一足です。
※グローバルよりスコアは伸びましたが、製造タイミングによる仕様変更が大きな要因です。
※そのため単純にEPラストの方が優秀と言い切るのは難しく、"Zombie"など仕様変更後のグローバルは更にスコアを伸ばす可能性もあります。
※またボード調整だとまだまだグローバルの方が上だったり…この辺はまた別ブログで詳述します。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
このレビューが少しでもバッシュ選びの参考になれば幸いです。
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TRACTION - 10/10
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CUSHIONING - 9/10
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COURT FEEL - 10/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 10/10
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LATERAL TRANSITION - 10/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 10/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 10/10