Puma Scoot 1 (Zeros) Performance Review

2月 29, 2024
1925
0
  • テストカラー:Passionfruit-PUMA Green-Peach Fizz(379908_07)
  • 主な機能:PROFOAM EVA Midsole,TPU Chassis,TPU Internal Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Scoot Henderson
  • 価格:¥15,590・$100

Introduction

今回はNBAポートランド・トレイル・ブレイザーズのScoot Henderson(スクート・ヘンダーソン)1stシグネチャー"Puma Scoot 1(プーマ スクート1)"のパフォーマンスレビューです。

※プーマ公式サイトの商品名では"Scoot Zeros(スクート・ゼロ)"表記ですが、ここではボックスとタグの表記に従って"Scoot 1"と呼ぶこととします。

ヘンダーソンはNBA Gリーグ・イグナイト出身で、2023年のドラフト全体3位指名されたアスレチックPG。

ドラフト前からウェンバンヤマのライバルと目されていた逸材で、その時点で既にプーマとシューズ契約を締結。

加えてリーグデビューと同時にシグネチャーシリーズもスタートする事が決定し、発売されたのが今作になります。

同じ流れで発売されたラメロ・ボールのMB.01はなかなかのパフォーマンスでした。

⇒PUMA MB1(MB.01) PERFORMANCE REVIEW

それを超えてくると期待して細部を見ていきたいと思います。

⇒PUMAモデルのパフォーマンス・レビュー

⇒ASTERKICKSのプロフィール

⇒各スコア項目

⇒Youtubeチャンネル

⇒Twitterアカウント

⇒Instagramアカウント

TRACTION - 9 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

全面が「ヘリンボーン・パターン」のアウトソール。

フォアフット中央はパターンが最もタイト。

それ以外の部分はヒール側はパターン広めで、フォアに行くに連れタイトになっています。

ラバーは2種類の「ソリッド」が使われ、いずれも若干硬めで粘着性はやや高めの質感。

初回使用の最初15分は結構滑りました。

ホコリの影響かと思いきや、主な原因は「クッション」

ミッドソールのフォームが高密度で、シューズ内の温度が低いうちはフォームを押し込めずエネルギーが伝わらず滑っていた模様です。

体温が高くなってからはしっかり踏めるようになり、滑りは解消されました。

踏めるようになったかの確認方法は「クッションバランスの変化」

最初はヒールがかなり高くフォアが低い前傾バランス。それがフラット寄りに変わったらしっかり踏めている証拠です。

踏めているとは言え、ホコリの吸着が多い事は事実で、ある程度の量が溜まると拭く必要が出てきます。

トータルすると十分に優秀なトラクション。

スキール音は鳴りませんが、概ね止まりたいところで止まれます。

CUSHIONING - 9 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

ミッドソールが「プロフォーム」単体で構成されたクッションセットアップ。

質感はけっこう硬めで、高弾力且つ高密度。

最近はあまり見かけなくなったポリウレタン系のフォームです。

足入れの段階では前述のとおり、前傾強めのクッションバランス。

少しプレーすると体温でフォームが足裏に合わせて沈み、ほぼフラットに変わります。

前傾段階では酷い違和感でしたが、フラットになると快適そのもの

アウトソールによるケージはフォアの半分程度ながら、クッションは*ほぼ沈まず反応が速い。

フォアの屈曲剛性も、中足部の捻れ剛性も強く、どの方向へもイメージどおり次のステップに進めます。

*ほぼ、と注釈を付けた理由は「インソール」

やや厚みのある低密度のスポンジで、ラメロのMB.01のストロベルボードの素材に似ています。

⇒PUMA MB1(MB.01) PERFORMANCE REVIEW

これの沈みが個人的には余計に感じたためマイナス1ポイント。

このインソールが入っていても吸収性は間違いなく低めの部類。

吸収性を重視するプレイヤーはインソール交換前提が良いでしょう。

※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」に交換すると、ややアーチが過剰になり前傾も強くなってしまうので合わず。

"Nike Zoom BB NXT"の「リアクトインソール」に交換では、沈みが若干だけ解消し、悪くない感覚。

※硬質な「ナイキ ジャ1のインソール」単体に交換してみると、素晴らしく動きやすい。エネルギー伝達がダイレクトでパーフェクトスコアな感覚です。

※スジオカボードを使う際も「ナイキ ジャ1のインソール」など硬質系が合います。

※試して感触が良かったボードは上から順にスジオカボード1.5mm(コービー型)「スジオカボード1.5mm(ジャ1型)」「スジオカボード1.6mm」「スジオカボードサマー」です。

※インソール・ボード交換はスコアに含めていません。

※ここで言及していないインソールやボードの他の組み合わせは「特に変化なし」もしくは「NG」でした。

※インソール・ボードの合う合わないは個々人によるのでこれらはあくまで参考程度でお願いします。

COURT FEEL - 9 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

インソールの沈みはありますが、クッションは適度な厚さで反応は基本かなりダイレクト。

ソール形状がほぼフラットな事も接地感には大きなプラスです。

FIT/LOCKDOWN - 10 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「ハーフ・インナーブーティー」「アッパー」が包むオーソドックスなセットアップ。

アッパーはメッシュをベースに、フォア側はシンセティックレザーで、ヒール周りはヌバックで補強されています。

履き口は大きく開き、足入れは非常に簡単。

ヒール周りの成型は良く、パディングも適量。

パッド素材にはおそらくウレタンが使われていて、足型にピタリと変形してくれます。

カカトの抜け感を感じることはまず無いでしょう。

アーチサポートも適度で快適そのもの。

パーフェクトスコアです。

※※※サイズ選びに関して※※※

今回はナイキのグローバルラストのマイサイズからハーフサイズ(0.5cm)ダウンの"27.0cm"を購入。

いつものソックス2枚ではきつ過ぎて足が入らず、1枚に減らしても最初は少しきつい。

かなり小さめの作りかと思いきや、体温が上がるとともにヒールのクッションが沈み、パッドのウレタンも足型に合わせて変形。

結果、ソックス1枚でほぼジャストで履けるようになりました。

とは言えトーボックスの高さがやや余るので、やはりソックス2枚でマイサイズが正解だった模様です。

SUPPORT - 9 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

気になるのは体重が軽い場合、ヒールのクッションが沈み切らず、シューズ内で足が前傾になり、つま先にダメージが来る可能性がある点のみ。

それ以外は、シャンクがしっかり効いていて捻れ剛性は強力で、ヒールのフィットも良好。

ソール形状的にも安定性があり、足首のサポートはまず問題ないでしょう。

LATERAL TRANSITION - 10 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

左右方向ではインソールの沈みもあまり気にならず、強い捻れ剛性と反応の速いクッションから重心移動はスムーズ。

クロスオーバーでも鋭い切り返しが可能です。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

前後方向ではブレーキ時のステップでインソールの沈みがやや気になります。

それ以外の平面では加速感がありつつスムーズな重心移動です。

BREATHABILITY - 7 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

通気口はタンと、レザーのパネルが無いトーボックスのみ。

それ以外のアッパーには通気箇所はなく、トータルでは平均レベルの通気性かと。

DURABILITY - 9 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

気になるのはミッドソールの質感が変わるかどうか。

トータル10時間ほど使った段階では、パフォーマンスは素晴らしいまま。

フォームが旧世代の質感なので、おそらくへたるにしてもかなり時間が掛かると思われます。

WEIGHT - 8 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

442g(27.0cm・片足)

※27.5㎝だった場合、450gを超えると思われるので、1ポイントダウンです。

Final Conclusion

今作をまとめますと「プーマ史上初の名作」

プーマのバッシュで初めて試合で使っても良いと思えるパフォーマンスに出会えました。

良いカラーが出たら買い足したい…それくらい良いです。

最近のズームストロベルなどフカフカなクッショントレンドと完全に逆行した仕様で、古き良き90年代バッシュを彷彿させます。

当時のしっかりした履き心地が好みな方には是非試して頂きたい1足です。

※その際、インソール交換はお忘れなく…。

⇒プーマ公式で購入

⇒楽天市場で購入

⇒アマゾンで購入

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

このレビューが少しでもバッシュ選びの参考になれば幸いです。

⇒PUMAモデルのパフォーマンス・レビュー

⇒ASTERKICKSのプロフィール

⇒各スコア項目

⇒Youtubeチャンネル

⇒Twitterアカウント

⇒Instagramアカウント

  • TRACTION - 9/10
  • CUSHIONING - 9/10
  • COURT FEEL - 9/10
  • FIT/LOCKDOWN - 10/10
  • SUPPORT - 9/10
  • LATERAL TRANSITION - 10/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 7/10
  • DURABILITY - 9/10
  • WEIGHT - 8/10
TOTAL SCORE
A- 89 / 100

PERFORMANCE RANKING

TAGS