Nike Ja 2 (Nightmare) EP Performance Review
- テストカラー:Nightmare (HQ2637-600)
- 主な機能:Forefoot Zoom Air,Phylon Midsole,Half Inner Bootie,TPU Shank Plate,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Ja Morant,Desmond Bane,Jake LaRavia,Brandon Clarke,Jeremy Sochan
- 価格:¥15,730・$130
Introduction
今回はJa Morant(ジャ・モラント)の2ndシグネチャー"Nike Ja 2 EP(ナイキ ジャ 2 EP)"のパフォーマンス・レビューです。
モラント本人の怪我やオフコート問題など諸々あり、前作初代からかなり間隔を空けて発売の今作。
本来なら最初に発売されたカラーの「グローバルラスト」を海外から購入し、先にレビューする予定でした。
ですが輸送が遅々として進まず気が付いたらNBAが開幕し、後発であるナイトメアカラーのEPラストが先に届いてしまいました。
早速その細部を見て行きたいと思います。
※最近のナイキバッシュはカラーごとのパフォーマンス差が大きいため、ジャ2に関しては各カラーごとにレビューを書きます。
※なのでこちらのレビューは「ナイトメアカラーのEPラスト」に限定した内容になるのでご注意ください。
⇒NIKE JA 1 EP PERFORMANCE REVIEW
TRACTION - 10 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全体が「セミトレーラー用タイヤ・パターン」で構成されたアウトソール。
このタイプのタイヤはサウスカロライナにあるモラントの実家の裏庭に置かれ、日々のジャンプトレーニングに使れていました。
EPラストなのでラバー素材は耐摩耗性に優れた「XDR」。
XDRは硬過ぎずソフト過ぎず、粘着性はやや高めの質感。
スキール音は大きめに鳴るものの、制動距離は特に感じずナチュラルにグリップしてくれます。
パターンは若干細かめで、そこまで深くはありませんが、ホコリの影響は特に感じず快適。
パーフェクトです。
CUSHIONING - 6 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」に「フォアフット・ズームエア」を埋め込んだクッションセットアップ。
ファイロンは高めの密度で圧力を掛けるとやや沈み、そこからの復元はゆっくりめな質感。
インソールは青い密度低めでソフトなフォーム製で、こちらも復元スピードは遅め。
ストロベルボードは通常のEVAです。
※ファイロンに関しては例のごとくナイキ公式に素材説明が無いため、質感から便宜上ファイロンと呼んでいます。
いざ乗ってみると前作よりやや薄めながら結構しっかりした、ほぼフラットな乗り心地。
…ですがその乗り心地はウォームアップの20分程度で終了。
ミッドソールもインソールも体温が上がるに連れて沈みがどんどん強くなり、特に足指下のフォームはほぼ潰し切れてしまう前傾状態に。
同時にソールの屈曲剛性・捻れ剛性もかなりソフトに変貌してしまいました。
そのまま対人でプレーしてみましたが、いつもよりも足がコートに居着き、何でもないドリブルムーブでファンブルを連発。
ドライブからレイアップに行けても、ジャンプの高さはいつもの半分程度。
ディフェンスでもコートを押すタイミングが掴めず、簡単に抜かれるなど散々でした。
その後も対人バスケで数回履き、何とか乗りこなそうと頑張ってみましたが解決策は見い出せませんでした。
前傾から起こる足指へ当たりはストレスで、練習後の疲労感は普段の倍以上。
比較的涼しく、フォームを硬めに感じる季節という事も考慮して、スコアは厳しめに付けました。
反対にしなやかなソールと、優しいソフトなクッションが好みの方にはハマる可能性が高いかと。
※※※さて、今作のクッションに関して最も大事なパートはここからです。
まず純正インソールはペラペラなので、前作ナイキジャ1やエアジョーダン11などのインソールに替えることで沈み幅をいくらか抑えられます。
⇒Nike Air Jordan XI(11) Retro Low Patent Leather Version Performance Review
スジオカボードに関しては「1.5mmホワイト」が圧倒的に合います。
ファイロンもズームエアも適度に圧縮され、足指下の違和感も消え、沈み幅の少ない高反発・高反応なクッションに変貌します。
注意としてはボードを入れるとフォアのエッジ部分の高さが窮屈になる可能性がある事。
自分の足だと窮屈さが耐えられるレベルではなく、そこでボード上のインソールを「スーパーフィートのグリーン」に変更。
すると足のアーチが立つ分で、ちょうどフォアの窮屈さが解消。
自分の足にはこれがゴールデンバランスだったようで、なんと前作ナイキジャ1と遜色ない感覚です。
※インソール・ボード交換はスコアに含めていません。
※インソール・ボードの合う合わないは個々人によるのでこれらはあくまで参考程度でお願いします。
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「ハーフ・インナーブーティー」を「アッパー」が包むオーソドックスなセットアップ。
アッパー素材は「メッシュ」と「シンセティックレザー」と「スウェード」。
履き口は大きく開き、足入れは簡単。
ヒールカウンターの成型や周囲のパディングは適量でカカトの収まりは良好。
それ以外の部分の素材は全体に薄くしなやか。
タンに関しても結び目部分にはパディングがありますが、甲部分は薄いです。
シューレースはやや細めのフラット型なので、この部分の足当たりを気にする方は事前チェックが必要です。
またトーボックスの形状は先端に向かってやや尖っていて、この内部空間をしっかり埋めるのは至難の業かと思われます。
EPラストらしいボックスの高さも例のごとく存在し、クッションの沈みも計算に入れなければなりません。
基本どのモデルも要試着ですが、今作、特にこのカラーは要試着かと。
※※※サイズ選びに関して※※※
EPラストの「27.5㎝」を購入。
純正インソールのままならいつものソックス2枚が最適解。
尖ったつま先の先端は埋められず、若干長さが余り、トーボックスの高さにも余裕がありますが、ソックスでのアジャストはここが限界。
基本マイサイズで選ぶのが良いと思います。
足幅の広い方は形状的にかなりサイズアップを要求されそうなので、別のモデルを狙うのが良いかなと思います。
さておまけでクッショニングで「ゴールデンバランス」と評した「スジオカボード1.5mmホワイト」と「スーパーフィートのグリーン」のコンボについて。
このコンボをここまで大げさに表現したのは、クッションの変化のみならず、厚みとアーチサポートのおかげでフィッティングまでジャストに変化したため。
いつものソックス2枚でバッシュと足がピタリと一体になった感覚とダイレクトなクッションのセット、つまり「素足感覚」が実現しました。
このコンボが万人に当てはまる訳ではありませんが、ボードとインソールで高さ調節し、自分の足が合う層を見つけると一気に快適に履ける可能性があるので色々とお試しを。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
動き出しや切り返しの遅れは感じます。
一度動き出してしまえばスムーズで加速していけますが、初動に難ありなトランジションです。
HEEL-TOE TRANSITION - 6 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
左右方向と同様に前後方向でも初動に難があります。
扱いにくさは前後方向の方が手強かったのでこのスコアです。
BREATHABILITY - 9 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンとトーボックス上部には目の大きいメッシュが使われ、通気口は多めに確保されています。
足首のカットも低めなのでトータルの通気性は優秀と言って良いかと。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
アウトソールの素材は強度の高いXDRなので摩耗を気にする方、アウトドアコートで使いたい方には嬉しい仕様です。
ミッドソールは薄く、ボードやインソール調整前ですと各剛性はけっこうマイルド。
プレー中のシューズ全体の変形もやや大きく、当ブログで高評価しているモデルに比べると各パーツにダメージが来やすいかと。
すぐにどこかが壊れるレベルではないものの、ボードとインソール調整で補強できる部分なので、購入された場合は対策をオススメします。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
約338g(27.5cm・片足)
Final Conclusion
今作をまとめますと「アジャスト必須」。
アジャスト、調整、カスタマイズ、言葉は何でも良いと思いますが、色々と試しがいのある1足。
そのまま履いた場合のパフォーマンスはサブリナやコービーシリーズなど自分に合わない系統です。
⇒Nike Sabrina 1 EP Try-on Review
⇒Nike Kobe VI(6) Protro (2020) Performance Review
その合わない状態から前作ナイキジャ1とどちらを履こうか迷うレベルまで一気にジャンプアップ。
⇒NIKE JA 1 EP PERFORMANCE REVIEW
調整での上昇幅は歴代1位かもしれません。
イントロで述べた通りこのレビューはこの「EPラストのナイトメアカラー」に限定した内容です。
最近ナイキ公式でリストックされたり、店頭ではまだ余っていたりと購入のハードルはそこまで高くないカラーなので興味ある方は是非トライを。
※EPラストの他カラーやグローバルラストのレビューは別途近日中にアップしますのでお楽しみに…。
このレビューが少しでもバッシュ選びの参考になれば幸いです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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TRACTION - 10/10
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CUSHIONING - 6/10
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COURT FEEL - 7/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 6/10
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BREATHABILITY - 9/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 10/10