Jordan Zion 1 PF Performance Review
- テストカラー:ZNA(DA3129-400)
- 主な機能:Forefoot Zoom Air,Full-length Air Strobel,Phylon Midsole,TPU Shnak Plate, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Zion Williamson,Cody Martin,Greg Monroe,Jeff Green,Kai Jones,Nickeil Alexander-Walker,Willy Hernangomez
- 価格:¥14,300・$120
Introduction
今回はNBAニューオーリンズ・ペリカンズのPFザイオン・ウィリアムソンの1stシグネチャー"Jordan Zion 1 PF"のパフォーマンス・レビューです。
あまり得意でない…いえ正直かなり苦手なエア/ズームストロベル系のクッションなので、当初は試着だけで終わらせるつもりでした。
ところが試着で意外にも履きこなせそうな感触で、勢いで購入。
果たしてこの判断は正しかったのか、細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全面が「フィンガープリント(指紋)・パターン)」のアウトソール。
PFラストですが、ラバーの素材は暗闇で光る蓄光素材「グロウ・イン・ザ・ダーク」がメイン。
母指球部分のみ、ラバーの素材は(おそらく)XDRが使われています。
どちらのラバーも粘性(変形のしやすさ)が低く、粘着性がやや高めの質感。
粘着性が高めでパターンもやや浅めながら、試着段階で心配していたホコリの影響は少なめ。
ホコリが付いても一度拭けばしばらくはグリップしてくれます。
フォアのみ接地で方向転換する場合には、エアストロベルが沈む分、うまくフロアが押せず滑るシチュエーションがしばしば。
ただこれを感じたのは初回の途中までで、慣れたら快適。
スキール音はやや大きめに鳴り、急なブレーキでは僅かに制動距離がありますが、トータルするとかなり優秀なトラクションと言って良いかと。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
クッションは「ファイロン・ミッドソール」に「フォアフット・ズームエア」を埋め込み、さらにその上から「フルレングス・エアストロベル」を載せたセットアップ。
ファイロンはソフトで弾力ある質感で、PG 4の様な厚めでソフトなインソールが使われています。
⇒"Nike PG 4 EP"のパフォーマンス・レビューはこちら
試着段階の感覚は正しく、エアストロベルモデルで気になるフォアの沈みが今作は少なめ。
実際にコートで履いてみても、沈み幅は少なく、体重を掛けてからの反応が速い。
やはりフォアのミッドソールがケージが角度的に絶妙で、体重を掛けたクッションを逃さず受け止めてるようです。
ヒール寄りよりもフォア寄りで履く事でこの設計の恩恵は最大限受けられるかと。
※まあこれが通常ストロベルならもっとハイパフォーマンスだったと思われますが。
前後のクッションバランスもほぼフラットで、ソールの屈曲剛性・捻れ剛性も満足できるレベル。
メインローテーションのバッシュたちに比べると、若干疲れやすい感覚は残るものの十分に強度高めの練習でも使えます。
※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」に交換すると捻れ剛性はアップ。フォアの沈みはやや強くなる感覚があるので、ここは全力でプレーする前に要確認かと。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクトインソール」も吸収を増やしてしまうだけな感覚があり、こちらも全力で動く前に要確認です。
※試着レビューからの繰り返しになりますが、純正インソールの糊が強めなので、新品の状態で剥がしておくことをオススメします。
※とは言え個人的に今作は純正インソールのままが良さそうですが。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
一応2種類のエアが足下にあるはずですが、近年のエアは薄いので物理的にコートは近めのセットアップ。
沈みも少なめでエアストロベルモデルとは思えないほどはっきりした接地感。
長時間の使用では少し疲れやすい点は気になりますが、継続して履けばトラクション同様慣れる可能性もあり、もう少し履けば変化あるかもしれません。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
独立した「タン」を「アッパー」が包むクラシックなセットアップ。
アッパーの素材はソフト且つ薄い「メッシュ」で伸縮性はほぼありません。
ヒール周りやシューレースホールは補強のため「フューズ」が使われています。
足入れは簡単で、ヒール周りのパディングは厚めで、タンは必要最低限レベルの厚さ。
試着段階ではフォアに高さを感じましたが、いざプレーしてみると違和感はなく快適。
代わりに若干フォア幅と、土踏まず周りにゆとりを感じました。
個人的には許容範囲でしたが、気になる方は気になるかもしれません。
それ以外はヒール周りも含めフィットもロックダウンも良好。
素材は少しチープに見えますが今作はエアマックス・オーダシティと同系統で、履くまで良さが伝わり難いアッパーになっていると感じます。
⇒"Nike Air Max Audacity"のパフォーマンスレビューはこちら
※※※サイズ選びに関して※※※
サイズに関しては、PFラストの27.0cmを購入。
いつものグローバルラストのサイズからハーフサイズ(0.5cm)ダウンしてみました。
最初はいつもどおりソックス2枚で履いてみると、ピタピタで履けるもののストロベルの沈みが強くなり過ぎ、短時間のプレーでアキレス腱を痛めました。。
足が癒えて、ソックス1枚で再トライ。こちらが正解でした。
普段ソックス1枚の方はマイサイズで良いと思います。
もしソックス2枚の方は自分同様にハーフダウンして、ソックスを減らす方が良いかもしれません。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
ストロベルによる疲労感のみが懸念材料。
ここは合わないまま深追いすると大けがをする恐れがあるのでマイナス3 ポイント。
それ以外の基本的なサポート性は十分に備わっています。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
左右方向ではエアのソフトさからブレーキ時の制動距離がやや長めになり、エアストロベルでなければもう一瞬速く動けたのに…と思うことがたまにあります。
とは言え基本の重心移動はスムーズな部類です。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
前後方向は左右で感じる制動距離の影響もなくかなり快適。
ただ他のトップローテーションのバッシュならもっと加速できるだけで、不満に感じる方は少ないはず。
BREATHABILITY - 9 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンだけでなくアッパーも通気する設計で、暑い季節に向いた仕様かと。
同じバッシュを連続して履く部活生にとっても好まれるでしょう。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
アッパーは薄めのマテリアルですが、サイジングさえ間違えなければ長持ちすると思われます。
※サイジングを間違えるとバッシュの仕様に関わらず、シューレースホールなどアッパーダメージは発生しやすくなります。
ファイロンがソフトめなので長期の使用でどこまでこの質感を維持してくれるかは気になる所。
ウエイトトレーニングなどでは別のクッションのにないシューズに履き替える方が無難かと思います。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
385g(片足・27.0cm)
Final Conclusion
今作をまとめますと「やっぱりスリーパー」。
試着段階で感じたポテンシャルは間違いありませんでしたね。
ミイラ取りがミイラになって成功しました。(アキレス痛めたのは自分のミスなので)
通気性や重量の項目のおかげでトータルスコアが伸び過ぎている気はしますが、普通に強度高めのバスケで履けます。
ただその項目分を差し引いてもPFラストで自分がここまで好感触だったモデルはかなりレア。
グローバルだともっと良いかと思うと、今シーズンのバッシュで最も過小評価されていたモデルは今作な気が。。
世間ではちょうどザイオンの2作目の発売が近付いていて、そちらに注目は移ってる中で言うのはアレですが、一度試着してみると面白い体験ができるかもしれません。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 9/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 10/10