Nike Book 1 EP Performance Review

8月 31, 2024
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  • テストカラー:Barely Grape/Lilac Bloom/Daybreak(FJ4250-500)
  • 主な機能:Heel Zoom Air,Cushlon Midsole,TPU Shank Plate,TPU Internal Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Devin Booker,Franz Wagner,Andrew Nembhard,Max Christie,Jusuf Nurkic,Mikal Bridges,Jordan Clarkson,Devin Vassell
  • 価格:¥16,830・$140

Introduction

今回はDevin Booker(デビン・ブッカー)1stシグネチャー"Nike Book 1 EP(ナイキ ブック1 EP)"のパフォーマンスレビューです。

このシリーズのファーストカラーはおよそ半年前に発売されたものの人気で買えず。

その後も新色が出るたび争奪戦で、NBAの2023-24シーズンが終了しオリンピックが間近に迫ったタイミングでようやく購入できました。

結果として好みであるパープル系が手に入り、カラーには大満足。

自分はなかなか履きこなせないコービーシリーズを愛用しているブッカーシグですが肝心のパフォーマンスも満足行くものとなるか?

早速その詳細を見て行きたいと思います。

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TRACTION - 6 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

全面が前後方向に走る「ヘリンボーン・パターン」のアウトソール。

アジア向けのEPラストなので素材は耐摩耗性に優れた「XDR」が使われています。

XDRラバーはソフトで、粘着性はやや高めな質感。

スキール音が大きめに鳴る急ストップ系のトラクションです。

60%程度までのスピードでは基本快適。

それ以上のスピードを出すと途端に滑り出します。

原因はアウトソールラバーではなく「クッションバランス&特性」

詳細は次項で語りますが、とにかくクッションを上手く押すことができずステップのエネルギーは分散、もしくは在らぬ方向に逃げてしまいます。

ズルズルと滑るだけでなく、アウトソールが変形してバランスを崩しそうになることもしばしば。。

履き方を工夫すると若干の改善は見られ変形は多少解消も、滑りは健在です。。。

CUSHIONING - 4 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

「クシュロン・ミッドソール」「ヒール・ズームエア」を合わせたクッションセットアップ。

小指側からつま先にかけてのクシュロンはラバー調のケージとアウトソールに覆われ、親指側は剝き出しになっています。

そのクシュロンに触れてみると密度高め。押してみると沈み幅は適度にあり、そこからの復元スピードはややゆっくり。

ストロベルボードは通常のEVA。インソールはやや厚めで吸収性が高めなオーソライト製です。

足入れしての第一印象は「クッションが厚くなったコービー4

コービー4はプロトロの中で最も自分に合っているモデルなので、この時点ではテンションが上がりました。

⇒Nike Kobe IV(4) Protro (2018) Performance Review

ですが実際にプレーしてみると………「なんだこれ?」と思わず声が漏れるほど思い通りに動けない。。

足入れ段階でフラット気味だったクッションバランスは、動きの中では「前傾」に変貌。

やや前傾ではなくしっかり角度ある前傾です。

フォアのクシュロンは「ほぼ」潰し切れてしまいますし、アウトソールのつま先の反り上がり角度も急です。

「ほぼ」と括ったのは潰し切れずに残ったクシュロンが厄介で、前述のトラクションの弱さやフォアの不安定さに繋がるため。

対策としてソックスを厚めのものに替えて「捨て寸ゼロ」で履いてみると、前傾のシューズ内部を足がスライドしなくなった分だけフォアの頼りなさは和らぎました。

それでもスピードやステップの強さの制限が60%から65%に上がった程度の改善。

前傾の状態ではどうしても足の機能をフルに使うのは難しく…砂浜よりもう一段扱いにくい「沼系」のクッション。

少し厳しめかもしれませんが10回以上試行錯誤しながら履いた結果なので…このスコアが妥当だと思います。

「スーパーフィートのグリーン」「リアクトインソール」に交換でも特に改善は見られず。

「スジオカボード」の中では「スジオカボード1.5ホワイト」を入れると前傾は残るもののフォアの不安定性には多少の改善が見られ、これが暫定の最適解です。

※インソール・ボード交換はスコアに含めていません。

※ここで言及していないインソールやボードの他の組み合わせは「特に変化なし」もしくは「NG」

※インソール・ボードの合う合わないは個々人によるのでこれらはあくまで参考程度でお願いします。

COURT FEEL - 5 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

ズームの入った厚いヒールの接地感が常に最も高い不思議なバッシュ。

中足部からフォアは、進むに連れて掴みどころが無くなって行きます。

FIT/LOCKDOWN - 8 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「独立タン」「アッパー」が包むクラシックなセットアップ。

素材はそれぞれトーボックスからタンにかけては「ヌバック」、スウッシュと履き口周りはメタリックな「シンセティックレザー」、その周囲は「キャンバス」

足入れは非常に簡単。

ヌバックはしなやかで、タンと履き口のパディングはやや多め。

フラットなシューレースのロックダウン力はしっかり。

前傾クッションの影響で動きの中では足とソールが分離するシチュエーションがどうしても発生するため減点しましたが、アッパーの仕上がりはなかなかに良いです。

※※※サイズ選びに関して※※※
 
EPラストの「27.5㎝」を購入。

いつものソックス2枚でほぼジャスト。

基本普段と同じサイズで良いでしょう。

SUPPORT - 5 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

クシュロンは小指側のケージもあり、捻れ剛性は強力。

ですがその剛性に関係なくフォアに乗った際はバランスを崩す可能性があります。

また沼と評した吸収性過多のクッションから、練習後は毎回倦怠感に似た強い疲労感がありました。

長時間のプレーや連日の使用では身体へのダメージ蓄積から思わぬ負傷に繋がるかもしれません。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

左右方向へはソール全体を使ってのステップメインでプレーしてもそこまで支障がないためスコアは高め。

この状態なら不安定に感じることも滑ることもありません。

HEEL-TOE TRANSITION - 5 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

前後方向の重心移動ではフォアを無視することはできないためこのスコアです。

BREATHABILITY - 7 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

多くのバッシュでメインの通気口であるタンはフルヌバックで特に通気性はありません。

代わりにキャンバス部分からやや通気する程度でかなり熱が籠るかと思いきや、真夏の体育館でも特に気にならず。

ライニング素材の吸湿速乾性が良いのか、平均レベルの通気性は確保されている印象です。

DURABILITY - 7 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

前傾クッションから起こる前方スライドからトーボックス周りに掛かる負荷が一番の懸念材料。

ただヌバックはしなやかながら裏にしっかりした生地が合わせられていて、すぐに破れしまうなんて事はなさそうです。

本来なら使用に連れてのヘタリが気になるフォアクシュロンも最初から圧縮し切れてしまうため、良くも悪くもパフォーマンスは変わらないでしょう。

WEIGHT - 9 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約419g(27.5cm・片足)

Final Conclusion

「次作に期待」

個人的にはこれ以上に言う事はありません……がレビュワーとしてもう少しだけ深堀りしてみます。

※あと少しフォローも

今作のシグ主であるデビン・ブッカーはコービー・ブライアント以上にフラットフィート(偏平足)。

これに対して自分はノーマルアーチ。

またブッカーのシューズサイズは32.5㎝で、足長に比べて足指の長さは諸々の画像を見るに平均レベル。

自分はシューズサイズ27.5㎝で、足長(約27㎝)に比べ足指(人差し指が約7㎝)はかなり長め。

SNSの方では何度も触れた内容ですが、ブッカータイプの方は「フォアクッションもソール剛性もソフトを好む」傾向にあります。

加えて成長期に履いたシューズ特性の影響もかなり大きいと考えられ、コービーで育ったブッカーとエアジョーダン世代の自分では体性感覚も違って当然。

結局何が言いたいのかと言うと、当ブログのスコアは自分の体感を数値化したものに過ぎず、そこだけ見て今作を諦めるような事はして欲しくないという事。

バッシュのパフォーマンスに良し悪しは基本存在せず、あるのは「当人に合うか合わないか」

今作も自分には絶望的に合わなかっただけ。

逆に最高に合う方もいるはずなので気になる方は是非トライを。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m

このレビューが少しでもバッシュ購入の参考になれば幸いです。


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  • TRACTION - 6/10
  • CUSHIONING - 4/10
  • COURT FEEL - 5/10
  • FIT/LOCKDOWN - 8/10
  • SUPPORT - 5/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 5/10
  • BREATHABILITY - 7/10
  • DURABILITY - 7/10
  • WEIGHT - 9/10
TOTAL SCORE
C 64 / 100

PERFORMANCE RANKING

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