Nike Kobe IV(4) Protro (2018) Performance Review

12月 25, 2020
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  • テストカラー:Carpe Diem(AV6339-001)
  • 主な機能:Heel Zoom Air, Carbon Fiber Shank Plate, TPU Internal Heel Counter, TPU External Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Kobe Bryant, Devin Booker, Kyle Kuzma, Anthony Davis
  • 価格:¥19,800・$180

Introduction

今回はKobe Bryant(コービー・ブライアント)の4thシグネチャーの復刻モデル"Nike Kobe IV Protro"のパフォーマンスレビューです。

"Protro(プロトロ)"とは"Performance Retro(パフォーマンス・レトロ)"の略語で、「機能を改良した復刻」の事。

Protroの第一弾"Nike Zoom Kobe I Protro"では前後ズームがフルレングスズームに変わっていました。

第二弾の今作ではどうなりますか。

2008年発売のオリジナルは履きましたが、好みとはかなり遠いパフォーマンスで、2回の着用で手放しました。

2回着用の記憶なので当てにならないかもしれませんが、各所比較しながら細部を見ていきたいと思います。

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TRACTION - 8 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

全面が「ヘリンボーン」で構成されたアウトソール。

ラバーはそれぞれミルキーな「トランスルーセント」とパープルの「ソリッド」

どちらのラバーもソフトで粘性も高く、スキール音も大きめに鳴ります。

それでいてヘリンボーンのパターンも深いので、コートにピタッと張り付く感覚があります。

またフォアのグリッド(溝)は更に深く、ここがスパイクの刃のように噛んでくれ、加速感もあります。

綺麗なコートでは文句なくパーフェクトなトラクション。


ホコリの多いコートでは…少し話が変わってきます。

この原因はラバーの質と言いますか「耐久性」の部分。

特に「トランスルーセント」の方が弱いです。

数回の着用で削れ始め、その後は基本常に毛羽立った状態になります。

その毛羽立ち部分がホコリにかなり弱く、拭いてもトラクションは一瞬復活する程度。


コートの状態によってかなり表情の変わるパフォーマンスで、試合など大事な日に履くにしてもサブ機を持って行くのは必須でしょう。

オリジナルもホコリには弱かった記憶です。

2回しか履いていないので削れるまでは行かず、拭けばコート数往復はグリップしてくれました。

トラクションに関してはオリジナルと同等のパフォーマンスかと思われます。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

今作は「ファイロン・ミッドソール」「ヒール・ズームエア」を埋め込んだクッションセットアップ。

オリジナルはこれに加えてフォアフットに「メットバッグ・ズームエア」「ルナロン」が入っていました。

(メットバッグは通常の長方形ではなく、母指球の部分のみをカバーする楕円形のズームエアです)

今作ではこのメットバッグルナロンが省略されている訳ですが、発売当初は「フルレングス・ズームエア搭載」との情報が出回っていました。

情報錯綜の原因はナイキが初期に出した機能説明に「誤植」があった事の様ですが、フルレングスを期待していた人たちからの批判は結構激しかった記憶です。

自分はズームエアでもファイロンでも「コート上でのパフォーマンスが良ければ問題無い」というスタンスなので、特にネガティブにはとらえていません。

オリジナルではメットバッグが母指球側だけにあることからフォアに不安定感があったので、ファイロンへの変更にはむしろ期待要素です。

※これはKobe 5のオリジナルの感覚で、記憶が混同していました。


今作を実際に履いてみると、予想通りフォアの違和感は少なめ。

メットバッグズームが無いことによりフォアの乗り心地はバランス良く、よりナチュラルに。

さらにオリジナルよりややミッドソールが厚くなっている感覚で、片足でフォアに全体重を乗せたときの安定感、次のステップへの移動は前後左右ともスムーズです。

アウトソールの巻き上げが親指側と小指側で違う事から、フォアの屈曲の仕方が少し気になるのは変わらずですが許容範囲です。

屈曲剛性もオリジナルよりやや強くなっている感覚で反発性も悪くないレベルに。


ファイロンに関してはオリジナルよりもややソフトになっていて、アウトソールのラバーもソフトで吸収性はしっかり。

吸収性がありつつ大きく沈む感覚や、不安定に感じることもなくこちらも快適です。

(自分はフォアメインでプレーするので気になりませんが、ヒールをメインに使う方はエッジ部分が不安定に感じるかもしれません)


トータルして安定して動きやすいクッションでけっこう気に入りました。

オリジナルではフォアの屈曲剛性が新品の段階からもっと弱かった記憶で、今作はProtroの名にふさわしくしっかり改善されているな、と感じました。

COURT FEEL - 9 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

ソール形状はフラットで、クッションも平均よりやや薄め。

トラクションが効く限りは鋭敏な接地感があります。

FIT/LOCKDOWN - 9 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「フォアフット・インナーブーティー」「シンセティック・レザー」「フライワイヤー入りのフューズ素材」のアッパーが包む構造。

今では当たり前になっているフライワイヤーやフューズが使われ始めたのが今作のオリジナルの発売年2008年でした。

これによりバッシュの軽量化が一気に進み、またデザインの幅も大きく拡がりました。

さて、肝心の今作、Protroですが、オリジナルからの大きな変更はありません。

見た目ではヒールの成型がやや鋭くなったくらいで、これも最初に足入れした瞬間に僅かに違和感を覚えたくらいで、履くうちに気にならなくなりました。

唯一気になったのはクッションでも指摘した「フォアの屈曲の仕方」

綺麗なコートでは大丈夫ですが、滑るコートでは屈曲部分でブレが起きて、その時の変形の仕方が独特で扱い難いです。

(まあそもそも滑るコートではこのバッシュは履かない方が良いのですが)

それ以外は動きの中でもアッパーはしっかり足に付いてきてくれ、基本快適。

オリジナルでもフィットの部分は素晴らしいと感じていたので今作でもしっかり継承されていて嬉しいです。

※※※サイズ選びに関して※※※

今作にはEPラストの展開は無くグローバルラストのみ

サイズは普段の27.5cmからハーフダウンして"27.0cm"を購入してみました。

ソックス2枚でも足は入りますが、プレーするには少しきつく、今作に関して自分はマイサイズ(27.5cm)で良かったようです。

幅はやや狭めなので、足型が幅広の方はハーフサイズ上げる必要があるかもしれません。

(幸い27.0cmはソックス1枚に減らしたら問題なく履けて、今回レビュー出来ています)

それから"Undefeated(アンディフィーティッド)"とのコラボカラーは今回使用した"Carpe Diem(カルペディエム)"よりも作りは大きめです。

同じ27.0cmがソックス2枚でジャストで履けました。

また機能面でもけっこうな違いがあります。

これに関しては最後のConclusionで述べます。

SUPPORT - 7 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

今作のサポートに関しては完全に「トラクション」次第。

滑るときはフォアが変な屈曲の仕方をして、タイミングによっては捻挫しそうな感覚があり、滑るコートでは着用を避けるのが無難でしょう。

ソール形状やヒールカウンター、パディングは問題ありません。

LATERAL TRANSITION - 9 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

BREATHABILITY - 7 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

DURABILITY - 7 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

アウトソールの減りの速さは想定外でした。

オリジナルを履いた身としてはフォアの屈曲剛性がもっとカクカクになると予想していたのですが、こちらは20回ほど履いた段階でもまだ保っています。

アンディフィーティッドのカラーではまた違うのですが…こちらも詳しくはConclusionで。

WEIGHT - 10 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

359g(片足・27.0cm)

Final Conclusion

オリジナルはあまりにも合わなかっただけに今作はスルーしようかと長い間迷ってからの購入となったわけですが…。

結果として、「買って良かったと思えるパフォーマンス」でした。

試合で履くにはもうあと1歩か2歩届きませんが練習用としてなら全然アリ。

デザインに関してはKobeシリーズで一番の好みなので、オンコートで履けるスペックで発売してくれたNikeに感謝です。

(ズームエアの有無よりもミッドソールの質感と扱いが大切だと再確認できた意味でも)

スーパーフィートのグリーンとの相性も良く特にヒールに不安定を感じるプレイヤーの場合、インソール交換でかなり体感パフォーマンスが上がるでしょう。


最後に散々引っ張ってしまいましたが、「アンディフィーティッドコラボ」との比較です。

サイズに関してはコラボの方が作りが大きく、こちらはマイサイズからハーフダウンでジャスト。

機能面での相違点はコラボの方がフォアの屈曲剛性が弱く、アウトソールのラバーが硬質で吸収性はややダウンしています。

またライニングの生地がネオプレンでなく布地調の物に替わっていて足当たりやマテリアルを気にされる方は残念に感じられるかもしれません。

ポジティブな面としてはアウトソールのラバーの耐久度は上がっていて、トラクションとサポート性は増しています。

(これらの要素から判断するに、今回レビューで使用した「Carpe Diem」の方が個人的には好み)

全カラーを試したわけではありませんが、この2カラーだけでもかなり機能に違いがあるので、購入される際は少し注意した方が良いかなと思います。

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  • TRACTION - 8/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 9/10
  • FIT/LOCKDOWN - 9/10
  • SUPPORT - 7/10
  • LATERAL TRANSITION - 9/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 7/10
  • DURABILITY - 7/10
  • WEIGHT - 10/10
TOTAL SCORE
B+ 83 / 100

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