Nike Kobe V(5) Protro (2020) Performance Review

1月 21, 2021
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  • テストカラー:5 Rings(CD4991-400)
  • 主な機能:Forefoot Nike Zoom Turbo, Cushlon Midsole, Carbon Fiber Shank Plate, TPU Internal Heel Counter, TPU External Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Kobe Bryant, Anthony Davis, Bam Adebayo, Buddy Hield, De'Aaon Fox, Devin Booker, Kentavious Caldwell-Pope, Tyler Herro
  • 価格:¥19,800・$180

Introduction

今回はKobe Bryant(コービー・ブライアント)の5thシグネチャーの復刻モデル"Nike Kobe V Protro"のパフォーマンスレビューです。

("Protro(プロトロ)"とは"Performance Retro(パフォーマンス・レトロ)"の略語で、「機能を改良した復刻」の事)

Protroは"Nike Zoom Kobe I Protro""Nike Kobe IV Protro"が既にレビュー済みで、両モデルともオリジナルからしっかりと仕様変更が成されていました。

今作のオリジナルの発売は2009年で、当時はブルース・リーのカラーをメインで着用。

正直あまりポジティブな印象は無く、10回も履かずに手放した記憶です。

それでもオリジナルのKobe4よりは良いパフォーマンスでしたが。

(オリジナルのKobe4は本当に自分には合いませんでした)

その4がProtroではかなり履きやすくなっていたので今作にはかなり期待してのトライ。

各所比較しながら細部を見ていきたいと思います。

ていきたいと思います。

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TRACTION - 9 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

全面が「パルスレート(心拍数/心電図)・パターン」で構成されたアウトソール。

ラバーはそれぞれミルキーな「トランスルーセント」とイエローの「ソリッド」

ソリッドはやや硬質で、トランスルーセントのほうはややソフトな質感ですが、特にトラクションに差は感じません。

全面がしっかりとコートを掴む感覚があり、スキール音も鳴らず、止まりたいところで止まれます。

パターンは浅いものの、ホコリの影響も少なめ。

オリジナルではもっとパターンの間隔が広く接地面積も少なく、ホコリにはかなり弱かったと記憶しています。

今作ではその反省からかしっかりと対応が成されています

CUSHIONING - 7 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

オリジナルでは「ファイロン・ミッドソール」のヒールに「ズームエア」を、フォアに「メットバッグ・ズームエア」が入ったセットアップでした。

(メットバッグは通常の長方形ではなく、母指球の部分のみをカバーする楕円形のズームエアです)

オリジナルのクッションは全体的にかなり薄く、フォアはメットバッグが不安定に感じ、ヒールズームは沈まず無難な乗り心地。

薄いクッションの割にはソール剛性も反発もあった記憶で、この部分がオリジナルの"Zoom Kobe 4"より優っている点でした。


肝心の今作のクッションは「クシュロン・ミッドソール」のフォアフットに「ズームターボ」を埋め込んだセットアップと、結構な変更が施されています。

フォアのズームターボは"Nike Kyrie 5"などと同様にフォア全面をカバーしていますが、感触は全くの別物でフニフニと沈みが強い。

これはズームターボ自体が悪いと言っている訳ではなく、包んでいるクシュロンと、またフォアが反ったアウトソールとの「相性」の問題です。

クシュロンはズームターボよりソフトで沈みやすく、そこからの復元も「遅い」

そのため体重を掛けるとズームエアだけに乗る状態になり、非常に不安定に感じます。

また元々フォアに比べて低いヒールはクシュロンが沈むことで「後傾」がより強めに。

低いヒールから登って、アンバランスなズームターボに乗り、そこから反ったアウトソールで急降下。

重心移動はかなり不自然で反発も弱く、かなり動き難いです。

前後でも左右方向でもこれは同じで、コートを押してステップするタイプの自分には辛い仕様。。。

とここまでは普段ソックス2枚で履いている状態でのパフォーマンス

ソックスを1枚減らして「捨て寸」を大きめに取って履く事でこのクッションは劇的に良くなります。

ソール全体に渡って乱高下してるクッションバランスを部分的に避けてプレー出来るようになり、足のアーチも通常の機能を取り戻します。

アーチが戻ればソフトなクッションもしっかり押せるようになり、圧縮して反発に繋げられます。

この「捨て寸」はつま先側に取っても、カカト側に取っても有効です。

自分のようにソックス2枚派の方は捨て寸少なめで履いているはずなので、マイサイズを購入してソックスを減らすだけで良いでしょう。

ソックス1枚の方で、元々捨て寸を1cm以上取っている場合はマイサイズで、もし捨て寸をほとんど取っていない場合はハーフサイズ(0.5cm)アップを購入しても良いかもしれません。

この変更で劇的に良くなると言っても、インソールがソフトな事も相まって、特にヒールはまだまだ吸収性過剰なクッションです。

強度の高い対人バスケで使うには、スーパーフィートのグリーンを入れないと厳しい感覚です

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

ソックス調節をするまではかなり朧げな接地感でしたが、調整後は必要十分レベルまで向上。

クッション自体は薄めなこともプラス材料です。

FIT/LOCKDOWN - 8 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「フォアフット・インナーブーティー」「スキンワイヤー」のアッパーが包む構造。

スキンワイヤーと名前を変えてはいますが、前作"Kobe 4 Protro"のフライワイヤー入りのフューズと基本的に同じもの。

ただより薄く、よりしなやかに皮膚の様な質感に近付けたものがスキンワイヤーになります。

実際に足入れの瞬間から足に沿うようにフィットしてくれ、プレー中もブレることなく快適です。

ソックス2枚の段階では、足入れの瞬間から足に沿うようにフィットしてくれ、プレー中も快適でした。

ただこのままだとソールに上手く乗れないので、ソックスは減らさざるを得ません。

そうすると捨て寸の分はもちろん、くるぶし下にも空間が生まれ、動きの中では多少気になります。

ですがバッシュの機能に置いてソールが何より大切なのでこれは払うべき代償です


※※※サイズ選びに関して※※※

今作はEPラストの展開は無くグローバルラストのみで、サイズはマイサイズ"27.5cm"を購入。

詳細に関しては前述のとおりですが、改めて。

ソックス2枚でピッタリですが、少し捨て寸を作る方がソール機能を引き出せるためソックス1枚がベター

普段から1枚でプレーされている方はハーフ(0.5cm)サイズアップを検討しても良いかもしれません。

足幅や高さはグローバルの中でもややタイトな作りなので、幅広・甲高の方もやはりハーフサイズアップが良いかと。

SUPPORT - 8 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

クッションの沈みはただ沈むだけで、危険な横ブレはしません。

沈みを取り返そうと余計な力が要る分、筋肉や腱への負荷が気になりますが。

カットの低い足首はヒールカウンターやパディング、ソールの捻れ剛性がしっかりしているため安心してプレーできます。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

BREATHABILITY - 7 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

DURABILITY - 6 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

普段より捨て寸多め、ややオーバーサイズ気味で履かなければならない今作。

これはけっこう大事なポイントですが、シューズは少しオーバーサイズなだけで劣化スピードが一気に加速します

足がシューズ内でピンボールの様に動くことも増えるのでアッパーへの負荷も増えます。

またその遠心力を抑えるために力んでステップすることでエアに余計な負荷を与える可能性もあります。

レビューを書いている現段階では20数回の着用で目立つダメージはありませんが、可能性としては考えられるのでスコアは低めです。

WEIGHT - 10 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

345g(片足・27.5cm)

Final Conclusion

そこそこだったオリジナルのパフォーマンスから、「別のテイスト」でそこそこのパフォーマンスに。

このカラーに関してはトラクションが良くなったのは評価できます。

追加でオリジナルでも履いていた「ブルース・リー」のProtroも買ってみたのですが…まあ滑る滑る。。

黒いソリッドラバーはホコリに弱い傾向があることは承知していましたが、パターンが改善された今作でもオリジナル並みに滑るとは思いませんでした。

シリアスなパフォーマンスを求めるなら黒ソリッドはオススメしません

またこのブルース・リーは「27.0cm」を試しに買ってみました。

ソックス1枚でも「捨て寸」取って履けたら良いパフォーマンスかも…と期待したんですが長さはギリギリ。捨て寸を取るのは無理でした。

自分の場合はマイサイズのままソックスを減らすのが最善の様です。

レビューを書いている途中に思ったのは「フォアが反ったソール形状」「クシュロン」の組み合わせで"Nike Kyrie 4"も存在したな、と

あのモデルもかなり履きにくかったですが、オーバーサイズで履けたら多少は良かったのかもしれません。

とは言え他のハイパフォーマンスモデルを超えることはないと思いますが。。

ともあれ今作はバスケで履こうと思ったらインソール変更は必須で、サイジングもいつもよりシビアに選ぶ必要があるでしょう。

単純にProtroを履いてハイパフォーマンスを求めるなら前作"Kobe IV Protro"(Undefeatedコラボ以外)の方をオススメします。

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https://asterkicks.com/performance-review/4319.html

https://asterkicks.com/performance-review/4664.html

 via https://nikelebron.net/kobe_bryant_vs_lebron_james_the_never_ending_story/

 

  • TRACTION - 9/10
  • CUSHIONING - 7/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 8/10
  • SUPPORT - 8/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
  • BREATHABILITY - 7/10
  • DURABILITY - 6/10
  • WEIGHT - 10/10
TOTAL SCORE
B 79 / 100

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