Nike Kyrie 4 EP Performance Review
- テストカラー:Black/White-Anthracite-Light Racer Blue(943807-002)
- 主な機能:Engineered Mesh, Dynamic Flywire, Half-length Inner Bootie, Cushlon Midsole, Heel Zoom Air Unit, Cushlon Midsole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Kyrie Irving, Jayson Tatum, Terry Rozier, Danny Green, Aaron Gordon, Jaylen Brown
- 価格:¥16,200(国内)・$120(海外)
Introduction
今回はKyrie Irving(カイリー・アーヴィング)の4thシグネチャー"Nike Kyrie 4 EP"のパフォーマンス・レビューです。
カイリーシリーズ独特のソール形状は今作でも健在。
これは個人的にあまり好みではなく…出来るだけフェアな目線でレビューしたいと思いますが、期待値は正直低めの設定です。
世間的には大人気ですが、その実力は如何ほどでしょうか?
早速細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
「ヘリンボーン・パターン」と中央の「ジグザグ状のグリッド」で構成されたアウトソール。
ヘリンボーンにもジグザグ加工が施されています。
ラバーは耐久性の高い"XDR(Extra Durable Rubber)"で、硬め且つ粘性は高めの質感。
硬いラバーの代わりに、体重を掛けるとグリッドが適度に沈みコートを掴むようにグリップしてくれます。
パターンは深く、ホコリにも強い仕様で、なかなかにアグレッシブ。
…ですが横方向への強めのグリップでは、足が外側に傾く感覚が。。。
ソール自体の形状も去ることながら、アッパーも少しブレます。
それを補正しながらプレーするので、練習後は毎回足の関節が微妙に痛みました。
このカーブしたソール形状は、やはり私にとって鬼門なのか…。
アグレッシブなトラクションをアグレッシブに使えない分、スコアはダウン。
この形状が気にならなければ、また足型がEPに合っている方はパーフェクトに感じるトラクションかと。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「クシュロン・ミッドソール」と「ヒール・ズームエア」のクッション・セットアップ。
クシュロンはファイロンの様なフォーム素材。
ランニングシューズやトレーニングシューズに使われていた気がしますが、バッシュではおそらく初めての採用です。
その質感はモチモチと心地良い足当たり。
しっかり沈み、そこからの復元も速い感覚です。
クシュロンに包まれたヒールズームの感触は無いものの、カカトの沈み込みをしっかり防止。
前作"Kyrie 3 EP"よりクッション全体が厚くなり、吸収性はなかなか快適です。
クシュロンはソフトですが弾力性があり、シューズ全体の剛性はしっかりしています。
左右方向ではアッパーのブレとソールの傾きから全力では動けないものの、クッションの反応・反発共に悪くありません。
前後方向、特にジャンプでは大きな違和感があり、プレーが制限されます。
このカーブしたソール形状では屈曲させる前に重心が転がって逃げてしまい、剛性を活かせません。
またソールの屈曲の仕方もナチュラルでなく、厚くなったクッションと合わさり、なかなかの違和感。
この辺はEPラストが足型に合っていない事も関係しているとは思います。
一応ハーフサイズダウンして長さはギリギリまで詰めてるんですけどね…。
トータルすると前作より吸収性を足した分だけ、癖もアップしています。
カイリーシリーズを履いた事が無ければ要試着のクッションかと。
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 6 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
アッパーは「エンジニアード・メッシュ」と「ヌバック・レザー」の組み合わせ。
またトゥーガードにヌバックが、ヒールにシンセティック・レザーが使われるなど、マテリアルにはかなりの拘りが見られます。
またお馴染みのフォアフット・インナーブーツも健在。
足入れして、シューレースを締めた段階ではなかなかスナッグなフィット感。
いざプレーしてみると、前述の横ブレがちょいちょい発生。
これはEPラストの中でも、ソール幅が広くなった以上に「アッパーにゆとり」を持たせ過ぎたモデルで起きる印象です。
最近では"Zoom KD 10(X) EP"のアッパーも似た感覚でした。
きっちりシューレースを締めても、急な切り返しではアッパー自体がフットベッドから溢れてしまいます。
EPラストでもソール幅とアッパーのゆとりのバランスが良いモデルは、ハーフサイズダウンで快適なのですが…今作は違いました。
このカーブしたソールに、厚みあるクッションとゆとりあるアッパーが合わさると、シチュエーションによってはかなり不安定に感じ、ケガをするんじゃないかと正直怖かったです。。。
カーブした部分と足指の関係性も気持ちが悪く、全力で動けば動くほどバッシュと一体感が失われる仕様に感じられました。
やっぱり合わないなぁ。。。
※サイズ選びについて※
今回使用したのは「EPラスト」の「ハーフサイズダウン」。
長さはギリギリで、爪を伸ばすと当たりそうなくらい。
それでも幅・高さには余裕があり、足幅が細めのプレイヤーにはオススメしません。
通常幅、もしくは幅広のプレイヤーは普段と同じサイズを基本に考えて良いでしょう。
SUPPORT - 5 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 7 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
かなりのロースコアになりましたが、妥当でしょう。
"Lebron XIV(14) EP"と同系統のパフォーマンスで「履くのが怖い」レベル。
Reebokのイー〇ートーンでバスケするとこんな感じかもしれません。。。
それにしてもクッションの厚さでここまで感覚が変わるとなると、このカーブしたソール形状に対する「最適解」は前作"Kyrie 3 EP"の「薄いクッション」だった気がします。
※もちろん厚さ以外にも、今回の個体が「EPラスト」だからアッパーがブレやすかったり、「XDRソール」だからソールが硬めでよりアンバランスになった事も関係しているとは思いますが。
「この形状にこれ以上の進化は期待できないかな…」と言うのが今作までカイリーシリーズを履いた正直な感想です。
"Kyrie 5"の情報はまだ出ませんが、個人的にはそろそろ「脱カーブ」のカイリーモデルが見てみたい…密かに期待しています。
https://asterkicks.com/performance-review/403.html
https://asterkicks.com/performance-review/1583.html
https://asterkicks.com/performance-review/2529.html
https://asterkicks.com/performance-review/2731.html
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 7/10
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FIT/LOCKDOWN - 6/10
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SUPPORT - 5/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 7/10