Nike Zoom KD 10(X) EP Performance Review
- テストカラー:Igloo(897816-002)
- 主な機能:Flyknit, Full-length Articulated Zoom Air Unit, Phylon Midsole, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Kevin Durant
- 価格:¥18,900(国内)・$150(海外)
Introduction
今回はケビン・デュラントの10thシグネチャーのパフォーマンス・レビューです。
リクエストを頂いてから時間がかなり掛かってしまいスミマセン。
何とかデュラント本人が履いているうちには間に合いました。。。
毎回サイズ選びが難しいKDシリーズですが、今回は珍しく試着して購入できる機会がありました。
EPバージョンのマイサイズでは微妙にゆとりがあったため、最終的にハーフサイズダウンの「27cm」を選びました。
少しキツかったものの、インソールが沈む分を考慮に入れればちょうど良いだろうと予想して決めました。
これが吉とでるか凶とでるか、細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 7 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
波紋状に円形が並んだアウトソール。
トランスルーセント・ラバーは比較的硬めで、粘性は高くもなく低くもなく。
スキール音はほとんど鳴らずにグリップします。
そして前作"Zoom KD 9"やそのエリートの様な「急ストップ系」ではなく、今作のトラクションは「マイルド」。
綺麗なコートでもそれなりの制動距離がある感覚です。
ホコリの吸着は速く、頻繁に拭く必要があるでしょう。
しばらく安定していたKDシリーズのトラクションだけに物足りなく感じる仕様です。
今作に関してはソリッドラバーが使われたカラーを選ぶのが無難かと思います。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
前作"Zoom KD 9"と同じ「ファイロン・ミッドソール」と「フルレングス・アーティキュレイティッド・ズームエア」のセットアップ。
ルックスは同じクッションですが細かなチューンアップが所々に施されています。
まずモチモチした質感だったファイロンは、かなり硬質に変更。
ズームエア自体も気圧が高めに設定されている様で、硬めの質感。
またフォア部分のズームエアは、アウトソールでほぼ完全に覆われています。
これらのチューンアップは前作で問題となった「エア抜け対策」でしょう。
結果として耐久性は上がっていると思われますが、新品の状態ではかなり硬く感じました。
まあ数回プレーすれば、フォア以外のズームエアは適度なクッション性を発揮し始めるので心配はありません。
ただフォアの質感は余り変わらず、硬めのまま。他の部分と差が出来ます。
それでもインソールに厚みを持たせてあるので、個人的には十分な吸収性に感じました。
"Zoom KD 9"と同じ感覚を期待してプレーすると「違う」と思うかもしれませんが。
フォアの屈曲部分の剛性は前作よりも強くなり、反発性にはプラス材料。
硬めなバッシュが好みの私としてはこの変更は大歓迎。
しっかりグリップするコートであればクッションの反応・反発は速く快適です。
このカラーはトラクションの弱さを考慮してスコアを下げましたが、ソリッドラバーであればもう1ポイントは上がるかと。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「TPUスレッド」と「フライニット」を組み合わせたワンピース構造のアッパーセットアップ。
TPUスレッドが編み込まれたフライニットは伸縮性はほぼありません。
タン部にはTPUスレッドが編み込まれておらず、フリースの様な伸縮性ある素材が使われています。
そして今回履いたのはハーフサイズダウンしたEPバージョン。
前作のEPバージョンでは「カカトの掴みの甘さ」が課題でした。
今作ではしっかり修正が施され、ヒールカウンターの成型は素晴らしく、もっちりとした厚いパディングも設置。
カカトの抜け感は一切ありません。
履き口には伸縮性があり、足入れもストレスなくスムーズです。
うどんのような極太シューレースのヒール方向へのロックダウンも強力。
タンから足甲にかけてはパディングがありませんが、ここはうどんの太さが効いていて足当たりもあまり気になりません。
足型によっては強く締めすぎるとストレスかもしれませんが…。
左右方向への抑えに関しては「もう一声」ですね。
EPバージョンと言うことでハーフサイズダウンしましたが、それでもソールの幅に対してトゥーボックスの成型がゆったり感じます。
しっかり母指球側で重心を捉えれているときは問題ありませんが、不意に小指側に乗ってしまったときはニュッとアッパーが溢れてしまいます。
"Zoom KD 9 Elite EP"でも同じ現象があったので、やはり個人的にはEPでサイズダウンはなくグローバルでマイサイズの方が良いな、と改めて思いました。
※サイズ選びについて※
既に何度も触れていますが今回は「EPバージョン」を「ハーフサイズダウン」の「27.0cm」で試してみました。
試着段階では27.5cmは若干大きく、27.0cmは少しキツかったです。
インソールの圧縮を想定して27.0cmに決定。
案の定、キツく感じたのは初回のみ。それ以降はぴったりでした。
足幅の広いプレイヤーにはオススメしませんが、ハーフサイズダウンを試してみるのもアリでしょう。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 9 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
トータルのパフォーマンスは"Zoom KD 9"や"Zoom KD 9 Elite"とそこまで変わらない。
これが正直な感想です。
細かいところには三者三様の特色がありますが、全力でプレーしていれば気にならないレベル。
耐久性の面を考えるならエリートか今作が良いと思います。
ただ今回サイズダウンして思ったのは「EPラストが自分に合わない」と言う事。
今までもEPバージョンの27.5cmでレビューを書いて、そのあとにサイズダウンして再トライしてみたモデルがいくつかあります。
それらもことごとく合わず、EPバージョンのバッシュは全て手放してしまいました。
統計的に見ても高評価のバッシュはグローバルラストがほとんどな現状を踏まえ、今後はグローバルラストのみに絞ろうか悩み中です。
なんだか完成したバッシュのデザインからサイズ感だけ大きくして、機能バランスが崩れたままな気がするんですよね。
KDと関係ない事をぼやいてしまいましたが、最近ナイキのバッシュで合うバッシュに巡り合わないという方がいたら一度EPバージョンを避けてみるのもアリかもしれません。
もちろん私とは逆に「EP最高!」と言う方もいらっしゃると思うので、そこはご自身の足型と相談でお願いしますm(__)m
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TRACTION - 7/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 9/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 9/10