361° DVD 1 SE Dinwiddie Performance Review

7月 2, 2023
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  • テストカラー:Lemon(672321108-5)
  • 主な機能:ENRG-X technology Midsole,3TECH System,CQT Carbon-critical Foam Insole,Half Inner Bootie
  • 着用した主なプレイヤー:Spencer Dinwiddie
  • 価格:¥-・$170

Introduction

今回はSpencer Dinwiddie(スペンサー・ディンウィディ)のシグネチャー"361° DVD 1 SE"のレビューです。

361°は中国のスポーツブランドで、現在のNBAではデンバーナゲッツのアーロン・ゴードンが着用。

過去にはケビン・ラブやジマー・フレデットなども契約していて、うちフレデット着用モデルはレビュー済み。

⇒361° JIMMER FREDETTE SHADOW BLADE PERFORMANCE REVIEW

投稿日を見ると2018年の5月。実に5年以上振りに361°のバッシュを履きます。

さて肝心のディンウィディについて。

彼は自身の独自ブランドを持っていて、"K8IROS 8.1""Mark II"などバッシュも発売。

361°を履く以前は、実際にNBAのコートでも着用していて、現在も公式サイトから購入可能です。

⇒スペンサー・ディンウィディ公式サイト

好きな選手のシグなので当初は購入するつもりでしたが、なぜかサイズ展開が1cm刻みでマイサイズ(US9.5)が存在しない。。

初のブランドでサイズ感に迷っているうちに購入意欲が萎んでしまい、結局購入せず。

時は経ち2023年、361°から突然今作が発売。

デザイン的にもより好みで、サイズ感も想像できるブランドのため購入に至りました。

さてどうなりますか。細部を見て行きたいと思います。

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TRACTION - 10 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

全面が迷路の様な変則的な「ヘリンボーン・パターン」のアウトソール。

ラバーは「ソリッド」「トランスルーセント」の組み合わせ。

どちらもソフトで、粘着性もやや高めの質感です。

トランスルーセントは特にホコリの吸着が多めでパターンは浅めながら、ソフトなラバーはコートを掴むようにしっかりグリップします。

※現在季節が梅雨なので、冬など乾燥した季節だと少し違うかもしれませんが。

スキール音は大きめに鳴り、うるさく感じるほど。

そして急ストップ系。接地面積が少なくても強力にグリップしてしまい、ジャブなど細かいステップでは慣れが要ります。

慣れればフラット寄りのソールは扱いやすく、止まりたいところで止まれるように。

パーフェクトスコアです。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

公式サイトを見ると各クッション、各パーツに細かく固有名称が付けられていてかなり複雑。

理解に少し時間が掛かりましたが端的に表現すると、2種類の質感の異なるEVAを陰陽マーク(Tao)状に組み合わせた「デュアルデンシティ・ミッドソール」を使ったクッションセットアップ。

EVAはそれぞれフォア側が「ENGR-X+」、ヒール側が「ENGR-X」でプラスマークが付いた方が高反発なEVAとなっています。

※アディダスの「adiPRENE+」「adiPRENE」の関係性と全く同じです。

ヒールサイドで両方のEVAが露出していて実際に触れてみると、+の方はソフトめながら復元力があり弾力性が強めの質感。

無印は更にソフトで沈み幅が大きく、復元速度もゆっくりな質感です。

インソールの素材にも「CQT Carbon-critical Foam」と名称があり、見た目はアディダスの「ブースト」そのもので、感触も似ています。

前置きが長くなりましたが、履いてみると前後のクッションバランスはほぼフラット。

「ENGR-X」の沈みは感じるものの、その後に「ENGR-X+」の反発もしっかり続いて来ます。

サイドのシャーシのお陰でフォアの屈曲剛性は比較的強め。

普段履いている反応の速いバッシュたちと比べると、ステップタイミングを変える必要はあります。

※ステップ以外でも、3Pのディップを普段よりボール半個分下げる修正も必要でした。

ただ慣れてしまえばなかなかに快適なクッションです。

※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」に交換では、元々しっかりしていたアーチサポートがより強化。トーボックスが少し広くなってしまう分と相殺でプラスマイナスゼロな感覚です。

"Nike Zoom BB NXT"の「リアクトインソール」に交換はクッションの感覚はそのままに、トーボックスの空間を埋めてくれるので有効。

「スジオカボード」「純正インソール」の組み合わせは沈みを抑え、より反発だけを際立たせてくれるのでこちらが最適解。

「スジオカボード」「エアジョーダン11のインソール」は合わず。今作のソフトなクッションにはその沈みに沿って変形しないインソールは合わない模様です。

⇒スジオカボードの詳細はこちらへ

※インソール・ボード交換はスコアに含めていません。

※ここで言及していないインソールやボードの他の組み合わせは「特に変化なし」もしくは「NG」でした。

※インソール・ボードの合う合わないは個々人によるのでこれらはあくまで参考程度でお願いします。

COURT FEEL - 9 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

沈みは感じるものの反発も同時に感じ、クッション自体は比較的薄め。

物理的にコートに近い仕様で、グリップの仕方もコートに張り付く形で、接地感もなかなかに良好。

クッション同様、急ストップのトラクションに慣れる必要はあります。

FIT/LOCKDOWN - 9 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「ハーフ・インナーブーティー」「アッパー」が包むオーソドックスなセットアップ。

アッパー素材は「テキスタイルメッシュ」「シンセティックレザー」がベース。

履き口は大きく開き、足入れはスムーズ。

シューレース形状は細目のフラットで、一度締めれば緩んだり解けたりせず快適です。

ただ気になったのはバッシュメーカーでは珍しく、届いた段階でシューレースが外から内へ通す「オーバーラップ」でした。

個人的に点で足を抑えるオーバーよりも、面で抑える「アンダーラップ」の方が好みのため、ここは着用前に変更しました。

トーボックスからサイドにかけてのテキスタイルは初期のフューズ素材の様に若干硬めでカパカパした質感。

内部空間を十分に埋めて履けば問題ないと思いますが、オーバーサイズや足型合わない状態で履くと屈曲時にこの素材は悪さをするかもしれません。

その内部空間ですが、ヒールから中足部にかけてはパディングも成型も適当。

トーボックスは元々僅かに高さがある成型で、ここにクッションの沈みが合わさり、空間に若干の余裕を感じます。

とは言え甲部分の高さが合っているため、足がスライドすることもなく基本快適です。

※※※サイズ選びに関して※※※
 
ナイキのグローバルラストのマイサイズからハーフサイズ(0.5cm)ダウンの「27.0㎝(US9.0)」を購入。

前述のとおり、トーボックスにやや高さは感じ、長さも少し余りますがフルサイズ(1.0cm)ダウンは厳しそう。

結果、ハーフダウンで正解だったようです。

361°に限らず、中国ブランドのバッシュを購入の際はサイズ選びに迷うと思います。

その際に基準にするのはまずは「US表記」

ただし中にはスキップされているUSサイズもあるので、もし該当サイズが見つからない場合は「EU表記」を参考にするのが良いです。

とは言えそれ以前に各ブランドには前提とすべきサイズ感があるかなと。

あくまでも自分の体感と経験則ですが、リーニンと361°はハーフダウン、アンタとピークはモデルによってマイサイズorハーフダウンと思っています。

実際はもっと細かいとは思いますが参考になればm(__)m

SUPPORT - 9 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

サポートには「3TECH System」なるシステムが使われている模様。

概要としては「デュアルデンシティ・ミッドソール」とヒールカウンター兼シャーシの「QU!CKBALANCE」の組み合わせを指すようです。

ミッドソールの2種類のEVAに関して、このシステムの説明では「NFO」「QU!CKFOAM∞」と言うEVAが使われている事になっています。

ですが同じ商品説明の別の文章では「ENGR-X+」「ENGR-X」と書かれていたりイマイチはっきりとしません。

おそらくNFOは吸収系EVAの総称、QU!CKFOAM∞は反発系EVAの総称で、その一例が「ENGR-X+」「ENGR-X」だと無理やり理解しました。

ここに関して詳しい方がいらっしゃったらご教授願いたいですm(__)m

肝心のパフォーマンスに関しては、ソールには安定性があり、捻れ剛性も強力。

懸念はトーボックスの当たりが人によってはどうなるか、くらいです。

LATERAL TRANSITION - 9 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

今作の弱点はフォアの剛性と沈み部分なので、左右方向へはどちらの要素も影響は少なめ。

ディフェンスやクロスオーバーでは鋭いステップが可能です。

HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

今作の弱点はフォアの剛性と沈み部分。

前後方向では影響は大きめ、スムーズですが加速感に物足りなさを覚えるトランジション。

基本スムーズではあります。

BREATHABILITY - 9 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

メインの通気口であるタンは薄く、テキスタイルのアッパーも通気箇所多めの設計。

シューズ内に熱が籠りやすい方には嬉しい仕様かと。

DURABILITY - 8 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

ミッドソールとインソールの質感がいつまで持続するかがキーポイント。

15時間ほど着用した段階では履き心地は良いままです。

またところどころに補強のないパンチングのみのシューレースホールが存在するので、締める際に勢いをつけないよう気を付ける必要があるでしょう。

他に気になる点は無く、十分な耐久性は確保されている印象です。

WEIGHT - 10 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約388g(27.0cm・片足)

Final Conclusion

今作をまとめますと「隔世感」

5年振りに361°のバッシュを履きましたが、その進化には驚かされました。

通気性の部分などで若干スコアはインフレしている感もありますが、それでも体感85点以上のパフォーマンス

試合用にもスジオカボード入れたら行けそうです。

パフォーマンスと同時に定価もかなり上がっていて、国内で買えない事を考えるとコスパは良いとは言えないのが残念なところ。

ただ「購入のハードルが高い=他人と被りにくい」の方程式も成り立つため、こだわりある方にはオススメです。

一応公式サイトのURLも載せておきます。

⇒361 DEGREES OFFICIAL SITE

今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m


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  • TRACTION - 10/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 9/10
  • FIT/LOCKDOWN - 9/10
  • SUPPORT - 9/10
  • LATERAL TRANSITION - 9/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
  • BREATHABILITY - 9/10
  • DURABILITY - 8/10
  • WEIGHT - 10/10
TOTAL SCORE
A- 89 / 100

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