Nike Air Max Uptempo 97 (2018) Performance Review
- テストカラー:WHITE/BLACK-COLLEGE NAVY(399207-101)
- 主な機能:Full-length Visible Max Air, Phylon Midsole, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Scottie Pippen,Tim Duncan,Ray Allen,Vin Baker,Kevin Garnett
- 価格:¥-(国内)・$160(海外)
Introduction
今回は"Air Max Uptempo 97(エアマックス・アップテンポ 97)"のパフォーマンス・レビューです。
オリジナルの発売はモデル名のとおり1997年。
当時スコッティ・ピッペン、レイ・アレン、ティム・ダンカン、ケビン・ガーネットなど未来に殿堂入りする選手が多く履いていました。
その後、2010年代に何度か復刻されましたがバッシュとして注目されることは特になく、代わりにスニーカーとしては大人気に。
特にこの2018年製のカレッジネイビーは価格高騰が酷く、欲しいながら諦めていたところ、幸運にもフォロワー様から情報を頂き美中古を無事ゲット。
オリジナルは試着程度で記憶もないため、今回は比較はせず純粋に今作のレビューをしていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
フォアフットは「リップル(波紋)・パターン」、ヒールは「ドット・パターン」のアウトソール。
ラバーは全面が黒い「ソリッド」。
透明に見える部分は接地しない構造になっています。
ソリッドはやや硬めで、粘着性はやや低めの質感。
経験上、黒いラバーはホコリに弱く、屈曲の仕方も癖がある傾向があります。
ですが今作のソリッドは嬉しい事にその傾向に当てはまらず。
スキール音は鳴らず、静かにアグレッシブにグリップ。
止まりたい位置でしっかり止まれます。
ホコリが吸着しても一度拭けばしばらくパフォーマンスは維持されます。
アウトソールのフォアがやや反りあがっている形状のため、接地の仕方によっては気になるかもしれません。
※個人的には気になりませんでした。
また気温が高い日は熱で厚みのあるクッションが少しソフトになり、ソールに体重が乗らず少し反応速度が遅れる感覚がありました。
正直マイナスポイントは限定的で、トータルでは優秀なトラクションと言って良いでしょう。
余談で、今作と似たソールパターンを持つエアペニー2と比較しても、今作の方が各段に扱いやすいトラクションでした。
CUSHIONING - 9 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」に「フルレングス・ビジブル・マックスエア」を併せたクッション・セットアップ。
ファイロンはやや硬めで弾力性が強めの質感。
マックスエアは外側のエアウインドウを触ってみるとソフトですが、足下にはしっかりTPU製のピラー(柱)が多数設置。
そのため乗ってみるとエアが沈む感覚は無し。
密度高めのEVA製インソールとその直下のストロベルボードだけがやや沈む程度。
厚いクッションながらコートをかなりダイレクトに押せる仕様に仕上がっています。
ソールの屈曲剛性も捻れ剛性も強めでポンポンと次のステップに移れます。
前後のクッションバランスがほぼフラットな点もプラス要素。
ここでもトラクションで触れた「やや反ったソール形状」と「熱でソフトになるクッション」の影響があり得ますが同じく限定的。
クッションも優秀と言って良いでしょう。
※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」との相性は微妙。元のアーチサポートが高めなのでアーチ過剰になる感覚でした。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」との相性も同様。厚さと吸収性が過剰になる感覚でした。
※「スジオカボード」との相性はまずまず。微妙にフォア剛性が増す感覚がある程度。真夏ならソフトになったクッションを安定させる効果があるかもしれません。
※原点に戻って純正のグレーのEVAインソールが一番バランス良く感じます。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
トラクションも良く、クッションの反応も良いですが、物理的なコートとの距離は遠め。
体重が軽めの場合、接地感が薄いと感じる可能性が高いため、ここは体感よりワンポイント下げました。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「独立タン」を「アッパー」が包むクラシックなセットアップ。
これはアッパーの左右方向へのブレ防止に役立つ一方、アッパーの左右からの抑えを制限してしまう恐れもあるパーツ。
エアペニー2では実際にその制限がありました。
⇒NIKE AIR PENNY II(2) (2015) PERFORMANCE REVIEW
今作もヒール周りがやや広い成型で、シューレースを締めてもやや緩い。
ですが幸いにもソックスを厚手にして対応できるレベルでした。
足入れは簡単で、ソックス調整後はしっかり足にフィットしてくれます。
とは言えヒール周りもタンもパディングが少なめなのは否めず、ここは足型によってはどうしても合わない可能性は残ります。
※※※サイズ選びについて※※※
レトロモデルなので発売はグローバルラストのみ。
そのマイサイズからハーフサイズ(0.5cm)ダウンの「27.0cm」を購入。
普段のソックス2枚ではキツく、ソックス1枚に減らしてほぼジャストに。
ヒールの緩さはより厚いパワーエリートソックスに変更で対応できました。
購入するならマイサイズで、その後にソックス調整(場合によってはテーピングやサポーター)が良いでしょう。
※インソール交換はスコアに含めていません。
※ソックス交換はスコアに含めています。
SUPPORT - 9 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
捻れ剛性やソールの安定性は十分。
特にフィット面で当たる部分もありません。
気にするとしたら、捻挫癖があり、厚いクッションに苦手意識がある方は避けた方が良いかも知れない程度。
トータルのサポート性も優秀と言って良いでしょう。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
ヒール周りの緩さが解消されない可能性を考量してスコアダウン。
体感ではワンポイントアップくらいでした。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンは薄めのメッシュで、ここがメインの通気口です。
他ははしっかりしたレザーとヌバックで覆われているため、通気性は良くて平均レベルと言ったところ。
DURABILITY - 9 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
ヒールタブの中央にTPUパーツが入っていて硬いため、保管や持ち運びの際に圧迫したままにしておくとダメージが来る可能性があります。
また今作のデザインアクセントである涙型のTPUパーツたちも傷や擦れでコーティングが落ちやすいので気を遣う必要があるかと。
ソール剛性がしっかりしているので、ビジブルエアは相当雑な使い方をしなければエア抜けはしないでしょう。
トータルでは耐久性も高い部類に入る印象です。
WEIGHT - 7 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
約539g(27.0cm・片足)
Final Conclusion
今作をまとめると「ザ・アップテンポ」。
ガード向けの「フライト」、ビッグマン向けの「フォース」、そしてオールラウンダー向けの「アップテンポ」。
90年代のナイキはポジション別に上記3つのシリーズを展開していました。
ガードが履くには少しオーバースペックで、センターモデルにしては反発が強いのが今作。
シリーズコンセプトにピタリと合致するパフォーマンスと言って良いでしょう。
現代のバッシュ基準で行くと間違いなくビッグマン仕様ですが、体格の良いウィングの方でも扱えるかなと思います。
同じアップテンポシリーズならエアマックスアップテンポ95の方が履きやすいですし、頻繁に復刻されているのでそちらがオススメです。
⇒NIKE AIR MAX UPTEMPO (’95) PERFORMANCE REVIEW (※初期レビューで情報少なめですm(__)m)
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 9/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 9/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 9/10
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WEIGHT - 7/10