Nike Air Penny II(2) (2015) Performance Review
- テストカラー:Miami Heat(333886-002)
- 主な機能:Forefoot Zoom Air Unit, Heel 180 Visible Max Air Unit, Phylon Midsole, TPU External Heel Counter, TPU Internal Heel Counter, Carbon Fiber Shank Plate
- 着用した主なプレイヤー:Penny Hardaway, Amir Johnson, Paul Pierce, Rip Hamilton, Damian Wilkins, Gilbert Arenas, Derrick Williams, Thaddeus Young
- 価格:¥-(国内)・$150(海外)
Introduction
今回はPenny Hardaway(ペニー・ハーダウェイ)の2ndシグネチャー"Nike Air Penny II(ナイキ エア・ペニー 2)"のパフォーマンス・レビューです。
1996年にオリジナルの発売があり、レビュー用に使ったのは2015-16シーズン発売の個体です。
ペニーシリーズの中で最も人気があるモデルだと思いますが、そのパフォーマンスはいかに。。早速その細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 7 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
中央部分は「プレッシャーマッピング・パターン」、エッジ部分は「パターン無し」のアウトソール。
ラバーは全面が「ソリッド」で、粘性(変形のしやすさ)は高め。
粘着性は中央部分は低め、エッジ部分は高めです。
スキール音はあまり鳴らず、綺麗なコートでは静かにグリップしてくれます。
ホコリの多いコートでは一気にパフォーマンスが落ち、中央の黒い部分がスルスルと滑ります。
当初は黒い塗料の質のみが原因だと思っていましたが、フォアのクッションがフカフカ過ぎる事も大きな要因かと。
中央部分に体重が掛かるタイミングと、クッションの無いエッジ部分に掛かるタイミングにラグがあります。
エッジ部分には先に体重が乗るのでホコリの影響が少なく、セクションによってパフォーマンスの異なるトラクション。
クイックなステップが踏めなくなるのでプレーが少し限定されますが、幸い大きく滑ることは無いため、平均レベルのパフォーマンスは確保されている感覚です。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」のヒールに「マックスエア」を、フォアフットに「ズームエア」を埋め込んだクッション・セットアップ。
マックスエアも気圧が高く、内部にピラー(柱)もあるタイプなのでカカトが沈む感覚は無し。
ファイロンは密度が高めで硬めの質感。このファイロンがサイドに巻き上がっていることと、
カーボンファイバー製シャンクプレートが入っていることからソール剛性は全体に強力。
インソールにアーチサポートもあり踏みやすそうなクッションかと思いきや、フォアのズームエアはやや沈み強めの感触。
ソールの枠部分の剛性と、足裏の剛性に落差があり、フォアメインで使う身としては「底抜け感」が常に付きまといます。
トラクション同様、こちらも幸い大きな沈みではありませんが、反応速度の速いクッションを求める方にはやや吸収過剰に感じるかもしれません。
逆に少し大人しめの反発の方が好みのプレイヤーには好まれる仕様かと。
市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」との相性は良いですが、効果としてはフィットの部分が良くなることで結果クッションもやや扱いやすくなります。
クッション自体にはあまり影響がないので、そこは期待値は低めでお願いします。
また"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」は現在試せるAir Penny 2の個体を持っていないため未検証です。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 7 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
独立した「タン」とヌバックの「アッパー」から成るセットアップ。
タンは内部でミッドソールと「ラバーバンド」で繋がっています。
サイド中央には大きなミッドソールの「巻き上がり」を配置。
この巻き上がりは今作のデザインアクセントとしては欠かせないものだと思いますが、パフォーマンス的には主張が行き過ぎている感覚。
シューレースを締めてもサイドのアッパーが寄るだけで、足の曲線にイマイチフィットしてくれません。
またタンのジェルパーツがシューレースを結ぶ位置と重なり、ロックダウンも物足りず、結果
シューズ内で足が前後に「スライド」してしまいます。
ソックスで調節しても微妙に動く感覚があり、なかなか手強いアッパーです。
※丸いシューレースは少しほどけやすいですが、ここは二回結びなどで対応可能です。
ヒールカウンターの成型や、インソールのアーチサポートは良いのでギリギリ平均レベルのフィット感は確保されていると思いますが、スナッグなフィットを求めると今作ではないかな、と思います。
ちなみにこのフィット感はオリジナルも同様だった記憶です。
※※※サイズ選びに関して※※※
マイサイズの"27.5cm"を購入。
前後にやや短い作りで、
幅や高さは通常サイズです。
フィットが合わせにくい中、短いためサイズダウンも出来ずなかなか困ったサイジングです。
※長さは"Nike Zoom Freak 1"に似ています。
自分のように捨て寸をあまり取らない方にとっては、サイズを変えるか微妙なラインなので要試着モデルかと。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 9 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
ペニー・ハーダウェイはポジションこそPGですが201cmの長身で、今作のオリジナルを履く頃にはポストなどディフェンスを背負うプレーが増えていました。
今作のパフォーマンスもそのプレーの変化に合わせるかのようで、ビッグマンにオススメしたい仕様です。
バックコートやウィングなど平面の動きの速さが求められるプレイヤーにも履けるとは思いますが、ややステップにアジャストが必要になるでしょう。
個人的にも試合用としてはあと1歩な印象ですが、練習用としては変化をつける意味でアリ。
いつもと違うタイミングのクロスオーバーや、ヘビーステップがより有効になったりと、スキルトレーニングのローテ用としては活躍してくれます。
また当時は試しませんでしたが、ソールにヤスリを掛けたらトラクションも良くなったかもしれません。
リライトしている現在(2021年)では最後のレトロ発売から時間が経っているため、試す個体も入手難しいですが、次回復刻があった際はトライしてみたいと思います。
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TRACTION - 7/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 7/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 9/10
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WEIGHT - 8/10