Adidas TMAC(T-MAC) 3 Restomod (2022) Performance Review

- テストカラー:Core Black/Team Royal/Silver-metallic(GY0258)
- 主な機能:Bounce Midsole, Torsion System,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Tracy McGrady,Jerami Grant,Brandon Ingram,Jaylen Brown
- 価格:¥17,000(国内)・ $130(海外)
Introduction
今回はT-MACことトレイシー・マグレイディの3rdシグネチャーの復刻モデル"adidas TMAC 3 Restomod"のパフォーマンス・レビューです。
今作のオリジナルの発売は2003年で、2014年には初回の復刻がありました。
それらはクッションに「アディプリーン・プラス」が使われていました。
今作は「レストモッド⇒改良した復刻モデル」という事でアディプリーン・プラスに替わり、「バウンス」が使われています。
この変更が奏功するか否か、細部を見ていきたいと思います。
⇒adidas TMAC 3 Retro (2014)のパフォーマンスレビューはこちら
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全面がほぼ「ヘリンボーン・パターン」のアウトソール。
ラバーは全面が「ソリッド」で、粘性(変形のしやすさ)は低めで、粘着性も低めです。
スキール音は適度に鳴り、綺麗なコートでは鋭くグリップしてくれます。
最初はフォア側を詰めて履いていて、この段階ではフォアがホコリで滑る感覚がありました。
色々試す中で、カカト側を詰めて、フォアに捨て寸を少し取って履くとこの問題は解決しました。
カカト寄りであっても、ジャストサイズで履き過ぎると滑るので、捨て寸を取るのが今作で肝要です。
履き方を修正後はホコリの多いコートであっても、影響はそこそこに留まり、快適にプレーできるようになりました。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
ミッドソール全体が「Bounce(バウンス)」単体で構成されたクッション・セットアップ。
最近のモデルと異なるのは「ダブルラスト」仕様で、アッパーでミッドソールが完全に覆われていること。
覆われたバウンスには逃げ場がなく完全密閉されているため、同じクッション材であってもより硬質・高反発になります。
オリジナルのTMAC2や3では、バウンスより硬質のアディプリーン・プラスがより厚めに、そしてアッパーの枠ギリギリまでミッチリ入っていました。
そのため、高反発・高反応が好きな自分の中では名作で、一方バッシュに吸収性が欲しい方からは不評と評価が二分していた記憶です。
そのTMAC2のレストモッドでは、ダブルラスト仕様は継承されたものの、中身のバウンスが薄く、そしてアッパーの枠に対してスカスカの量しか入っていませんでした。
⇒adidas TMAC 2 Restomodのパフォーマンスレビューはこちら
と言う訳で、今作で一番心配していたのはこの部分だったのですが、ここはしっかり改善が施され、バウンスは十分に入っていました。
アディプリーン・プラスに比べたらソフトなクッション材ですが、それでも対人で十分に使えるレベルの反発性が確保されています。
ヒールとフォアのクッションバランスはほぼフラットで、ヒール寄りで履けばフォアの反った形状の影響もほぼ無効化できました。
吸収性も必要最低限は確保されていています。
※「スーパーフィートのグリーン」との相性は微妙。アーチサポート不足を補ってくれますがシャンクであるトルションと重なると前傾が強くなり過ぎる感覚があります。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」との相性は良く、適度にアーチサポートが追加され、フラットなバランスのまま、ソールの押し込みもしやすくなり、個人的にはグリーンよりこちらが好みです。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
最近のアディダスのクッションはソフト過ぎて接地感が微妙、と言うパターンが多かったですが、今作はしっかりとコートを近くに感じます。
フォア寄りで履いている段階では接地感も怪しかったので、ここでも履き方が大切です。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「独立タン」をシンセティック・レザーの「アッパー」が包むクラシックなセットアップ。
タンは完全独立ではなく、シューズ内で底面とラバーバンドで繋がっています。
履き口は広めで、足入れはスムーズ。
既に何度か述べたとおり、今作はフォア寄りではなく「ヒール寄り」でフォアに捨て寸を取るのが正解です。
フォアは反った形状だけでなく、内部もやや細めの作り。
フォアに寄りで履くとバウンスが沈むポイントに乗ってしまい、つま先がジャムして痛める可能性がある事もヒール寄り推奨の大きな理由です。
ヒール周りの幅はちょうど良く、履き口周りの高さは少し余裕を感じ、いつもよりタイトめにシューレースを締めました。
アーチサポートは低めですが、まあ許容範囲。
少しアジャストの必要なフィットですが、トータルすると優秀な部類に入るかと。
※※※サイズ選びに関して※※※
ナイキのグローバルのマイサイズ27.5cmからハーフサイズ(0.5cm)ダウンの「27.0cm」を購入。
前作TMAC 2のレストモッドで沈みが強かった事から、ダウンしましたが結果は失敗。
普段のソックス2枚では若干キツく、ソックス1枚の方がフィットしました。
もしくはマイサイズでソックス2枚でも良かったと思われます。
※「スーパーフィートのグリーン」や「リアクトインソール」に交換した場合も同じサイズ感です。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 9 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 6 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
アッパーの素材は強くなっていますが、自分が耐久性で主に評価しているのはソール周りなのでスコアには影響なし。
それよりもTMAC 2のレストモッドでは初回からバウンスのヘタりが酷く、サイズ感が変わるほどでした。
今作はバウンスが十分な量入っていて、5回履いた段階でも感触は変わりません。
ここはアディダスがしっかり対応してくれています。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
約474g(27.0cm・片足)
Final Conclusion
今作をまとめますと「正統復刻」。
TMAC 2のレストモッドはマテリアル感からシルエットから機能面まで正直雑な仕上がりでした。
マグレイディファンとして、2の発売前は全色揃える腹積もりでしたが、まさかのファーストカラー以降食指が伸びなくなるという。。
そこから一転、クッションは現代の物に替えつつもトータルのパフォーマンスはオリジナルや初回復刻に近いものを復活させてくれています。
シルエットに関しては少しボッテリした気がしますが、許容の範囲内。
現行のアディダスモデル、他のバウンスを使ったモデルと比較しても同クラスのパフォーマンスを期待して良いかと。
カラーによってはアウトレット価格になってきているのでコスパ的にも優秀。
バッシュの買い替え、買い足しを検討している方は候補リストに入れてみては?
今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
⇒adidas TMAC 3 Retro (2014)のパフォーマンスレビューはこちら
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 9/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 6/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 8/10