Adidas TMAC(T-MAC) 3 Retro (2014) Performance Review
- テストカラー:NBA All-star Game East(C75308)
- 主な機能:Forefoot Adiprene+, Double Lasted EVA Midsole, Torsion System, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Tracy McGrady
- 価格:発売なし(国内), $140(海外)
Introduction
今回はT-MACことトレイシー・マグレイディの3代目シグネチャーのレビューです。
パフォーマンス・テストで使用したのは2014年のT-MACの引退に際して復刻発売されたモデル。
“TMAC 3”はこれが2回目の復刻です。
記憶が曖昧ですが初回復刻は2006年頃でしたか…チームカラー対応モデルとして、かなりの多色展開されてましたね。
2014年はオリジナルカラーをメインにした復刻でした。
オリジナル・初回復刻とも着用したことがあるので、比較しながら機能の細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 8 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「EVAミッドソール」のフォアフット上部に「adiPRENE+(アディプリーン・プラス)」を載せたクッション・セットアップ。
※オリジナルや初回復刻と異なり、今作のフォア小指部分に“adiPRENE +”の刻印がありません。
※もしかしたらミッドソール全体がEVAかもしれませんが、公式発表が無いので便宜上この表現です。
ミッドソールは「ダブルラスト」仕様で、アッパーでミッドソールを覆った構造。
覆われたミッドソールには逃げ場がなく完全密閉されているため、通常のクッションより硬質になります。
吸収性は最低限にして反発性が優先されています。
フォアのソール形状が少し反っている事と、オリジナルに比べてミッドソールが2/3ほどの薄さな事だけがマイナスですが、フォアフットの屈曲部分の剛性・復元力も強く反発性は基本強力。
※初回復刻も同じくらいの薄さだった記憶です。
オリジナルの素晴らしいクッションにはあと一歩ですが、初回復刻の再現は成されています。
※「スーパーフィートのグリーン」との相性は良く、より強くソールを押せるようになり反発性が増します。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」を手に入れる前のレビューなのでこちらは試していません。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
アッパーのパテントレザーとメッシュは、オリジナルや初回復刻に比べて、明らかに薄くなっています。
それでもライニングは足当たりが良く、分厚いパディングも入っています。
タンは“Nike Air Max Uptempo '95”と同様に、内部で底面とラバーバンドで繋がっていて、シューレースを締めなくても良いくらいのフィット感があります。
小指部分の「TPUパーツ」が足型によっては干渉するかもしれない点だけがマイナス。
トータルのフィット感はかなり優秀です。
※※※サイズ選びに関して※※※
通常のナイキのグローバルと同サイズで問題ないと思います。
足幅が広めのプレイヤーは、小指のTPUパーツが当たる可能性があるのでハーフ(0.5cm)サイズアップがオススメです。
※「スーパーフィートのグリーン」に交換した場合も同じサイズ感です。
SUPPORT - 9 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
「ダブルラスト」の構造を持つバッシュはクッションが硬い分、接地からの反応速度は速いです。
先にレビューした“Nike Air Foamposite Pro”などポジット系と同じ構造です。
反応速度は速いですが、ホコリによって不安定になるトラクションと、フォアが反ったソール形状からたまに接地タイミングが掴めなかったりします。
トータルでは平均以上の動きやすさは確保されている印象です。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
機能面では、残念ながら復刻の度にダウングレードされています。
2006年の初回復刻はクッションが薄くなり、今回の2014年復刻はクッションが薄いまま、アッパーのマテリアルが薄いものになっています。
やはりスニーカーブームの現在、オフコートで履くことを前提としているのか、機能は二の次なんでしょうね…。
それでも充分使えるレベルには仕上がっていますが。
2021年現在では"Restomod(レストモッド)"のシリーズで再度復刻が決まっています。
そのクッションは昔のEVAやアディプリーン・プラスではなく「バウンス」になるとの事。
"adidas TMAC 2 Restomod"で既にバウンスの感触は体感しましたが、正直好みとは遠いパフォーマンスでした。
中国などでは最近まで旧クッションでの復刻が続いていたはずなので、今のうちに買っておこうかな、と算段しています。
これがオリジナルに近いパフォーマンスを手に入れるラストチャンスかもしれませんし。。
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TRACTION - 8/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 9/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 9/10