Nike Hyperdunk X(10-2018) TB Performance Review
- テストカラー:Midnight Navy/Black-white(AR0467-402)
- 主な機能:Forefoot Zoom Air Unit, Heel Zoom Air Unit, forefoot Inner Bootie, Phylon Midsole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter, Leather External Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Marc Gasol, Chris Middleton, Karl-Anthony Towns, Domantas Sabonis, Evan Fournier, Donte Divincenzo
- 価格:¥16,200(国内)・$130(海外)
Introduction
今回は"Hyperdunk X TB(ハイパーダンク X TB)"のパフォーマンス・レビューです。
ハイパーダンクシリーズも早いものでもう十代目。
今作のテーマは「ズームエアへ回帰」。
リアクトは硬いとの声が多かった気がしますし、世論に合わせたのでしょうか?
個人的にはまったく硬いとは感じませんでしたが。
今作は果たして。
ちなみにTwitterで少し話題にした、機能が高い傾向にある「TB(チームバンク)」が今年も国内展開があり、迷わず購入。
※どうでも良い事ですが、TBは海外専用に製造されたようで、ボックスのタグには定価札を切った痕がありました。
早速その細部を見ていきたいと思います。
https://twitter.com/asterkicks
TRACTION - 8 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全面が波状の「ヘリンボーン・パターン」で構成されたアウトソール。
「ウェイブボーン」と呼ばれたりもしますね。
このソリッドラバーの粘性は高めで、パターンは細くソフト。
ソール形状はフォアに厚みを持たせ、フォアが反った"Kyrie 2"に似た乗り心地。。。
体重を掛けてもあまり沈まず、強制的に「母指球から小指球に掛けてのライン」に乗る仕様。
このラインは重心的には重要な位置ですが、ここがここまで張り出してると足のアーチが崩れます。。。
フォアだけに乗りたいシチュエーションでは特に違和感が大きく、望むレベルのトラクションが得られません。
何より納得いかないのは、前後方向では沈まず邪魔をする割りに、左右方向ではちょいちょいブレること。
足裏全体を使ったステップではブレもほぼ起きず、しっかりグリップしてくれますが、私のプレースタイル的に合わないトラクション。。。
フォアの加速感が欲しいプレイヤーには物足りなく感じると思います。
ラバー自体もパターンもホコリに強いのに何とももったいない…。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」に「ヒール・ズームエア」と「フォアフット・ズームエア」のセットアップ。
前述のとおり「ナイキ・リアクト」は前作"Hyperdunk 2017"の一代限りでした。
事前情報では「ヒール・ズームが歴代最厚」と聞いていましたが、履いた感じはフォアの方が厚い。
履き込んでもこれは変わらず、カカトが下がった後傾なクッションバランス。
となるとヒールのファイロンはかなり削られてますね。
足のアーチやら足首の角度が変に固定されて違和感が物凄いです。
前述の「母指球からのライン」から「足指部分」に向かっても、急な角度が付いていて、重心の移動がそこで途切れます。
カクッと抜けてしまう感じで、扱いにくい。
確かに落下を重心移動では使ったりしますが、ここまで過剰だとバッシュに踊らされる状態に。
低いヒール⇒張り出したフォア⇒反ったつま先、と重心移動が上下してロスが多いです。
その場でジャンプの反発性としてはある程度アリかもですが。。。
それ以外のほぼすべてのシチュエーションにおいて反発性は正直物足りない感覚。
接地位置を限定するソールはやはり苦手です。。。
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「フォアフット・インナーブーティー」を「ネオプレンとテキスタイルのアッパー」が包むセットアップ。
素材の足当たり、シューレースのロックダウン、ヒールカウンターの成型・パディング、いずれも申し分ない仕上がり。
4項目にして、ようやくハイパーダンクらしいパフォーマンスが見られました。
マイナスしたのはサイドのスウッシュロゴが入ったパネルの配置。
せっかく付けるなら、横ブレを防ぐために"Air Jordan XXX(30)"や"Kobe X(10)"の様に小指部分がベターだったかと。
それ以外の部分はさすがのパフォーマンスで、足にピタリと付いてきてくれます。
※サイズ選びについて※
通常サイズの「27.5cm」を購入。
このTBはグローバルラストになります。
新品では少しキツかったですが、少し使用したらインソールが沈んで、ジャストフィットになりました。
足幅の広い方はハーフサイズ(0.5cm)アップを考えても良いかもしれません。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 6 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
左右方向よりソール形状の影響は大きくなり、トラクションも同様。
低いヒールから厚いフォアへ、そこから急激にカクッと反ったつま先へ。。。
乱高下するジェットコースターみたいな重心移動です。
私は接地ポイントを限定されるソール形状がかなり苦手なので厳しめのスコアにしました。
"Kyrie 2"などの形状を問題なく履きこなせるプレイヤーならスコア以上のパフォーマンスに感じるかと思います。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
ハイパーダンクシリーズでは久々の「ハズレ」でした。
やはりソール形状の主張が激しいモデルは苦手です。
先日Twitterで「EPラストよりグローバル、グローバルよりもTBの方が良い傾向にある」と語ってましたが、今作は例外。
試着での比較になりますが、まずグローバルとTBに違いは感じられず。
EPに関してはソールがよりフラットに近くプレーしやすそうな感覚でした。。。
もちろんフィットは広めで足型は合わず、例のごとくソール剛性も下がっていた訳なので一長一短。
ただ「EPとTBどちらを履いてプレーするか?」と二者択一だったら、かなり迷いますがEPを選ぶかもしれません。
今までに無いパターンで、やはりバッシュは履いてみないと分からないですね。
アッパーの作りは癖なく足の延長の様に感じるだけに、何でソールに余計な事した…ともったいなく感じる一足でした。
https://asterkicks.com/performance-review/3016.html
https://asterkicks.com/performance-review/2167.html
https://asterkicks.com/performance-review/2024.html
https://asterkicks.com/performance-review/1099.html
https://asterkicks.com/performance-review/116.html
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TRACTION - 8/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 7/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 6/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 9/10