Nike Hyperdunk X(10-2018) TB Performance Review

11月 13, 2020
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  • テストカラー:Midnight Navy/Black-white(AR0467-402)
  • 主な機能:Forefoot Zoom Air Unit, Heel Zoom Air Unit, forefoot Inner Bootie, Phylon Midsole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter, Leather External Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Marc Gasol, Chris Middleton, Karl-Anthony Towns, Domantas Sabonis, Evan Fournier, Donte Divincenzo
  • 価格:¥16,200(国内)・$130(海外)

Introduction

今回は"Hyperdunk X TB(ハイパーダンク X TB)"のパフォーマンス・レビューです。

ハイパーダンクシリーズも早いものでもう十代目。

今作のテーマは「ズームエアへ回帰」

「ナイキ・リアクト」は前作一代限りでした。

リアクトは硬いとの声が多かった気がしますし、世論に合わせたのでしょうか?

個人的にはまったく硬いとは感じませんでしたが。

今作は果たして。

ちなみにTwitterで少し話題にした、機能が高い傾向にある「TB(チームバンク)」が今年も国内展開があり、迷わず購入。

※どうでも良い事ですが、TBは海外専用に製造されたようで、ボックスのタグには定価札を切った痕がありました。

早速その細部を見ていきたいと思います。

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TRACTION - 8 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

全面が波状の「ヘリンボーン・パターン」で構成されたアウトソール。

「ウェイブボーン」と呼ばれたりもしますね。

このソリッドラバーの粘性は高めで、パターンは細くソフト。

ソール形状はフォアに厚みを持たせ、フォアが反った"Kyrie 2"に似た乗り心地。。。

体重を掛けてもあまり沈まず、強制的に「母指球から小指球に掛けてのライン」に乗る仕様。

このラインは重心的には重要な位置ですが、ここがここまで張り出してると足のアーチが崩れます。。。

フォアだけに乗りたいシチュエーションでは特に違和感が大きく、望むレベルのトラクションが得られません。

何より納得いかないのは、前後方向では沈まず邪魔をする割りに、左右方向ではちょいちょいブレること。

足裏全体を使ったステップではブレもほぼ起きず、しっかりグリップしてくれますが、私のプレースタイル的に合わないトラクション。。。

フォアの加速感が欲しいプレイヤーには物足りなく感じると思います。

ラバー自体もパターンもホコリに強いのに何とももったいない…。

CUSHIONING - 7 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

「ファイロン・ミッドソール」「ヒール・ズームエア」「フォアフット・ズームエア」のセットアップ。

前述のとおり「ナイキ・リアクト」前作"Hyperdunk 2017"の一代限りでした。

事前情報では「ヒール・ズームが歴代最厚」と聞いていましたが、履いた感じはフォアの方が厚い。

履き込んでもこれは変わらず、カカトが下がった後傾なクッションバランス

となるとヒールのファイロンはかなり削られてますね。

足のアーチやら足首の角度が変に固定されて違和感が物凄いです。

前述の「母指球からのライン」から「足指部分」に向かっても、急な角度が付いていて、重心の移動がそこで途切れます。

カクッと抜けてしまう感じで、扱いにくい。

確かに落下を重心移動では使ったりしますが、ここまで過剰だとバッシュに踊らされる状態に。

低いヒール⇒張り出したフォア⇒反ったつま先、と重心移動が上下してロスが多いです。

その場でジャンプの反発性としてはある程度アリかもですが。。。

それ以外のほぼすべてのシチュエーションにおいて反発性は正直物足りない感覚


接地位置を限定するソールはやはり苦手です。。。

COURT FEEL - 7 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

ソール形状とクッションバランスが残念。

厚みのあるフォアは少し横ブレしますし、接地感もそれなりです。

トラクションは良く、アッパーも干渉してこないので、ツーリングがとにかくもったいなく感じます。。

FIT/LOCKDOWN - 9 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「フォアフット・インナーブーティー」「ネオプレンとテキスタイルのアッパー」が包むセットアップ。

素材の足当たり、シューレースのロックダウン、ヒールカウンターの成型・パディング、いずれも申し分ない仕上がり。

4項目にして、ようやくハイパーダンクらしいパフォーマンスが見られました。

マイナスしたのはサイドのスウッシュロゴが入ったパネルの配置

せっかく付けるなら、横ブレを防ぐために"Air Jordan XXX(30)""Kobe X(10)"の様に小指部分がベターだったかと。

それ以外の部分はさすがのパフォーマンスで、足にピタリと付いてきてくれます。

 

※サイズ選びについて※

通常サイズの「27.5cm」を購入。

このTBはグローバルラストになります。

新品では少しキツかったですが、少し使用したらインソールが沈んで、ジャストフィットになりました。

足幅の広い方はハーフサイズ(0.5cm)アップを考えても良いかもしれません。

SUPPORT - 8 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

反ったソール形状からフォアだけで接地しようとすると、空振りしてしまう事がしばしば。

またフォアのクッションの横ブレは懸念材料。

これら2点がクリアできれば、サポート性に不満は感じないかと。

ヒールカウンターのブレ防止、シャンクの捻れ防止はしっかり効いています。

フォアのブレ幅も大きくなく、怪我をしそうな感じはありません。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

通常スピードではなかなかスムーズ。

急な切り返しではフォアが若干ブレますが、まあ許容範囲です。

左右方向ではフォアの足指部分を使う事が少なくなるので、横ブレの影響も少なめ。

HEEL-TOE TRANSITION - 6 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

左右方向よりソール形状の影響は大きくなり、トラクションも同様。

低いヒールから厚いフォアへ、そこから急激にカクッと反ったつま先へ。。。

乱高下するジェットコースターみたいな重心移動です。

私は接地ポイントを限定されるソール形状がかなり苦手なので厳しめのスコアにしました。

"Kyrie 2"などの形状を問題なく履きこなせるプレイヤーならスコア以上のパフォーマンスに感じるかと思います。

BREATHABILITY - 8 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

吸湿速乾性のあるネオプレン素材が多く使用されています。

素材自体は少し肉厚ですが、それでも熱が籠る感じはありません。

通気性はなかなか良好かと。

DURABILITY - 8 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

心配なのはフォアの横ブレがズームエアにダメージを与えないか。

この一点以外に気になる箇所はありませんでした。

 

WEIGHT - 9 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約369g(27.5cm・片足)

実重量も体感重量も軽いです。

フォア形状が違ったら、この軽さを楽しめたと思います。

Final Conclusion

ハイパーダンクシリーズでは久々の「ハズレ」でした。

やはりソール形状の主張が激しいモデルは苦手です。

先日Twitter「EPラストよりグローバル、グローバルよりもTBの方が良い傾向にある」と語ってましたが、今作は例外。


試着での比較になりますが、まずグローバルとTBに違いは感じられず。

EPに関してはソールがよりフラットに近くプレーしやすそうな感覚でした。。。

もちろんフィットは広めで足型は合わず、例のごとくソール剛性も下がっていた訳なので一長一短。

ただ「EPとTBどちらを履いてプレーするか?」と二者択一だったら、かなり迷いますがEPを選ぶかもしれません。

今までに無いパターンで、やはりバッシュは履いてみないと分からないですね。

アッパーの作りは癖なく足の延長の様に感じるだけに、何でソールに余計な事した…ともったいなく感じる一足でした。

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  • TRACTION - 8/10
  • CUSHIONING - 7/10
  • COURT FEEL - 7/10
  • FIT/LOCKDOWN - 9/10
  • SUPPORT - 8/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 6/10
  • BREATHABILITY - 8/10
  • DURABILITY - 8/10
  • WEIGHT - 9/10
TOTAL SCORE
B 78 / 100

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