Nike Kobe X(10) Low Performance Review

1月 10, 2016
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  • テストカラー:Vino(705317-333)
  • 主な機能:Hyperfuse Technology, Full-length Lunarlon Midsole, Heel Visible 180 Zoom unit
  • 着用した主なプレイヤー:Kobe Bryant, Krystaps Porzingis, DeMar Derozan, JR Smith, Michael Carter-Williams, Giannis Antetokounmpo, Zach Lavine, Trey Burke
  • 価格:¥20520(国内), $180(海外)

Introduction

Kobeシリーズの記念すべき10代目。

クッションは“Zoom Kobe VII”から3代続いたインサート(ドロップイン・ミッドソール)方式から大きく変更。

従来のミッドソールとインソールが別々のセットアップに戻っています。

前作の“Kobe IX EM”が期待に反し低パフォーマンスでしたが、今作は果たして…。

では機能の細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 9 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

DSC05590細かい“ノジュール”と呼ばれるツブツブの突起を敷き詰めた独特のソール・パターン。

ラバー自体の粘性は普通ですが、ノジュールは柔らかくコートに張り付く感覚。

ピタッと止まるより、僅かにソールが沈みながら止まります。

アグレッシブではないですが、安定したトラクションです。

この辺は“Kobe IX”に近い感覚です。

残念ながら“シャンクプレート”や捻れ防止の“トルショナル・バー”は搭載されず。

それでもルナロン・ミッドソールを覆う“ラバーケージ”にある程度の剛性があり、前作のように、中足部が変に沈んで滑るようなことはありませんでした。

ほこりの多いコートでも、たまにソールを拭けばパフォーマンスは維持されます。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

DSC05418フルレングス・ルナロン・ミッドソールとヒール・ビジブル180・ズームエアのクッション・セットアップ。

ルナロンの衝撃吸収性はやはり優秀で申し分なし。

インソールもモチモチした素材で、心地よい感触です。

ズームエアの存在は正直あまり感じず…それでも十分素晴らしいクッション性です。


フォア部分のルナロンは“Nike Freeのソール”の様に格子状にカッティングされ、屈曲しやすいつくりに。

屈曲性が上がると反発性は相対的に下がってしまいます。

ルナロン自体も反発性ある素材ではないですが、ミッドソールを覆う“ラバーケージ”がある程度の剛性を確保してくれるため、トータルしてギリギリ平均レベルの反発性かと。

COURT FEEL - 9 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

DSC05413ルナロンくらい柔らかい素材が足下にあると、重心がブレがちですが、“ラバーケージ”がシューズの過度の変型を防ぐため、コート感覚は優秀です。

ソールがフラットに近い形状であることもプラスです。

FIT/LOCKDOWN - 8 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

DSC05416アッパーはフューズ素材にテキスタイルを貼り付けたセットアップ。

フューズ素材は比較的柔らかく、足当たりは優しめ。

ヒールの成型も良く、その周りのアッパーにはしっかりパディングが入っています。

前作のようにカカトが抜ける感覚はありません。


サイズに関しては、Nikeの通常サイズで問題ないと思います。

幅広の方は、足型によっては小指部分の“カーボンファイバー製のエッジ”が当たる可能性があるため、要試着です。

SUPPORT - 9 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

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DSC05417アウトソールはフラットな形状且つ広めの設計で、さらに“ノジュール”“格子状のルナロン”が沈むため安定性は素晴らしい。

“カーボンファイバー製エッジ”・“ラバーケージ”・“インターナル・ヒールカウンター”の各パーツがしっかりブレも防止してくれます。

 

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

DSC05424ソールがフラットなため重心移動はスムーズ。

“ラバーケージ”“カーボンファイバー製エッジ”のおかげで、前作よりは大幅に剛性ある作りになっていて、切り返しもし易いです。

HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

DSC05412“ラバーケージ”がヒールからフォアへの重心移動をしっかりサポートしてくれます。

フォアの剛性があれば更に加速して動けたはずなので、スコアを若干下げました。

それでも平均以上のスムーズさです。

BREATHABILITY - 7 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

フューズ素材は通気性はなく、通気が可能な箇所はタンはメッシュ部分のみ。

ローカットであることも加味して、トータルの通気性は標準レベルかと思います。

 

DURABILITY - 8 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

アッパーはミッドソールとアッパーの接合部分をTPU素材でコーティングしてあり、強度は十分。

ソールの“ノジュール”は柔らかく、通常のパターンのソールより減りが早そうです。

ルナロンやズームエアは“ラバーケージ”で覆われているため、すぐにへたったり、エア抜けしたりすることは無さそうです。

WEIGHT - 9 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

DSC05421約364g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

着用する前はシャンクプレートが無いため、また酷いレビューになってしまうかも、と危惧していましたが、杞憂に終わってよかったです。

そのシャンクの代わって、活躍したのはミッドソールを覆う“ラバーケージ”

これにより過度の捻れや、土踏まずのアーチの沈みが防止された事が高パフォーマンスに繋がりました。

前作“Kobe IX ”に比べて大幅にスコアが良くなりました。

普通に良いバッシュです。


このレビューを書いているのは2015-16シーズンの序盤。

時間の経つのは早いものでコービーも今季限りでの引退を表明。

現役で着用するのは次作のXIで最後になり、2016年は過去モデルのレトロ化もスタートするようです。

個人的にベストなコービーモデルは“Zoom Kobe VI”

オリジナルは劣化して履けないのでレトロは嬉しいですね。

XIは再び“ドロップイン・ミッドソール”方式に戻り、画像を見る限りシャンクもなさそうです。

“Kobe IX”と酷似したセットアップなので少々不安ですが、バッシュは履いてみなければ評価はできないので、XIも出来る限り早くレビューしたいと思います。

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i11

  • TRACTION - 9/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 9/10
  • FIT/LOCKDOWN - 8/10
  • SUPPORT - 9/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
  • BREATHABILITY - 7/10
  • DURABILITY - 8/10
  • WEIGHT - 9/10
TOTAL SCORE
B+ 84 / 100

PERFORMANCE RANKING

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