Anta KT 3 (KT3) Performance Review
- テストカラー:Halloween(11741101-6)
- 主な機能:ANTA EVE System(Dual Density EVA Midsole), Half-length Inner Bootie, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Klay Thompson
- 価格:¥-(国内)・$115(海外)
Introduction
今回はクレイ・トンプソンの3rdシグネチャー"Anta KT 3"のパフォーマンス・レビューです。
時の流れは速いもので、KTシリーズも気付けば3作目。
前作"KT 2"はフライニットの強度が期待以下で、少々残念な結果に。
なので今作ではリベンジの意味も込めて、フライニットを使ったカラーを履こうと思っていました。
…ですが色々と悩んだ結果、パテント・レザーを使った"Halloween(ハロウィーン)"カラーに急遽変更。
カラーとかアンクル・ストラップの形状とか、映画「エイリアン」を彷彿とさせるデザインがツボ過ぎまして。。。
コメントでも「フライニットを試す」と宣言していたのにスミマセン。
まあおそらくニットのレビューは他のレビューサイトの方がアップしてくれる思いますので、レビューのバリエーションが増えると言う意味では良いのかな、と。
…前置き言い訳はこれくらいにして、機能の細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 6 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
"Air Jordan XX3(23)"を彷彿とさせる「フィンガープリント・パターン」のアウトソール。
ラバーは蓄光素材の"Glow In The Dark(グロウ・イン・ザ・ダーク)"。
パターンは深く、ソフトな感触。
触った感じでは粘性もまあまあ。
実際にプレーしてみると、綺麗なコートでもグリップはイマイチ。。。
スルスルと滑る感じで、深いパターンもコートを噛んでくれる感覚は無し。
ホコリも吸着しやすく、ブレーキを掛けるには余計な力が要り、普段とは違う部分に痛み・疲れを感じました。
残念ながら平均を下回るパフォーマンスです。
不幸中の幸いは"Air Jordan XXXI(31)"の様な危険な滑り方はしない事。
頑張れば何とかプレー出来ます。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
クッションセットアップは前作"KT 2"と同じ"ANTA EVE System"が採用されています。
これはフォアとヒールに密度の異なるフォームを埋め込んだ、いわゆる「デュアル・デンシティ」タイプのクッションです。
前作では「ヒールがソフト・フォアは硬め」とはっきり感じ取れたのですが、今作では違いがそこまで分からず。
アウトソールのパターンの深く、これが真っ先に沈んで衝撃を緩和してくれるので、それ以外のクッション感覚は薄め。
それでもクッション全体には厚みがあり、吸収性は問題なく快適です。
反発性に関しては、このパターンの深さはブレを生み、一転してマイナス材料に。
前作で問題だった「アッパーのブレ」は今作では感じず、気になるのはトラクション含めアウトソール周りだけ。
反発性は平均に届かない感覚ですかね。
シューズ自体の剛性や、フォアの屈曲剛性はしっかりしているので、ソリッドラバーだったらかなり違った結果になったと思います。
COURT FEEL - 6 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「パテント・レザー」のアッパーに「フォアフット・インナーブーツ」を組み合わせたセットアップ。
一応構造上はフォアフットのみですが、ヒールのライニングにもブーツ同様の肌触りの良いネオプレン調の素材が張られ、フルレングスに近い仕様。
足入れした感じもフルレングスに近く、個人的には好み。
シューレースはフラットで、フライトウェブ状のループに通してあります。
パテント・レザーはしなやかで、シューレースとウェブとしっかり連動し、ピタリと足にフィットします。
ヒールカウンターの成型に関しては正直あと一歩。
ネオプレン素材がスベスベなので、もう少しパディングを厚くしてくれないとカカトに抜け感があります。
またホール数に対してシューレースが少し短く、幅広・甲高なプレイヤーが最上段まで通した場合、長さが足りないと感じるかもしれません。
とは言っても上から2段目までで、正直十分なロックダウンがあったので、機能的には問題ないかと。
エイリアンの幼体(?)みたいなアンクル・ストラップはスナップ・ボタンとマジックテープで留める仕様。
付けても外しても、あまりロックダウンは変わった感じはしません。
機能的にはストラップと言うよりも、「シューレース・カバー」と呼ぶ方が正しいでしょう。
ただ「デザインのアクセント」としては秀逸です。
初代"KT 1"も機能的には良かったですが、マテリアルや縫製など「靴」としての仕上がりはまだまだでした。
今作では機能面は素晴らしいまま、「靴」としてのグレードは大幅に上がっています。
※サイズ選びについて※
マイサイズの27.5cmを購入しましたが、全体的に大きめの作り。
エリート系の厚いソックスと薄手のソックスの重ね履きでは、まだ僅かに大きい感覚。
エリート系ソックス2枚を重ね履きでちょうど良くなりました。
通気性が気になったり、ソックスは1枚じゃないと、などこだわりがある方はハーフダウン必須でしょう。
※追記:レビューアップ後に別カラーを履いたところ、そちらはグローバルマイサイズでジャストでした。仮説ですが、噂でANTAにもナイキのEPに当たる仕様が展開されていると聞いたことがあるので、レビュー個体がそれに当たったのかもしれません。いずれにしても真相は不明です。。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
トラクションを抜きに考えると、アウトソールに入ったグリッドが「トランポリン」の様な効果を発揮したり、シャンクがしなやか且つ復元が速いところなど、タイプとしては初代の"KT 1"に近い感覚かと。
アウトソールが厚くなっている分だけ、初代よりややコンフォートに寄ったパフォーマンスではありますが。
アウトソールについては散々に言いましたが、それ以外の部分は悪くなく…いや、秀逸な仕上がりと言って良いでしょう。
ただ単純にアウトソールの厚さと滑り具合が、私のプレースタイル的にあまりにも影響が大きく…スコアは厳しめにせざるを得なかったのは残念です。。。
これから購入を検討されている方は、ソリッド・ラバーを使ったカラーを選んだ方が無難かと思います。
それから繰り返しになりますが、サイズは大きめなのでハーフダウンはほぼ必須ですのでご注意を。
追記;カラーによりサイズ感はかなり違いました。後にフライニットのウォリアーズカラーを試しましたがこちらはサイズダウンの必要はありませんでした。
レビュー個体がナイキで言うところのEPラストの展開だったとの噂も聞きましたが真相は不明です。。
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TRACTION - 6/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 6/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 8/10