Nike Zoom KD 9(IX) Performance Review

12月 28, 2016
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  • テストカラー:Birds Of Paradise(843392-300)
  • 主な機能:Flightweb System, Flyknit, Full-length Articulated Zoom Air Unit, Phylon Midsole, TPU Internal Heel Counter, Rubber External Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:Kevin Durant
  • 価格:¥24,840(国内)・$150(海外)

Introduction

img_4260今回はケビン・デュラントの9thシグネチャーのパフォーマンス・レビューです。

今作から商品タイトルに"Zoom"表記が復活しています。

表記がある方がネット検索が簡単になるのでこの変更は大歓迎ですね。


デュラント本人は2015-16シーズンのカンファレンス・ファイナル途中に今作をコートデビューさせました。

そのままリオ・オリンピックでも引き続き着用し、金メダル獲得時の足元を飾りました。

そしてKDモデルとしてはもはや恒例化しつつある「試合中にシューズ脱げる事件」がオリンピックでも発生。


やはり今作もフィットが怪しいのか…と言うことでまずは近くのショップで「幅広ラストのEPバージョン」を試着。

カカトにはパディングが入っていてフィット感は悪くない。

ですが、シューレースをタイトに締めてもフォアフットから足甲にかけてのロックダウンがシックリ来ない…。

と言う事で、"Hyperdunk 2016"に引き続き「通常ラストの海外バージョン」を購入することにしました。


ちなみに同じ"Birds Of Paradise"カラーでもEPバージョン海外バージョンの両方が存在します。

型番がそれぞれ"844382-300"・"843392-300"と異なりますので購入の際には注意が必要です。


前置きが長くなりましたが、機能的にはフライニットに分節型フルレングスズームとかなり期待できそうな仕様。

それでは細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 10 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

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六角形が並んだハニーカム・パターン、もしくはヘキサゴン・パターンと呼ばれるアウトソール。

ソリッドラバーはソフトで、凄まじい粘性があります。

手で触った感じではそこまでとは思いませんでしたが、プレーしてみて驚きました。

コートにビタッと張り付き、一切の遊びなく強力にグリップします。

最初のうちは逆に止まり過ぎて、スピンムーブで軸足が残ってしまい、盛大にコケるほど…。

ステップでの重心の置き方・抜き方を少し調節する必要がありますが、一度慣れてしまえば快適の一言。

ホコリの影響も全くと言って良い程なく、最高レベルのトラクションです。

CUSHIONING - 9 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

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前作"KD 8(VIII)"と同じ、ファイロン・ミッドソールと分節されたフルレングス・ズームエアのセットアップ。

前作ではフォアフットが細かく分節されていましたが、今作は「フォアフット」「ミッドフット」「ヒール」の3つフォアフット部分の一箇所だけ分節されています。

ファイロンはソフト且つモチモチと弾力ある感触。

フルレングスズームも足裏にダイレクトな感触があり、ファイロンと合わさってフッカフカ。


しかも普通フルレングスだともっと変形したり、ブレたりするものですが、今作ではその現象はほとんど起きません。

フォアフットの分節部分も全方向にナチュラルに屈曲します。

これは「ズームエアの半分を覆うカップ状のアウトソール」「ズームエアを包むクリアラバー」のお陰かと。

この2つの組み合わせは絶妙ですね。

成型・配置も含め完成度が非常に高いです。


このつくりは反発性にも好影響を与えていて、予想をはるかに上回って快適。

特に分節箇所のナチュラルな屈曲、そこからの復元の速さもクリアラバーの効果が活きています。

アウトソールとミッドソールがソフトなので、クッションの反応速度は最高ではありませんが、衝撃吸収性とのバランスを考えると絶妙と言って良いでしょう。


本当はスコアを満点にしたかったのですが、1ポイント下げざるを得なかったのは、体調が悪い日のパフォーマンス

疲労が溜まっていて体が重い状態で2回ほど着用しましたが、クッションが変に沈み過ぎて気持ち悪く、動きづらい…。

通常時の快適性とは大きな落差があります。

周りのプレイヤーに聞いても体重があるプレイヤー程、クッションが沈み過ぎて違和感を感じる傾向があるようです。

もしかしたらビッグマンに向かない仕様なのかもしれません…あくまで少ないサンプルでの傾向ですが…。

COURT FEEL - 9 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

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"Lebron X(10)""KD VI(6) Elite"など、ビジブル・フルレングスズームの初期モデルと比較すると、最も進化したのはこの接地感でしょう。

前作"KD 8(VIII)"ではズームエアを薄くすることで接地感を高めていました。

今作ではズームエアに十分な厚さを持たせたまま、ダイレクトな接地感を実現しています。

体調悪い日には接地感も微妙に感じるため、マイナス1ポイントですが、満点に近い素晴らしい感覚です。

FIT/LOCKDOWN - 9 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

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今までもフライニットは"Kobe IX(9) Elite"・"Kobe X(10) Elite"・"Kobe XI(11) Elite Low"など主にコービーシリーズに使用されてきました。

いずれも裏地にTPUパネルを貼ったり、TPUスレッドを編み込んだりと、必ず補強パーツが組み込まれていました。

ですが、今作のフォアフットは遂に「フライニット単体構造」

これを待ち望んでいた方も多いと思います。

ちなみにヒール部分はメッシュ素材です。

ここにはヒールカウンターが必ず入りますし、サポート性を考えても、メッシュを使用して正解でしょう。


ワンピースアッパーと聞くと、まず心配になるのは足入れの難しさ。

最近"Lebron Soldier 10(X)"でかなり苦労したばかりなので尚更です。

幸い杞憂に終わり、今作の足入れは比較的簡単でした。

インターナル・ヒールカウンターの位置が低く、履く時にカカトをある程度まで踏み潰せるのが大きいですね。


足入れすると、まずヒール周りの厚いパディングが心地良く、抜け感は全く感じません。

フライニットは適度な伸縮性があり、インナーブーツのような素晴らしいフィット感


プレー中にふと足元を見ると画像の様に結び目が緩んでいる事がしばしば。

普通緩むと感覚で分かるものですが、今作は目視で確認するまで気付きませんでした。

それだけアッパーの成型が良いと言う事だと思います。

緩みやすいシューレースは頂けませんが…。


唯一の難点はKDシリーズ特有のサイジングの難しさ。

このモデルは通常ラストの海外バージョンですが「幅は若干狭め、甲は低め、長さは長い」

なので、幅でサイズを選ぶと、どうしてもつま先にスペースが空いてしまいます。

カカトへのロックダウンが素晴らしいお陰で、シューズ内で足がスライドすることはありませんが、満点のつくりではないでしょう。


※サイズ選びに関して※

「通常ラストの海外バージョン」は普段履いているサイズと同じで良いと思います。

足型が幅広や甲高のプレイヤーはハーフサイズアップ、もしくは「幅広ラストのEPバージョン」を検討しても良いかと。

いずれにしてもかなり癖のあるサイジングなので、試着してからの購入が無難でしょう。

SUPPORT - 8 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

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ローカットですがソールの面積はかなり大きく、安定性は十分。

アッパーもヒールカウンターもしっかり横ブレを抑えてくれます。

シャンクプレートは入っていませんが、ズームエアとそれを覆うクリアラバーが捻れを防止。

トータルのサポート性は高く、捻挫癖のあるプレイヤーでなければ不満を感じる事はないでしょう。

注意点としては、ある程度以上の体重があるとズームエアが沈み過ぎ不安定に感じる傾向があるみたいなので、気になる方は試着をオススメします。

LATERAL TRANSITION - 9 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

dsc08397トラクションは素晴らしく、クッションもアッパーもほとんどブレが起きません。

フォアフットの分節部分もどの角度にステップしても、スムーズで高速な重心移動が可能です。

これだけ快適なクッションでここまで左右方向に動きやすいとは…と感動するレベル。

フィットの面で足型がジャストフィットしない分でマイナスしましたが、影響は最小限。

満点に近いトランジションです。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

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左右方向とほぼ同じ印象で、スムーズで高速な重心移動。

足型が合わない事の影響が少ない事も同じ。

フォアフットの分節部分は全体重を掛けても、アンバランスになることなく、次のステップに繋げてくれる強度があります。

あと気になる点としては、他のバッシュに比べて若干ヒールが出っ張っているので、カカトを多く使って走るプレイヤーは若干違和感を感じるかもしれません。

BREATHABILITY - 9 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

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フライニットは裏地にメッシュ生地を貼っただけなので、特にフォアフットの通気性は十分。

ヒール周りは厚いパディングがあるので通気性は限定されますが、ここは仕方のないところ。

目の粗いオープンメッシュを使ったモデルには及びませんが、ほぼ満点の通気性と言えるでしょう。

DURABILITY - 8 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

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毎回未知数の部分が多い耐久性の項目。

今回気になるのはフォアフットの分節箇所と、補強をしていないフライニット。

現段階では、分節箇所はズームエアを覆うクリアラバーでコーティングされていて、プレーしていても安心感があります。

自分の足型は甲高でも幅広でもないので、現状不安に思うことはありませんが、フライニット部分の耐久性は足型に大きく左右されるかと。

足型が合わせにくいモデルなので、フライニットの耐久性も考えてサイズ選びをした方が良いでしょう。

WEIGHT - 9 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

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約369g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

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毎年何かしら大きな突っ込みどころがあるのがKDシリーズの特徴でしたが、今作は非常に安定したパフォーマンス。

歴代KDシリーズの中でベストパフォーマーと言って良いでしょう。

もちろんサイジングの難しさは残っていますが、ワンピースアッパーのロックダウンが良いのでほとんど気になりません。


特にビジブルタイプのフルレングス・ズームエアの進化と言う意味では、一種の完成型かと。

「接地感・衝撃吸収性・反発性」のうち、こちらを立てればあちらが立たず…と言うのが今までのバッシュでした。

今作は3つがバランスよく、高いレベルで揃っています。


フライニット/メッシュのワンピースアッパーも成型・剛性ともに個人的には絶妙。

正直ワンピースアッパーの足入れの難しさは頂けませんが、履けた後は本当に心地良い。

一度試しても損はないバッシュかと思います。


かなり長いレビューになってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

それだけ新機能を満載したモデルだという事で理解してもらえれば幸いです。

次回は"Lebron Soldeir 10(X)"をレビューしたいと思います。

  • TRACTION - 10/10
  • CUSHIONING - 9/10
  • COURT FEEL - 9/10
  • FIT/LOCKDOWN - 9/10
  • SUPPORT - 8/10
  • LATERAL TRANSITION - 9/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 9/10
  • DURABILITY - 8/10
  • WEIGHT - 9/10
TOTAL SCORE
A- 89 / 100

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