Air Jordan XIX(19) Retro (2019) Performance Review

6月 24, 2023
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  • テストカラー:Flint(AQ9213-100)
  • 主な機能:Forefoot Zoom Air Unit, Double Stacked Heel Zoom Air Unit, Phylon Midsole, TPU Composite Carbon Fiber Shank Plate, TPU External Heel Counter, Shroud
  • 着用した主なプレイヤー:Michael Jordan,Carmelo Anthony,Chris Paul,Ray Allen,Monta Morris
  • 価格:¥26,460(国内)・$225(海外)

Introduction

今回はマイケル・ジョーダンの19thシグネチャー"Air Jordan XIX Retro(エアジョーダン19レトロ)"のパフォーマンス・レビューです。

特に狙っていたバッシュではなく、たまたま格安の中古を発見しレビューしています。

オリジナルの発売は2003-04シーズン。

MJがウィザーズから引退した翌シーズンで、当時ルーキーのカーメロ・アンソニーが着用していました。

2008年にカウントダウンパック(CDP)として最初の復刻があり、その後2019年に再復刻。

今作はその2019年製レトロになります。

オリジナルもCDPも履きましたが、結果を先に言ってしまうと今作との違いは特になし。

忠実に再現されたレトロなので、比較はせずにレビューしていきたいと思います。

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TRACTION - 6 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

全面が立体的な「ヘリンボーン・パターン」のアウトソール。

グレーのエッジ部分のみ「トランスルーセント」で、それ以外のラバーはすべて「ソリッド」。

いずれのラバーも硬めで、粘着性は低めの質感です。

スキール音は甲高く鳴り、「相性の良いコート」ではよくグリップしてくれます。

一方、ホコリが多かったり、ラバーと相性の悪い素材のフロアではめちゃくちゃ滑ります。

ホコリを拭いてもあまり改善が見られないので、立体的なヘリンボーンの接地面積が元々小さい設計かと思われます。

スキール音が鳴りつつ滑るタイプで、見た目も接地面積由来で滑る点もエアジョーダン31のアウトソールと似ています。

⇒AIR JORDAN XXXI(31) PERFORMANCE REVIEW

スライディングや大転倒を引き起こすAJ31のトラクションと比較すると、今作はスルスルと滑る感じで怪我のリスクは少なそう。

また湿度は高さには強く、梅雨の時期はよくグリップしてくれました。

いずれにしてもコートを選ぶバッシュであることは間違いありません。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

クッションは「ファイロンミッドソール」「フォアフットズームエア」「ダブルスタック・ヒールズームエア」を埋め込んだセットアップ。

ファイロンはマットな触り心地で、密度高めで弾力性も高めです。

いざコートで履いてみると、今まで履いたバッシュの中でも「最高クラスに飛べる」

もちろんグリップしてくれるコート限定ですが、お世辞抜きで歴代のトップクラスに入ります。

フォアフットの屈曲剛性はそこそこながら、少し溜めを作るだけでかなりの高さまで飛べます。

平面での推進力も、垂直方向ほどでは無いにしても強力で快適です。

快適な理由のひとつめはミッドソールの質感が良い事と通常のストロベルボードには強度があり、ズームエアをしっかりとケージしている事。

もうひとつはインソールの作りで、高密度・高弾性のポリウレタン系素材をベースに、フォアとヒールにはややソフトなクッションパッドを設置し、且つズームBBネクスト「リアクトインソール」以上の厚みがある事。

⇒NIKE ZOOM BB NXT PERFORMANCE REVIEW

これらのコンビネーションにより、垂直方向には素晴らしい反発を返してくれます。

ズームBBネクストはほぼ沈まず反発するタイプでしたが、今作はやや沈みがあってから反発するタイプです。

そのため平面では微妙に遅れる感覚がありますが、それでも十二分に優秀なレベルのクッションです。

ズームBBネクストのフォア形状をややフラットにし、少し沈みを足すと今作のクッションになるかなと。

 

※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」"Nike Zoom BB NXT"「リアクトインソール」も今回出番はなく、元インソールがベストバランスです。

「スジオカボード」は効果アリ。ジャンプに大きな変化はありませんが、元インソールの下に入れると平面での推進力が増す感覚があります。

※インソール・ボード交換はスコアに含めていません。

※上記以外のインソール・ボードのコンビは微妙だったため詳述省略しています。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

クッションは厚い割にはダイレクトな乗り心地。

マイナスはほとんどトラクションの影響分のみです。

FIT/LOCKDOWN - 8 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「ワンピース・アッパー」「シュラウド」が覆い、 「ヒール・ストラップ」が両方を繋いでいます。

俗称「鉄仮面」なシュラウドですが、デザインコンセプトはアフリカの毒ヘビ「ブラックマンバ」

オリジナルの発売は2004年で、コービーブライアントが自身を「ブラックマンバ」と呼びはじめたのも2004-05シーズンから。

もしかしたら命名のきっかけは今作だったかもしれません。

さて肝心のシュラウドですが、「TECH-FLEX(テック・フレックス)」と呼ばれるTPU素材を編み込まれ、見た目よりはしなやかです。

ストラップを緩めるとシュラウドは前方へ大きくめくる事が可能。

履き口は若干狭めですが足入れに苦労するほどではありません。

内部の成型は全体的にやや広めな割に、パディングは少なめ。

加えてライニングの生地がかなり滑らか。

普段のソックス2枚ではゆとりがあり、足がシューズ内でかなり動きます。

これは2枚のうち1枚を厚手のものに変更して対応。

対応後はゆとりは埋まり、滑りも止み、フィットは良好に。

シューレースはかなり細いワイヤー調で、シューレースストッパーでワンモーションで絞れる仕様。

※シューレースホールは隠れていますが、内部に5列あります。

絞ればその後は結ばずともシュラウドの中に収納するだけでプレー可能。

実際に結ばずでもストッパーは緩むことも無く、快適にプレー出来ました。

着脱時間に関しては、ストラップの開閉の手間があるため通常モデルよりもむしろ掛かってしまいます。

シューレースを結ぶのが面倒に感じる方には好まれるセットアップかもしれません。

※※※サイズ選びに関して※※※

グローバルラストのマイサイズ「27.5cm」を購入。

今作はグローバルですが大きめ且つ広めの作り。

前述のとおり、普段のソックス2枚から更に厚手のものに変更して対応はできました。

ですが長さも詰める猶予があるので、ハーフサイズ(0.5cm)ダウンが正解だったように思います。

※インソール・ボード交換はスコアに含めていません。

※ソックス交換はスコアに含めています。

SUPPORT - 8 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

ソールには安定性があり、シャンクプレートの捻れ剛性も効いています。

アッパーにも特に当たる箇所もありません。

唯一の懸念点はやはり気まぐれなトラクションです。

LATERAL TRANSITION - 7 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

クッションがやや沈む事と、トラクションが弱いことから左右方向のトランジションは少し厳しめに採点。

しっかりグリップするコートとそうでないコートでは天と地ほどパフォーマンスが変わります。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

前後方向ではトラクションの影響が大きく減るため快適なトランジションです。

BREATHABILITY - 7 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

マンバのシュラウドは通気する余裕ある編み方なので、通常モデル程度には通気してくれる感覚です。

DURABILITY - 8 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

扱いに気を付けるべきはストラップを通す「ラバーバンド」

細めなので勢いよく締めたりすると破損する可能性があるかと。

それ以外に気になる点はなく、サイズ選びさえ間違えなければ長く履けるモデルでしょう。

WEIGHT - 8 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約494g(27.5cm・片足)

Final Conclusion

今作をまとめますと「ハイリスク・ハイリターン」

グリップするコートでは快適に、しかも普段より高く飛べるボーナス付きのパフォーマンス。

そうでないコートでは一転滑り倒してまともにプレーできない。。

他に「ローリスク・ハイリターン」なバッシュは市場にあるので、今作はまあ敢えてトライするようなモデルではないかなと思います。

トライする価値があるとしたら「インソール」

クッションの項目で詳述したとおり、結構特殊な作りなので気に入る方は気に入る(?)かもしれません。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m

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  • TRACTION - 6/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 8/10
  • SUPPORT - 8/10
  • LATERAL TRANSITION - 7/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 7/10
  • DURABILITY - 8/10
  • WEIGHT - 8/10
TOTAL SCORE
B 77 / 100

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