Li-Ning Sonic 7 Performance Review

- テストカラー:Purple(ABAP019-3)
- 主な機能:Li-Ning Light Foam Midsole,TPU Side Wall,One Piece Upper,TPU Shank Plate,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:CJ McCollum
- 価格:¥-・$120
Introduction
今回はC.J. McCollum(CJ・マカラム)が着用していた"Li-Ning Sonic 7(リーニン ソニック 7) "のパフォーマンスレビューです。
先にレビューしたウェイドのオールシティ同様に数年前のモデル。
当時のマカラムはブレイザーズ所属で、自分の応援するグリズリーズを相手にすると大活躍する傾向がありました。
その足元を支えていた今作のパフォーマンスはずっと気になっていました。
満を持してのトライはどうなりますか、細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 10 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全面が「ウェブパターン」で構成されたアウトソール。
ナイキのズームコービー3のアッパーを彷彿させるルックスです。
ラバーはラベンダーカラーの「ソリッド」。
ソリッドラバーはやや硬めで、粘着性もやや高めの質感。
スキール音はフォアと中足部の中間辺りのソールのみ大きめに鳴り、それ以外の部分は無音でグリップします。
ウェイドのオールシティ8の様な急ストップ系ではなく、ナチュラルにブレーキが掛かるトラクションで扱いやすいです。
粘着性の高さからホコリの吸着が懸念されましたが、こちらも問題なし。
パーフェクトスコアです。
但し、これはインソールに滑り止め対策を施した場合に限定されます。
シューズとインソールではなく、インソールと足裏の滑り止めです。
インソールの表面生地はかなりスベスベ。滑らか過ぎて対策前は足がピンボールみたいにシューズ内で動きまくります。
自分はインソールにテーピングを貼りましたが、グリップ機能付きのソックスを利用するのもアリでしょう。
テーピングとソックス調整はスコアに含めていますので、高評価のままです。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「リーニン・ライトフォーム・ミッドソール」単体のシンプルなクッションセットアップ。
ライトフォームはやや硬めで押し込みからの復元スピードはややゆっくりな質感。
フォア部分のライトフォームはケージされておらず剥き出しの状態。
これによりフォア部分はややソフトな乗り心地で、フォアフットの屈曲剛性は通常レベル。
インソールには、ウェイド・オールシティ8よりも更にソフト且つジェルっぽい質感の素材が使われていて、厚みもそこそこ。
結果、フォアはややブヨブヨした乗り心地。
ガッツリフォアで押し込んでプレーすれば結構良いですが、少し体調の悪い時やトレーニング疲労が溜まっている時は暴れ馬と化します。
個人的には苦手ですが、吸収性を期待してトライするなら快適なクッションでしょう。
またヒールとフォアのバランスは取れていて、ほぼフラットなのはポジティブ要素です。
市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」に替えると接地感が一気に高まり、かなり扱いやすいクッションに激変します。交換を強くオススメいたします。
"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」は吸収性&厚さ過剰でアンバランスになるので止めておくのが無難でしょう。
この項目ももちろん純正インソールにテーピング調整をした上での評価です。
もし調整をしてなかったら惨憺たるスコアになっていたかと。。
※次項以降も基本調整アリのスコアになります。
またインソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
クッションは厚めで主張もある程度強く、コートをやや遠くに感じます。
トラクションやソール形状は良いので体調が良い日であればスコア以上に感じましたが、ここも落差が大きいためスコアは抑えめにしました。
FIT/LOCKDOWN - 7 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
インナーとアッパーが一体になった「ワンピース・アッパー」を「サイドウォール」が挟んだセットアップ。
アッパー素材はそれぞれ、ヒール周りは「シンセティックレザー」、履き口周りから甲にかけては「ニット」、トーボックスはしなやかな「スクリーンメッシュ」です。
サイドウォールは外足側はソフトめな「TPU素材」、内足側は「シンセティックレザー」が使われています。
ワンピース構造ですが履き口周りはニットなので伸縮性があり、足入れは簡単。
履いてまず感じたのは「左右からの抑えが弱い」。
ナイキのKD15を試着した時にも感じましたが、サイドウォールと接着されているアッパー下部が外へ引っ張られていて、シューレースを締めても十分に連動しない構造。
またアキレス部分のパディングは厚いですが、くるぶし周りのパディングは薄く、足の左右になかなかに広い空間が確保されてしまっています。
広いですが、シューレースのロックはしっかりしていて、不思議とカカトの抜け感は感じませんでした。
が、この部分のフィットにこだわる方は注意した方が良いしょう。
また全体にアッパー素材もヒールカウンターもソフトでしなやかなので、アッパー自体に強度が欲しい方も要注意です。
これももちろんインソールの滑り止め調整した後のスコアです。
※※※サイズ選びに関して※※※
グローバルラストのマイサイズ「27.5cm」を購入。
この選択は失敗で、ハーフサイズ(0.5cm)ダウンは必須でした。
場合によってはフルサイズ(1.0cm)ダウンも考えて良いかもしれません。
※「スーパーフィートのグリーン」に交換時もサイズ感は変わりません。
※インソール交換はスコアに含めず、ソックス調整はスコアに含めています。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
シャンクプレートとサイドウォールのお陰で捻れ剛性は強力。
ですがヒールカウンターの成型と強度がかなり脆弱。
足首の固めのトレーニングと考えれば良い機能ですが、普通のバスケ用としては物足りないと感じる方が多いかと。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
トラクションの良さと捻れ剛性の強さがあるので左右方向は比較的動きやすいです。
ただヒールカウンターの強度を頼ってステップすると捻挫するかもしれません。
HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
前後方向ではフォアのクッションのソフトさが影響して、遅れを感じることがしばしば。
体調の良い日は良いですが、ダメな日はまったく扱えなくなります。
BREATHABILITY - 10 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
足甲部分は通気性の高いニットで、トーボックスも薄く通気性に富んだスクリーンメッシュ。
サイドウォールで覆われている部分はありますが、サイズ感が緩い事もあり、通気性はかなり高いです。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
先にレビューしたウェイド・オールシティ8でも感じましたが、今作もクッションは長持ちしそうな感覚。
一方アッパーの素材と作りはウェイドに比べてややチープ。
特にトーボックスのメッシュとそのサイドのフライワイヤー調のレースループたち。
インソールの滑り止めをせずに履くと最悪初回でここが千切れると思います。
滑り止めをすれば平均レベルの耐久性はありそうですが、普段からバッシュのアッパーにダメージが来る方は購入自体を見送るのが無難かもしれません。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
392g(27.5cm・片足)
Final Conclusion
今作をまとめますと「スーパーフィート専用機」。
スーパーフィートのグリーンの良さを体感するのに最適な一足かと。
通気性や軽量性のお陰でスコアはインフレしてますが、インソール交換前のパフォーマンスは正直かなり残念なものでした。
それがスーパーフィートのグリーンを入れた途端に強度の高い対人バスケでも履けるレベルに昇華。
もちろんグリーンの表面も滑るのでそちらのケアも要りますが。
色々カスタム・工夫して履きたい方にとっては狙う価値のあるモデルかと思います。
先のウェイド・オールシティ8同様、国内での入手はタイミング的に難しいですが、海外ではけっこう残っているようです。
英語は多少要りますが、ネット検索から簡単に見つかりますので気になる方は是非に。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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TRACTION - 10/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 7/10
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FIT/LOCKDOWN - 7/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
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BREATHABILITY - 10/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 10/10