Nike Kyrie Infinity EP Performance Review
- テストカラー:ALUMINUM/SAIL-BLACK(DC9134-400)
- 主な機能:Forefoot Air Zoom Strobel,Heel Zoom Air,Phylon Midsole,Forefoot Inner Bootie,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Kyrie Irving,Herbert Jones,Jordan McLaughlin,Nikola Vucevic,Darius Garland,Tre Jones,O.G. Anunoby,Cameron Johnson,Thomas Bryant,Evan Fournier,Bruce Brown,Patrick Williams,Ish Smith,Caris LeVert,Landry Shamet,Moses Moody,Collin Sexton,P.J. Washington
- 価格:¥16,500・$140
Introduction
今回はKyrie Irving(カイリー・アーヴィング)の8thシグネチャー"Nike Kyrie Infinity(ナイキ カイリー・インフィニティ) EP"のパフォーマンスレビューです。
※正確には次に発売されるシグネチャーがカイリー8らしいですが、詳細は不明です。
先に試着レビューはアップしている今作ですが、知り合いから状態の良い中古を譲ってもらえることになりフルレビュー決行。
⇒NIKE KYRIE INFINITY(KYRIE 8) EP TRY-ON REVIEW
試着段階との違いを楽しみながら早速細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 8 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
前作より更にアレンジが加えられた「ヘリンボーン・パターン」のアウトソール。
EPラストなのでラバーは耐摩耗性に優れた「XDR」。
その質感は粘性がやや高めで、粘着性は低め。
スキール音は鳴らず、無音でグリップするタイプです。
フォアフットを使ったステップではズームエアが圧縮・復元する時間を計算に入れないと上手く体重が乗らない仕様。
初回のプレーではドライブ時に大きく滑って大転倒かましました。
復元タイミングが分かった後のトラクションは最高では無いものの必要十分なレベルにグリップ。
ホコリを吸着しにくい質感で、パターンも深めなので、コートコンディションの影響は少なめのは嬉しいポイント。
初回の扱い辛さは予想外でしたが、概ね試着段階どおりの感想でした。
※ズームストロベルに慣れておらず、体重が軽めの方はスコアより苦戦するかもしれません。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」のフォアフット全面に「ズーム・ストロベル」を、ヒールに通常の「ズームエア」を埋め込んだクッションセットアップ。
ファイロンはミッチリと密度高めで弾力性も強い質感。
ヒールズームは良い意味で存在感が無く、フォアズームストロベルはやはり主張強め。
主張は強めながら薄めのセットアップが奏功して、違和感はまあ少なめ。
とは言えフォアに乗った時のブヨブヨ感は残り、クロスオーバーやディフェンスでのステップではやや遅れを感じます。
シャンクプレートはおそらく非搭載で、捻れ剛性がややマイルドな事も影響しています。
ドライブの際はフォア接地よりも更に先端、足指メインでの接地ならストロベルの違和感を最小化できます。
もしくは中足部メインのヒールストライク気味のステップでコントロールスピードで行うかの二者択一。
履いていて、母指球あたりをいかに使わないかと言う変なゲームしている気分になりました。
ジャンプを加速してくれる感覚は特になく、加速のステップが踏みづらいためむしろ下がります。
母指球をスルーすれば平面はそれなりに動けるので、プレースタイルによっては好まれるクッションかもしれません。
それから試着段階では気になりませんでしたが、いざオンコートで履くと「アーチが低い」。
プレー中は常に土踏まず下に空間を感じました。
この部分がクリアできればスコア以上のクッションに感じる可能性があります。
※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」との相性はかなり良いです。アーチと捻れ剛性と懸念ポイント二つを同時に補強できます。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」との相性は微妙。吸収過剰になり、フォアの空間が狭くなりつま先が痛くなります。
※インソールの相性に関しては試着レビューと反対の結果となりました。
※インソール交換はスコアに含めていません。
※※※ズームストロベルの画像はBrankさんのパフォーマンスレビューより拝借しましたm(__)m
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
ズームストロベルの主張とクッションの薄さを天秤にかけて、接地感に関してはやや薄さが勝つ感覚。
フォアにガッツリ乗らざるを得ないステップを除いてはコートをしっかり感じられます。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「フォアフット・ブーティー」を「アッパー」が包むセットアップ。
アッパー素材はそれぞれ、ヒール周りは「シンセティックレザー」、フォアは「マイクロエンジニアードメッシュ」です。
マイクロエンジニアードはプラスティック調のTPU素材を細かく編み込んだ素材で、しなやかながらやや硬め。
足入れは簡単で、タンもヒールも肉厚なパディングがあり、EPラストにしてはややタイトな設計。
とここまでは試着レビューでも確認済みの内容。
オンコートで履いて気付いたのは二点。
一点目は前述の「アーチの低さ」。
二点目は「上二段のシューレースホール」。
ホールがけっこう後方寄りの配置で、足首の形状が合わなかったり、サイズ緩めに履く方は当たりが気になる可能性があります。
パッと見でタンは分厚く見えますが、シューレースの結び目はその厚い部分にちょうど届かない低い位置に来ます。
この結び目と当たるタンは薄く、普段当たりが気になる方は要注意・要確認です。
それ以外の部分、ヒールカウンターやフォアのフィットは良好。
EPラストながらEPラストらしさが少なく、グローバルラストが合う足には有り難い仕様です。
※※※サイズ選びに関して※※※
今作はEPラストですが、グローバルラストのマイサイズである「27.5cm」を着用。
試着段階の予想通りのサイズ感でした。
基本グローバルと同サイズで、甲高や幅広の方はハーフサイズ(0.5cm)アップを検討が良いでしょう。
※「スーパーフィートのグリーン」に交換時もサイズ感は変わりません。
※インソール交換はスコアに含めていません。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
要注意なのはやはり「シューレースの当たり」。
続いてシャンク不在でマイルドな捻れ剛性ですが、こちらは基本許容範囲だと思います。
ソール自体に安定性があり、クッションも薄いため、必要十分なサポート性は備わっている感覚です。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
左右方向ではどうしてもフォアズームに乗らないといけないため、遅れは発生しがち。
今までに履いてきたズームストロベル搭載モデルの中では動きやすい方ですが。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
前後方向では足指に乗るステップでいくらか普段の動きに近付けることが出来ます。
ただ平面で加速を得ても、ジャンプに繋げるのが難しい仕様。
ここもプレースタイルによっては気にするべきポイントだと思います。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンはX型のレザーバンドに覆われ、やや通気面積が狭くなっています。
ですがエンジニアードメッシュに通気性があり、トータルの通気量は多めです。
※ちなみにX型のバンドはアッパーではなくタン表面に縫い付けられているだけなので、フィット面の効果は特に感じませんでした。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
気になるのは捻れ剛性が長期使用でどうなるか、ですね。
それ以外は気になるポイントはなく長く履ける可能性の高いモデルかと。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
385g(27.5cm・片足)
Final Conclusion
今作は「カイリーシリーズ・ラストシグ」。
図らずも記念モデルとなってしまいました。
と言うのもこのレビューを書き始めた直後、カイリー本人とナイキの契約に関する事態が急展開。
長くなるので詳述はしませんが、諸々ありナイキはカイリーとの契約を解除。
次作のカイリー8も発売直前で回収されてしまい、まさかまさか今作が最後の一足となりました。
契約解除の場合、今後ナイキからカイリーの復刻が出る可能性は低いと思われるので、お気に入りのカイリーモデルは今のうちに確保しておくのが良いでしょう。
自分の場合はカイリー5がその対象です。
⇒NIKE KYRIE 5 SBSP PERFORMANCE REVIEW
肝心の機能面に関して言えば「オーソドックス」。
エントリーモデルとトップモデルのちょうど中間で幅広い層に受け入れられそうなパフォーマンス。
ローアーチの方はそのまま履けそうですし、足のアーチが合わない場合もスーパーフィートのグリーンで調節可能。
及第点の機能は期待できるので、気になっている方は是非お試しを。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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TRACTION - 8/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 10/10