Nike PG 6 (PG6) EP Performance Review
- テストカラー:Hot Wheels(DH8445-400)
- 主な機能:React Midsole,Forefoot Inner Bootie,TPU Shank Plate,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Paul George,Marcus Morris Sr,,Jordan Clarkson,Reggie Jackson,Nikola Vucevic,Jarred Vanderbilt,Justise Winslow,Kevin Huerter,Al Horford,Jake LaRavia,Corey Kispert,Garrison Mathews,Davis Bertans,Yuta Watanabe,Amir Coffey,Desmond Bane,Terrence Ross,Theo Maledon,Donte DiVincenzo,Chris Duarte,Jalen Smith,Brandon Boston Jr,Gorgui Dieng,Alperen Sengun,Royce O'Neale,Robert Covington,Juancho Hernangomez,Franz Wagner,Trey Murphy III,Grant Williams,Patrick Beverley
- 価格:¥14,300・$120
Introduction
今回はPaul George(ポール・ジョージ)の6thシグネチャー"Nike PG 6(ナイキ ピージー6) EP"のパフォーマンスレビューです。
レビューリクエストが非常に多く、個人的にも好きな選手のシグで脱エアストロベルという事から、長らく履く機会を伺っていた今作。
履くからにはカラーにこだわりたいと思いつつ、ミントなど好みのカラーは取り逃がし続け、先日ようやく"Hot Wheels"のマイサイズをゲット。
デザインとカラーは秀逸として、その機能の方はどうなるか。細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 10 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
大部分が細かな「ブレード」で構成された「サークル」が並ぶアウトソール。
母指球とカカトには「ピボットサークル」、小指側のエッジには「PGロゴ」を配置。
今作はEPラストなので、ラバー素材は耐摩耗性の高い「XDR」。
XDRの粘性(変形のしやすさ)、粘着性ともに通常レベル。
スキール音はやや大きめに鳴るタイプのラバーです。
パターンは適度に深く、ホコリ吸着もし難いため、ダスティーなコートでもソールを拭く必要はほぼありません。
ソール面積も大きく、常に信頼の置けるトラクションです。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「リアクト・ミッドソール」単体で構成されたクッションセットアップ。
PGシリーズの過去二作で使われた「フルレングス・エアストロベル」から大きく路線変更。
リアクトの上には通常のストロベルボードが敷かれています。
リアクトはソフトで復元スピードもゆっくりな感触ですが、アウトソールでケージされている部分が多く、予想よりもしっかりした乗り心地。
※オレンジ部分がリアクトで、白い部分がアウトソールになります。
※蛍光オレンジのPGロゴは白い部分より硬質で、捻れ剛性の補強・リアクトのケージ強化の効果を感じます。
フォアフットの屈曲剛性、屈曲からの復元スピードも予想より強め。
外枠部分の剛性と比較すると、足下のリアクトのソフトさはどうしても際立ちますが、沈み方が一様であることが奏功して扱いやすく仕上がっています。
ポンポンとクイックなステップをイメージすると違うかもしれませんが、コントロールスピードで動く限りは快適なクッションです。
※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」はアーチ過剰となるため相性微妙。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」は吸収過剰となるためこちらもNG。
※元インソールのまま履く、もしくは薄めでプレートやカップが付いていないタイプの市販インソールに交換が良いでしょう。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
クッションの厚さはそれなりにあるものの、ここでも沈み方が一様である事から接地感は比較的高め。
ソールの接地面積が大きく、捻れ剛性が強い事もプラス要因です。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「フォアフット・ブーティー」をメッシュの「アッパー」が包むオーソドックスなセットアップ。
履き口は広く足入れはスムーズ。加えてヒールのオレンジ部分は踏み潰しても大丈夫な「フライイーズ」仕様。
耐久性などを考えるとオススメはしませんが、スリッパ的に履く事も可能です。
ヒールのパディングは適量、タンはやや厚めで、カカトの収まりは良好。
シューレースホールの摩擦は強めで、一度締めるとロックダウンがしっかり維持されます。
シューレース部分は維持されますが、プレーを続けていくと体温と連続負荷からリアクトが沈み、途中から内部に空間を感じるようになります。
ちなみにレビュー執筆現在は12月で季節は冬。
暖かい季節ならば足入れ段階とプレー中のリアクトの感覚差は少なくなると思われます。
ともあれ気になるのはその一点のみ。
アッパー単体で見ると隙の無い仕上がりかと。
※※※サイズ選びに関して※※※
普段のグローバルラストのマイサイズからハーフサイズ(0.5cm)ダウンの"27.0cm"を購入。
足入れ段階ではほぼジャストの感覚。
少しプレーすると前述のリアクトの変化から内部に空間が生まれます。
もしかしたらフルサイズ(1.0cm)ダウンでも良かったかもしれません。
フルダウンは長さがキツくなる可能性もあるので、基本ハーフダウンで考えて良いと思います。
SUPPORT - 9 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
シューズには安定性があり、捻れ剛性も強力。
アキレス部分はフライイーズのためソフトな素材で、プラシーボ的に気になる方はいるかもしれません。
ヒールカウンターはやや小さめのパーツながら入っていて、カカトの安定性は十分に感じます。
またアーチサポートがデフォルトでけっこうしっかりしているので、偏平足・ローアーチの方は要確認です。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
足下のクッションの沈みはありますが、アッパーからアウトソールに掛けて外枠部分の捻れ剛性は強い。
クッションでの評価同様、コントロールスピードで左右方向の重心移動はかなりスムーズ。
トップスピードでは少し気になるレベルです。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
前後方向も左右とほぼ同じ感覚です。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンがメインの通気口で、それ以外の部分はあまり通気しません。
ライニング素材には十分な吸湿速乾性があり、平均レベルの通気性は確保されているかと。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
主な懸念点はリアクトの耐久性。
その約半分がケージされ、アウトソールも大きく変形しない構造のため、感触はある程度持続すると思われます。
ただこれは冬に履いた感想で、このタイプのフォームは気温の高い季節では変わってくる可能性があるので長期見る必要があると思います。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
385g(片足・27.0cm)
Final Conclusion
今作をまとめますと「体感以上のスコア」。
スコアに圧倒的な差がありますが、前々作PG4と同様のまとめとなりました。
PGシリーズのアッパーは癖が少なく軽量な事が多いため、スコアがインフレしやすい傾向にあります。
アッパーや軽量性は一般的に必要な評価項目だと思うので勘定に入れてますが、個人的にはアウトソールとミッドソールで9割方のパフォーマンスは決まると思っています。
そのため体感は「80点」くらい。試合や強度の高い練習より、個人ワークアウトや強度低めの練習で履きたいグループに入ります。
とは言えPGシリーズでは久々の良作。自分の様にエアストロベルが苦手でPG4・PG5が履けなかったポール・ジョージファンの方には強くオススメできます。
カラーをこだわらなければ比較的購入しやすいと思いますので気になる方は是非お試しを。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
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TRACTION - 10/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 9/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 10/10