Air Jordan XXXIII(33) Performance Review

11月 9, 2020
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  • テストカラー:Future Of Flight(AQ8830-100)
  • 主な機能:FastFit System, Half-length Inner Bootie, Forefoot Unlocked Zoom Air Unit, Heel Zoom Air Unit, Phylon Midsole, Carbon Fiber Flight Speed, TPU Internal Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:LaMarcus Aldridge, Jimmy Butler, Mike Conley Jr., Frank Kaminsky, Greg Monroe, Andre Drummond
  • 価格:¥21,600(国内)・$185(海外)

Introduction

今回はエアジョーダンの33rdモデル"Air Jordan XXXIII(33)"のパフォーマンス・レビューです。

こちらは国内で発売された幅広の「PF(Performance Fit)」ではなく、通常幅の「グローバルラスト」になります。

"Air Jordan XXXI(31)"から始まった「30世代前のAJをモチーフにするシリーズ」は今作でも健在。

タンやヒールタブの形状・ロゴが"Air Jordan 3"を模したデザインになっています。

模したのはデザインのみで、機能面では完全に別物。

特にアッパーに関しては、今までに見た事のない仕様になっています。

海外から届くのを待っている間、先に国内で買われた方々から「クッションが硬い」との声が多く、個人的にはより楽しみに。

早速その細部を見ていきたいと思います。

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TRACTION - 10 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

小さな「ナブ(突起)」で構成されたアウトソール。

トランスルーセント・ラバーの粘性はそこまで高くなく、やや硬めの質感。

ですがナブには高さがあり、これが適度に沈んで強力にコートをグリップ。

止まりたいところで止まれます。

スキールオンは大きく、正直「かなりうるさい」レベル。

ナブに高さがあるお陰でホコリの逃げ場ができ、ほとんど拭く必要がありません。

トラクションとしてはパーフェクトですが、摩耗の心配があります。

ローテーションで履く分には問題ないと思いますが、部活など毎日の使用にはそこまで向いていないかと。

CUSHIONING - 9 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

 

今作は「フライトスピード」「ヒール・ズームエア」「フォアフット・アンロック・ズームエア」のセットアップ。

前作と似た履き心地ですが、フォアのズームエアの容量がかなり増して、フォア全体をカバーするほど。

全体的にも前作より厚底で、特にフォアの吸収性はなかなか高め。

ヒールは前作に比べるとズームの感触は薄いですが、十分な吸収性はあります。

唯一懸念されるのは「アーチサポート」

内蔵している新フィットシステムを保護するためパーツを拡張しているのか、最初の数回の着用では「土踏まずがかなり痛む」仕様。

インソールやミッドソールの圧縮完了後は痛みは消え去りましたが、人によってはインソール交換が必須になるかと。

 

ソール全体の剛性は強力で、フォアの大容量ズームと相まって「反発性は高め」

個人的にはフォアの沈みがもっと少ない方が好みですが、一般的にはこのくらいが一番人気があるかもです。

ただ今回惜しいのは「サイズが合っていない事」。。。

幅は良いですが長さが余って屈曲ポイントが合わない。。。

それでも動きやすい部類に入るので、それだけ良いクッションの証明かと思います。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

ソール形状はほぼフラットで、剛性も十分。

アッパーも縦は長いですが、幅はグローバルラストらしくソール幅から溢れない設計。

厚底ながら動きの中でも接地感は悪くありません。

アーチ部分の痛みさえ出なければ快適にプレーできるでしょう。

FIT/LOCKDOWN - 8 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

アッパーはシューレースを完全に排した"FastFit System(ファストフィット・システム)"を採用。

イントロで「見た事ない」と表現しましたが、過去に似たシステムは存在しました。

"adidas T-Mac 4""Hug System(ハグ・システム)"です。

※image via http://sneakersection.com/core/anyboard/content.html?Mode=view&boardID=www2&num=133

これはシューレースの代わりにワイヤーでフィットさせようする試みでしたが、ワイヤーの張りが強すぎて、ヒール内の調節ネジが手の力では十分に締められず…。

これは完全に失敗で、McGrady本人もシーズン途中からチームモデルの"Team Mac 1"に履き替えてしまう始末。

2004年と言う時代を考えると仕方が無かったのかもしれませんが。。。


話は2019年に戻しまして、今作のシステムはタン中央の「プルタブ」を引っ張るだけで、釣り糸の様なワイヤーがアッパーを締めてくれる構造です。

締めるときに鳴る「カチカチカチカチ…」という音はなかなか耳障りが良いです。

日によって6回の事もありましたが基本「5回」鳴ったらジャストフィットでした。


緩めるときは黒と黄色の「エジェクション・タブ」を引っぱるだけ。

このシステムで改善が必要なのがココ。

元のアッパー成型がタイトなため「緩まったかどうかワイヤーを触ってみるまで分からない」。。。

ただ引っ張れば必ず緩まっているので、触らずに脱げば良いだけなのですが…。

もっとシュルンッとスムーズに緩むイメージだったので期待外れ感は否めませんでした。


このワイヤーで締めるのは足甲部分だけで、ヒールのロックダウンは内側に付いた「ベルト・ストラップ」の仕事。

がっちりと強力にロックしてくれますが、配置が低めで履き心地は「ローカット」に近いです。


アッパーのメッシュは薄いですが変な伸縮性もなく、成型も良好。

ヒール周りのパディング・成型も同様で、快適にプレー出来るアッパーです。

ちなみに足入れは"Jordan Why Not Zer0.1"と同じくコツさえ掴めば簡単です。

足を半分突っ込み、カカトをヒールカウンター上部に置いて、ゆっくり体重を掛けていけばスポンッと履けます。


※サイズ選びについて※

グローバルラストの27.5cmを海外から取り寄せましたが、とにかく「長い」

幅や高さはちょうど良いので、「ハーフサイズダウン」を基本に考えて良いでしょう。

国内発売のPFはマイサイズを手に取れる環境にないので、もし比較された方がいたら教えてくださいm(__)m

SUPPORT - 8 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

フィットがローカットに感じる事と、アーチサポートの厳しさだけが気になりました。

基本のサポート性は高く、安心してプレーできるかと。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

左右方向では若干クッションの厚さを持て余す感覚があります。

今作のトラクションは急ストップ系で、この厚さとは相性が少し悪いですね。

気持ち制動距離を設けた方がよりスムーズに動けたかと。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

フォアズームの加速感は素晴らしく、前後方向はスムーズ且つアグレッシブ。

フォアのソールが張り出した部分も重心移動への影響は限定的。

どんどん重心をプッシュしてくれる仕様です。

サイズが大きめでも好感触でした。

BREATHABILITY - 9 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

メッシュは薄く、エアジョーダンとしては珍しく通気性はかなり高め。

フィットがほぼローカットな事もプラス要因。

ライニングの生地の速乾性も良いです。

DURABILITY - 7 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

気になるのはソールの減りが速い事くらい。

冬でコレなので、気温の高い季節はちょっと心配です。

シューズ全体には過度に変形しない剛性があります。

"FastFit System"の耐久性は未知数ですが、雑に扱わない方が良いのは確か。

特に「エジェクション・タブ」は意外に短く、強く引くと切れてしまう可能性がありそうなのでお気を付けて。

まあ最悪ヒールのストラップだけでプレーしようと思えば出来る訳ですが。

WEIGHT - 7 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約488g(27.5cm・片足)

アッパーが薄い割に、前作"Air Jordan XXXII(32)"のPFより微増。

"FastFit System"を収めるためなのか、元々その予定だったのかは不明ですが、ツーリングはかなり厚め。

収めるためだとしたらそこまでしなくても…と言うのが個人的感想。

シューレースのフィットは好きなので。

Final Conclusion

大きな仕様変更で注目された今作。

サイズが大きめだったのは想定外でしたが、個人的にはなかなか楽しめました。

"FastFit System"はしっかり機能してくれ、他のモデルへの採用が合っても良いかも。

ただし「よりフォアまでフィット調節出来る事」「ソールの厚みを抑える事」が条件ですが。

特にシステム基部をコンパクト化できるかどうかがキーポイントになるかと。


…などとレビューを書いているうちに世間では"Nike Adapt BB"の発売が発表。

正直次作のエアジョーダンではアダプトが採用される可能性が高いと予想します。

そうなると"FastFit System"はひっそりと忘れられていく存在になるかも。。。

コストが抑えれてチームモデルなどに使われる可能性はあると思いますが。

その結果として今作はある意味希少なモデルになるかも。。。

とりあえずサイズダウンしてもう一足購入して、その感想はTwitterの方でも報告したいと思います。


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  • TRACTION - 10/10
  • CUSHIONING - 9/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 8/10
  • SUPPORT - 8/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 9/10
  • DURABILITY - 7/10
  • WEIGHT - 7/10
TOTAL SCORE
B+ 83 / 100

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