Anta Rajon Rondo RR5 Performance Review
- テストカラー:Home(11741301-8)
- 主な機能:Auto-Arch Stable Tech, Anta A-web Upper, Half-length Inner Bootie, A-shock Stablizer Tech Midsole, ANTA EVE Cushioning System, TPU Meta Wings, TPU Internal Heel Counter, TPU External Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Rajon Rondo
- 価格:¥-(国内)・$85(海外)
Introduction
今回はラジョン・ロンドの5thシグネチャー"Anta Rajon Rondo RR5"のパフォーマンス・レビューです。
昨年ようやく中国ブランドデビューを飾ったものの、今のところ履いたのはKTシリーズばかり。
KTシリーズ以外も試してみたいなぁと思いつつ、色々見た中でデザイン的にグッと来たのが今作。
アッパーにはニット素材が使われていて「"KT 3"でレビューできなかった部分をカバーできるかも?」と思ったのも相まって購入となりました。
試着段階ではかなりの好感触。期待して良さそうです。
早速その細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 7 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全面「ヘリンボーン・パターン」のアウトソール。
ソリッドラバーはかなりソフトで、粘性も高め。
軽いステップでは特に問題無し。
いざ全力でカットインやクロスオーバーを試すとなかなかの違和感が。。。
この違和感には覚えがあり、"Kobe A.D."(ローカットの方)でも経験した「アウトリガーの変形」。
アウトリガー自体も、付近のミッドソールも触ってみると両方かなりソフトで、これなら変形するのも仕方ないかな、と。
またラバー粘性は高いにも関わらず、ソフト且つパターンが深いため、しっかりコートを噛んでくれません。
ヨレると言うか流れると言うか…ピタリと止まれません。
体重が軽いプレイヤーでしたら影響は減るかもしれませんが、私の体重(75kg)では正直イマイチ。。。
幸いアウトリガーの変形は"Kobe A.D."ほど酷くはなく、パターンのヨレも危険な滑り方には繋がりません。
ホコリの影響をあまり感じないのもプラス要素。
いろいろトータルしてギリギリ平均レベルくらいのTractionです。
体重があったり、強いステップを踏むプレイヤーだと平均以下に感じられるかもしれません。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
クッションについて明確な機能説明は見つかりませんでしたが、インソールを除いてフォームを触った感じでは「ヒールがソフトで、フォアがハード」。
"KT 2"や"KT 3"と同じ"ANTA EVE Cushioning"かと思われます。
このクッションは「キャリアー」「フォアフット」「ヒール」にそれぞれ3種の密度の異なるEVAを使用したシステムの事。
実際にプレーしてみると感覚は一転、「ヒールがハードで、フォアがソフト」。
ヒールはウィング状のTPUパーツで挟まれている事によりハードに。
フォアはアウトソールのグリッドや深いパターンのおかげでソフトになっています。
クッションは薄めのセットアップながら、フォアの吸収性はなかなか。
ヒールはちょっと薄い、硬いと感じるかと。
反発性に関しては正直物足りないですね。
マテリアルが全体的にソフト過ぎます。
フォアのグリッドもトランポリン機能を発揮してくれません。
フォアが反った形状なのも個人的にはマイナスポイント。
ベテランのロンドモデルなのでコンフォート寄りなのは仕方ないのかな、と思いますが。。。
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
"ANTA A-web Upper"と呼ばれるアッパーらしいですが詳細は不明。
実物を見たまま説明しますと、まずアッパーのヒール側は「フューズ素材」、フォアは「フライニット」の構成。
シューレースは「細い丸紐」で、前3列は「フライトウェブ」状のループに通されています。
シューズ内部はタンから繋がる「フォアフット・インナーブーツ」仕様。
ヒールの両サイドには"Curry 3"の「メタウィング」の様なTPUパーツを設置。
通常のホールカットなので足入れはとても簡単。
むしろ少し前後に広いつくりで、シューレースをキツめに締めないと十分なロックダウンは得られません。
これだけ細いシューレースをキツく締めるとなると、気になるのは足へのストレス。
ですが今作はタンの両サイドに設置された「クッションパッド」のおかげで特に問題にならず。
ただ、ヒールカウンターの成型は微妙に緩め。
抜け感は無いもののもう少しタイトの方が良かったかなと。
「フライニット」は"KT 2"とは異なり、ニット素材の安っぽさは改善されています。
裏地にもしっかりとメッシュが貼られ、変に伸びる感覚もありません。
ただフォアは若干ゆとりある成型で、アウトリガーの変形と合わさり、ちょいちょい小指側が溢れます。
トータルしてマテリアルは良く、心地良くフィットしてくれますが、ロックダウンがもう少しと言ったところです。
※サイズ選びについて※
ヒールの幅やフォアの成型など若干のゆとりはあるものの、基本通常サイズ(ナイキのグローバルラストと同じ)で良いと思います。
ちなみにシューレースは「外から内」に通すいわゆる「オーバーラップ」。
ナイキなどのバッシュは基本「アンダーラップ」なので珍しいですね。
中国ブランドはオーバーラップが多い気がします。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
アウトソールのパターンのヨレやアウトリガーの変形、ソフトなミッドソール、細い丸紐の負荷など、耐久性に関しては不安材料が多め。
少なくともシューレースを勢いよく引っ張ったりはしない方が良いでしょう。
フライニットの素材感は良く、この部分の仕上がりは"KT 2"からかなり改善されています。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
今作を端的に表すなら「合わない」。。。
コンフォート寄りのクッション、フォアの反ったソール形状、反応を遅らせるソールラバーのヨレ、アウトリガーの変形など、個人的に苦手なワードのオンパレード。
そのため少し厳しめのスコアになってしまったかもしれませんが、これが正直な感想です。
練習用のローテーションとしてもちょっと役不足。。。
デザインはかなり好みなだけに残念と言うか悔しいと言うか。。。
でもまあ、やはり新しいブランドのバッシュはテイストが異なり、履くのは楽しいので、これに懲りず中国ブランドのバッシュはトライして行くつもりです。
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TRACTION - 7/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 7/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 8/10