Nike Kobe VIII(8) System Performance Review
- テストカラー:Blck/Strt Gry-Vvd Slfr-Elctrc(555035-001)
- 主な機能:Engineered Mesh, Hyperfuse Technology, TPU External Heel Counter, Full-length Lunarlon Drop-in Midsole, Phylon Midsole, Carbon Fiber Shank Plate
- 着用した主なプレイヤー:Kobe Bryantm, Nick Young, JR Smith, Terrence Ross, Mo Williams, Steve Nash, Xavier Henry
- 価格:¥17850(国内)・$140(海外)
Introduction
今回はKobe Bryant(コービー・ブライアント)の8thシグネチャー"Nike Kobe VIII(8) System"のパフォーマンス・レビューです。
このモデルを着用していた2012-13-シーズンのコービーは、突然全盛期の身体能力を取り戻したかの様な復活を遂げました。
となると気になるのがその足元を支えるバッシュ。
今までの経験上、NBA選手が好調なシーズンに着用モデルは高確率で高パフォーマンスなので今回のKobe 8はかなり期待して購入しました。
※もちろんシーズン前に受けた膝の手術が成功した事も、好調の大きな要因だとは思いますが。
シューズの作りとしては、前作“Zoom Kobe VII(7)”に比べて構成パーツが一気に少なくなり、手に取ってみるとバッシュとは思えないほど軽い。
この軽さの中にどのようなパフォーマンスを秘めているのか、機能の細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 10 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
CUSHIONING - 9 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ルナロン・ドロップインミッドソール」単体で構成されたクッションセットアップ。
ドロップインミッドソールは「インサート」とも呼ばれるインソールとミッドソールが一体になったもの。
取り外しが可能で、同じセットアップの他モデルに転用もできます。
前作Kobe VIIもドロップイン方式でしたが、その素材はルナロンではなく「ファイロン」が使われ、上面には布地が貼られ、底面にはズームエアが埋め込まれていました。
今作はそのいずれも存在せずルナロンのみ。
このルナロンは成型が良く、足のアーチにピッタリとフィット。
足当たりはソフトで衝撃吸収性がありつつも、薄めなこともあってか沈み方はナチュラル。
プレーする前段階で手に取った時はフォアフットのソール剛性は低く感じ、反発性は微妙かも…と心配していましたがプレーしてみるとかなり快適。
カーボンファイバー製のシャンクプレートが捻れを抑えつつ、足のアーチを維持してくれるため、常に強い力でソールを踏める構造になっています。
もちろんフォアの屈曲剛性があればなお良かったため、マイナス1ポイントしましたが、かなりパーフェクトに近い感覚です。
いつもの「スーパーフィートのグリーン」に変更することは「不可能」です。
今作に限らず"Lebron XI(11)"や"Hyperchase"などドロップイン形式のモデルには合いません。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 10 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 10 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「エンジニアード・メッシュ」のみで構成されたアッパー。
ヒール周りとタンには若干パディングが入っていますが、構成パーツの量が非常に少ない仕様です。
メッシュに伸縮性はありませんが、シューレースを締めるとピタリと足にフィット。
足当たりもナチュラルでストレスや痛みを感じるポイントはありません。
ヒール周りの成型も良く、抜ける感覚は全くありません。
足とシューズの一体感があり、プレー中に履いているのを忘れるほど素晴らしいフィット感です。
※※※サイズ選びに関して※※※
今作にEPラストは存在せずグローバルラストのみ。
マイサイズ"27.5cm"を購入しましたが少し小さい。
普段のソックス2枚から1枚減らしてギリギリです。
なので普段のサイズからハーフ(0.5cm)サイズアップを基本に、足幅が広い方はフルサイズ(1.0cm)を検討しても良いでしょう。
SUPPORT - 9 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 9 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 10 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 3 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
このモデルの「唯一にして最大の弱点」です。
めちゃくちゃ動きやすいだけに、高負荷が薄いアウトソールに高頻度で掛かります。
結果としてルナロンは10数回使った頃に一気にヘタリが来ました。
その後は強度の高い練習では履かなくなりましたが、それでも30回くらい使った頃にフォアのアウトソールに亀裂が入り寿命となりました。
自分の場合気になったのはソールとクッションのみで、アッパーのエンジニアード・メッシュには不安を感じませんでした。
周りではソールより先にアッパーにダメージが来ている方が多数いたので、この辺りは足型やステップの仕方が関係していると思われます。
いずれにしても耐久性を犠牲に軽さと通気性を確保している仕様な事には変わりは無いかと。
WEIGHT - 10 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
とにかく軽く、とにかく動きやすい。
同じドロップイン方式の後継機たち"Kobe IX(9)","Kobe XI(11)"などと比べても今作の完成度の高さは際立っています。
軽いバッシュがあまり得意でない自分でもかなり快適にプレー出来ました。
機能面で差を付けた要因は「シャンクプレート」の存在と、薄く沈み幅の少ない「クッション」かと。
身体能力を発揮するベースの足のアーチを維持してくれ、コートを押す際に時間的なブレが少ない。
耐久性だけは残念ですが、瞬間的なパフォーマンスなら(ナイキの)コービーシリーズの中ではベストに感じます。
このモデルを着用したシーズンのコービー本人が好成績だったのも頷ける仕様。
2021年現在ではナイキとコービー(の遺族)との契約関係は解消され、今作の"Protro(プロトロ)"は幻になってしまいました。
もし耐久性やフォア剛性を高めたプロトロならモンスタークラスのパフォーマンスが見込まれただけに残念です。。
まあ彼の名やゴロを使わない仕様で、今作のアップグレードモデルが出る可能性はまだあるので、あまり期待せずに待ちたいと思います。
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TRACTION - 10/10
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CUSHIONING - 9/10
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COURT FEEL - 10/10
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FIT/LOCKDOWN - 10/10
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SUPPORT - 9/10
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LATERAL TRANSITION - 9/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 10/10
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DURABILITY - 3/10
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WEIGHT - 10/10