Jordan Zoom ’92 Performance Review
- テストカラー:Sail(CK9183-100)
- 主な機能:Forefoot Zoom Air Pods, Phylon Midsole, TPU Shank Plate, TPU External Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:-
- 価格:¥16,500(国内)・$150(海外)
Introduction
今回はジョーダンブランドの"Jordan Zoom '92(ジョーダンズーム92)"のパフォーマンス・レビューです。
エアジョーダン7をモチーフに、機能面を近代的にアップグレードしたモデルになります。
個人的にデザイン面で一番好きなのがエアジョーダン7なので、今作は発売前から目を付けていて即ゲット。
…が実際に履いてみるとオンコートではなかなかに扱いにくく、レビューも書かかれないまま長らく我が家で眠っていました。
それが改めてレビューするきっかけになったのは「スジオカボード」。
このアイテムの汎用性の高さには驚かされるばかり。。
レビュースコアにボードでの変化は反映されないため、シューズ自体の評価は低めになります。
今作に関してはそこからの変化を主に見ていくかたちで、細部をレビューしていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全面が「ヘリンボーン・パターン」のアウトソール。
ラバーはセイル(船の帆)カラーの「ソリッド」と、インフラレッドの「トランスルーセント」の組み合わせ。
ソリッドは通常の硬度で、トランスルーセントはやや硬め。
粘着性はどちらも高めです。
パターンも細かく、ホコリの吸着はやや多め。
幸い滑り方は小さめで、ホコリの多いコートでも一度拭けば数ポゼッションはパフォーマンスが維持されます。
またスキール音はほぼ鳴らず、静かにグリップするタイプです。
クッションがソフトめなので体重が乗り切らず、少し制動距離が出るシチュエーションはあります。
ですががラバー自体が優秀なのでトータルのトラクションも優秀なレベルでまとまっています。
※スジオカボードを入れた場合、制動距離は改善されてスコアは上昇、満点の感覚となります。
CUSHIONING - 5 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
クッションは「EVAミッドソール」にフォアの「ズームエアポッド」を合わせたセットアップ。
※ミッドソールに関してメーカー説明がなかったため、便宜上EVAとしています。
ズームポッドは左右に1個ずつ配置されており、ズームBBネクストと似ています。
異なるのはエアがケージされてるか否か。
今作ではエアが露出していて、BBネクストに比べてやや存在感ある乗り心地です。
⇒NIKE ZOOM BB NXT PERFORMANCE REVIEW
ミッドソールのEVAは弾力性はあるもののかなりソフトで沈み幅が大きめ。
このEVAとズームポッドのバランスは良く、フォアは比較的しっかりした乗り心地。
フォアの屈曲剛性も強めで、フォア単体で見れば優秀なクッションです。
さて問題はヒール側。
こちらはEVA単体のクッションで足入れした段階では微妙に後傾かな…くらいの乗り心地。
いざ動いて見るとまあ沈む沈む…。
けっこうな沈み幅で、一気に強めの後傾クッションに変化。
足をシューズ内でヒール側でなく、フォア側に詰める履き方に変えてみても解消されず。
足のアーチを維持するのが難しく、対人バスケを短時間プレーしただけでアキレスが痛みました。
正直純正インソールではプレーするのが厳しいスペックです。
ここで登場するのが「スジオカボード」。
ヒールの沈みはかなり抑えられ、クッションバランスもやや後傾程度まで改善。
若干フォアの高さが狭くなるデメリットはありますが、全力でプレーしても靴擦れは起きず、アキレスの痛みはもちろん違和感もありませんでした。
もし今作を試されるならボード必須かと思います。
ボード交換後にスコアを付けるとしたら、9/10まで急上昇します。
※「スーパーフィートのグリーン」はヒールのスタビライザーがヒールのみを押し込んでしまい、後傾は変わらずNG。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクトインソール」は僅かに沈みを改善しますが、本当に僅か。フォアの高さがキツくなる方が気になってしまいこちらもNGでした。
※インソール・ボード交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 5 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「独立タン」を「アッパー」が包むクラシックなセットアップ。
アッパーはシンセティックレザーを多めに使用し、マテリアル的にもレトロ感アリ。
タンはストロベルボードと2本のラバーバンドで繋がっています。
履き口は大きめに開き、足入れは簡単。
その段階ではほぼジャストの感覚。
いざプレーしてみると、フォアがややキツイ。
ヒールが大きく沈む分、自分の足のフォアが押し上げられアッパーに当たります。
幸い靴擦れを起こすレベルではありませんが、やや不快。
ヒールカウンターやパディング、アッパーのフィットやロックダウンは良いだけに、ヒールの沈みが台無しにしている感覚です。
「スジオカボード」を入れると、沈みは抑えられるものの解消される訳ではないので、ややフォアの窮屈さは残ります。
スコアにすると8/10ほどです。
※※※サイズ選びに関して※※※
グローバルラストのマイサイズからハーフサイズ(0.5cm)ダウンの「27.0cm」を購入。
純正インソールの段階では普段のソックス2枚でジャスト。
「スジオカボード」に変更後は、ソックス2枚だとフォアが窮屈になるためソックス1枚でジャストに。
そのため、ボード変更前提で購入の場合はマイサイズのままが良いでしょう。
SUPPORT - 4 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
クッションとフィットに続き、こちらも評価は厳しめに。
普通にバスケしてアキレスが痛むバッシュは流石に。。。
個人的には沈み以外は気になりませんでしたが、人によっては小指側のズームポッドを不安定に感じるケースもあるそうです。
捻挫癖のある方はこちらも要チェックポイントかもしれません。
ボード変更後もややフォアに窮屈さは残るのでスコアは8/10な感覚です。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
左右方向のステップでは中足部から母指球に掛けての内側のラインを押すことで移動は可能。
この際ヒールの沈みをある程度避けることができるため、前後に比べたら動きやすいです。
HEEL-TOE TRANSITION - 6 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンがメインの通気口で、エッジ部分のメッシュからも若干通気します。
トータルしてスコアを変えるほどではなく、平均レベルの通気性かと。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
約428g(27.0cm・片足)
Final Conclusion
今作をまとめますと「ランニングシューズ」。
ズームヴェイパーフライなど厚底ランニングシューズのコンセプトで製作したと思われます。
確かにマラソンやスプリントなどの競技なら加速とスピード維持が基本なので、必要ない部分(ヒール)の密度を減らして軽量化するのは正しい選択です。
実際に今作はアッパーやフォアのボリュームの割にはかなり軽量に仕上がっています。
ですがバスケでは「減速」も「停止」も「方向転換」も頻繁に発生します。
その際にヒール接地は必要な事が多く、そういう意味で今作は競技特性に合っていないかと。
「スジオカボード」の効果を実感できる、という意味では有意義なモデルかもしれませんが、敢えてオススメはしません。
トライする際はあくまで自己責任で…m(__)m
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 5/10
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COURT FEEL - 7/10
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FIT/LOCKDOWN - 5/10
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SUPPORT - 4/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 6/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 9/10