Equalizer Sphere Performance Review
- テストカラー:In The Lab(20FB61004)
- 主な機能:Cloud Midsole,One Piece Upper,Midfoot Strap,TPU Shank Plate,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:-
- 価格:¥-・$-
Introduction
今回は"Equalizer Sphere(イコライザー・スフィア)"のパフォーマンスレビューです。
おそらく初見の方が多いと思われる今作なので諸々の説明から。
まずイコライザーは中国のスポーツ(ストリート)ブランドです。
そのイコライザーと"In The Lab(イン・ザ・ラボ)"がコラボ作製したモデルが今作スフィアになります。
イン・ザ・ラボの代表であるデビン・ウィリアムズはスキルトレーナーやYouTuberとして活躍。
彼のハンドリングやステップは個人的にも好みで、よく参考にさせてもらってます。
そんな彼が企画デザインしたシューズが気にならないはずもなく、かなり前にBrankさん経由で購入。
諸々ありレビューを書かずに放置していましたが、自身の中の中国ブランドブームが来たのでこの勢いで書こうと筆を執っています。
さてどうなりますか、細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全面がモデル名からインスパイアされたと思われる「スフィア(球体)・パターン」のアウトソール。
ラバーの素材は全面が「ソリッド」。
ヒールはやや硬めでフォアはソフトな質感。
粘着性は全体に通常レベルです。
スキール音は鳴らず、ナチュラルなタイミングでグリップしてくれます。
ホコリの影響も少なめで、ダスティーなコートでもあまり拭く必要はありませんでした。
フォアメインで切り返しをするならパーフェクトなトラクションかと。
ヒールストライカーの方や中足部をメインで使う方の場合は「シャンクの低さ」が問題になるかもしれません。
アウトソールのラバーとシャンクに高低差がなくラバーもソフトなため、体重を掛けると車高の低い車の様にシャンクが先に擦れてしまう可能性があります。
シャンクは表面がツルツルなTPU素材なのでここを接地ポイントにしてしまうと結構滑ると思います。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「EVAミッドソール」のフォアに「イコライザー・セル」を埋め込んだクッションセットアップ。
EVAは密度の異なる二種のフォームを重ねて構成されているそう。
そのEVAは結構ソフトで復元もゆっくり。ナイキのクシュロン系の感触です。
イコライザーセルはソフトながら弾力性がかなり強めで、こちらはアディダスの「アディプリーン・プラス」と似た感触。
アディプリーンプラスは主にT-MACシリーズやプロモデルのオリジナルに使われていて、個人的に相性の良いフォーム素材。
イコライザーセルも例に漏れず、なかなか好感触。細かく見るとアディプリーンプラスより少しソフトで、より強めに押して初めて真価が発揮される気がします。
フォアとヒールのクッションバランスはほぼフラット。
フォア以外のクシュロン系EVAの素材自体は吸収寄りの感触ですが、アウトソールで大部分がケージされているおかげで体感では快適な硬度に。
フォアの屈曲剛性と中足部の捻れ剛性はややマイルドですが、必要十分は満たすレベル。
反発性・反応速度・吸収性のバランスが良いクッションに仕上がっています。
またインソールは「イコライザー・ブラックグラス」と刻印があり、ポリウレタン系のややラバー調の素材。
弾力性があり、アーチサポート性能もあり、リアクトインソールほどでは無いもののやや厚め。
これは他モデルにも転用できそうな優れた仕様で、今作もインソール交換しない状態がベストでした。
※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」に替えるとアーチサポート過剰になるためNG。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」は吸収性を足すかたちになるので、吸収性が欲しい方にはアリでしょう。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
クッションは適度な厚さで基本ダイレクトな接地感。
フォアはやや押し込み幅が大きいかなと思いますが、スコアにそこまで影響しないレベルです。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「フォアフット・インナーブーティー」を「アッパー」が包むオーソドックスなセットアップ。
各箇所の素材は、シューレース周りとヒールカウンター周り、タン上部は「シンセティックレザー」、それ以外の大部分は「テキスタイルメッシュ」で、タン下部のみ通常の「メッシュ」。
履き口は大きめに開き、足入れは簡単。
ヒールカウンターの成型は僅かに広めですが、タンとヒールのパディングは厚めでカカトの収まりは良好。
シューレースのロックダウンもしっかりしています。
シューレースはワイヤーに通すエアジョーダン34に似たスタイル。
異なるのはAJ34ではワイヤーは接着剤でガチガチに固められていましたが、今作は全ワイヤーが連動して動きます。
AJ34のゆるゆるなロックダウンを考えると今作の連動型の方が機能的には優れている模様。
アーチサポートも十分で、トータルでは優れたフィットと言って良いかと。
※※※サイズ選びに関して※※※
グローバルラストのマイサイズからフルサイズ(1.0cm)ダウンの「26.5cm(US8.5)」を購入。
普段のソックス2枚でまさかのほぼジャスト。
むしろ長さはまだ余裕があり、更にソックスを厚めに替えるなどでして調整が要りました。
中国メーカー(ANTAやLi-Ningなど)のバッシュを買う場合は基本USサイズを見て選ぶのが良いです。
ですが今作はそれ以前の問題で作りが大き過ぎ…これは初見殺しになるのでスコアダウンしました。
※ソックス調整はスコアに含めています。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
シャンクプレートの捻れ剛性は強力ですが、フォアフットとシャンクの中間部分の捻れ剛性がやや弱いところだけ気になりました。
それ以外はヒールカウンターの支えも十分で、捻挫の心配は無いでしょう。
また普段のソックス2枚で履いた場合は長さが余り、最初にその状態で履いたら巻き上がったアウトソールにつま先が当たって親指の爪が死にました。
ソックスの片方を厚めのものに変更で解消されたので、もし購入されたら全力プレーの前に要チェックです。
LATERAL TRANSITION - 9 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
前述のフォアとシャンクの中間部分の捻れが剛性の弱さが左右方向には若干影響して来ます。
トラクションやクッションの反応は優秀で、トータルでは前後より左右の方が動きやすい印象です。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
前後方向ではフォアのクッションを強く押さないと反応が返ってこないクッションの影響が強め。
転がる感覚で高速で進めますが、ブレーキを掛ける時にけっこう強く押さねばならずこの部分が少し慣れが要るためスコアダウンしました。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンがメインの通気口。
レザーのパネルで覆われている面積は多いながら、ライニング素材の速乾性が高いため平均レベルの通気量は確保されている印象です。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
クシュロン系のEVAのヘタリが早いかもしれない点。
またヒールタブが硬質なTPU、と言うよりプラスチックみたいな素材なので扱いが雑だと簡単に折れてしまうであろう事。
この二点だけが懸念点です。
前者は十数回履いた段階では大丈夫ですが、ヘタるのは経年とともに仕方のない部分。
ですが後者は扱い方によって避けられるので購入される方はご注意を。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
445g(26.5cm・片足)
Final Conclusion
今作をまとめますと「スリーパー」。
購入当時は自分の体調が悪かったのか、季節が真夏でEVAがソフトだったせいか、かなり履き心地が悪かった今作。
長らく我が家で寝かせてから履いたところ、全くの別物に感じました。
インソールでのプラスアルファが望めないので、試合用にはあと一歩ですが、強度高めの練習までなら履けそうです。
手に入れるのは難しいモデルなので参考になるか謎なレビューでしたが、今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 9/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 9/10