Adidas Crazylight Boost Low 2016 Performance Review

11月 8, 2017
7132
12
  • テストカラー:ASU(Arizona State University) No.13 James Harden (B39062)
  • 主な機能:Full-length Boost, Half-length Inner Bootie, PU Insole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter, TPU External Heel Counter, Continental Rubber
  • 着用した主なプレイヤー:Lonzo Ball, James Harden, Brandon Ingram, Kyle Lowry, Nick Young, ,Dante Exum, Jeremy Lin, Jose Calderon
  • 価格:¥18,349(国内)・$130(海外)

Introduction

今回は"Crazylight Boost Low 2016"のパフォーマンス・レビューです。

前作"Crazylight Boost Low 2015"ではハイカットの展開もありましたが、今年はローカットのみ。

2015-16シーズンは"D Rose 7""Crazy Explosive""Harden Vol.1"に今作とフルレングス・ブーストモデルが揃い踏み。

ハーデンはまだレビューしてませんが、クレイジー・エクスプローシブはなかなかのハイパフォーマンスでした。

ブーストはケージで覆われているほど良い履き心地なので、エクスプローシブを超えるのは難しいかな、と予想します。

さてどうなりますか…早速その細部を見ていきたいと思います。

⇒筆者のプロフィールはこちら

⇒各スコア項目についてはこちら

TRACTION - 10 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

少しウェーブした「ヘリンボーン・パターン」のアウトソール。

ラバーはタイヤ用ラバー独特の香りがするので"D Lillard 2.0"でも使われていた「コンチネンタル製」かと思われます。

その質感は硬めで、粘性は高め。

パターンの幅は適度に広く、ホコリには覆われ難い仕様。

接地面積も大きく、安定してグリップします。

 

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

イントロでも触れましたが今作のクッションは「フルレングス・ブースト」

"D Rose 7"のブーストは扱いやすくなったとは言え、まだまだソフトな感触でした。

今作は"Crazy Explosive"の様にブーストの密度がより高めに変更されていて、ミッチリと硬めの乗り心地です。

硬めでもそこはさすがのブーストで、吸収性は十分に満足できるパフォーマンス。

 

硬めになったブーストは、さらにフォア部分のラテラル・サイドがTPUケージで覆われる事により、エネルギーがよりスムーズに。

スムーズですがトータルの反発性はアグレッシブではなくマイルドなレベル。

と言うのも、硬めのアウトソールには微妙な厚さがあり、それがブーストと上手く連動していない感覚。

しっかりグリップはするんですけどね…。

フォアの屈曲剛性も普通の感覚です。

同じフルレングス・ブーストでも"Crazy Explosive"の方がクッションバランスは優秀かと。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

ソール形状はほぼフラットで安定性は十分。

中足部からヒールにかけてはガッチリしたシャンクが入っているので変形も起きません。

フォアはアウトソールの硬さと厚さ、またジャカード・アッパーの抑えが少し足りないため、切り返しではちょいちょい接地感が薄れます。

それでもブースト自体が硬めになっていて、フルレングス・ブーストとしては悪くない接地感は確保されているように感じます。

FIT/LOCKDOWN - 8 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

「ジャカード織」のアッパーに「ハーフレングス・インナーブーティー」を組み合わせたセットアップ。

ジャカードは"D Lillard 2.0"に使われていた生地に近い質感です。

その足当たりは優しく、ヒールカウンターの成型も良く、パディングも適量。

 

シューレースには言いたい事があり、最前列からつま先までの距離が長過ぎる。

フォアに空間ができ、その分足がシューズ内で動いてしまう感覚があります。

空間を埋めるには、ソックスを足すか、インソールを代えるかしないといけません。

ヒール周りのロックダウンはしっかりしているだけに惜しい仕様です。

 

※サイズ選びについて※

若干長めのつくりです。

通常サイズからハーフサイズダウンを検討しても良いでしょう。

SUPPORT - 8 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

ヒール周りの感覚はフィット・ロックダウン共に申し分なし。

ソールに安定性はありますが、フォアのフィットに調整幅がないため、内部で足が動き、それが時折アッパーのブレを生みます。

また、全体に長めの作りのせいか、プレーしていてつまづきそうになるシチュエーションが何度か。

やはり私の場合は「ハーフサイズダウンが必須」だと思われます。

サイズ選びさえ間違えなければ、サポート性は高くなるでしょう。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

左右方向ではソール全体を使ったステップではスムーズに動けます。

フォアでステップをする場合は、フォアの空間から生まれるブレが影響して来ます。

とは言え急な切り返し以外では基本スムーズなので、トータルでは悪くないトランジションかと。

HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

フォアの屈曲剛性が普通なので、重心移動はマイルドな感覚。

個人的にはソールの長さから、次のステップへの移動のタイミングに違和感が強く、慣れるにはかなり時間を要しそうです。

BREATHABILITY - 8 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

タン部分をメインに、ジャカード生地からも若干通気している感覚があります。

平均以上の通気性はあるバッシュかと。

DURABILITY - 7 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

やはり気になるのはフォアのジャカード生地への負荷ですね。

シューレースの調整幅が狭いので、サイズダウンしてもシューズ内で足が動く症状が続く可能性があります。

要試着のバッシュかと。

WEIGHT - 8 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約414g(27.5cm・片足)

ローカットのバッシュとしては重量はそこそこあります。

サイジングが28cm寄りなので仕方のないところでしょう。

 

 

Final Conclusion

"Crazy Explosive"には及ばないものの「フルレングスブースト搭載モデル」としては及第点はクリアしている感覚。

練習用のローテーションとしてはアリです。

"Crazy Explosive" はやはりブーストを覆うケージの面積が大きい分、パフォーマンスも良かったんだと思われます。

いつかは「ブースト完全密閉」のモデルを見てみたいものです。

アディダスとしてはブーストを見せて、テクノロジーをアピールしたいと思ってるでしょうけど。

あ、「ドロップイン・ミッドソール」「ダブルラスト構造」でもアリですね。

 

  • TRACTION - 10/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 8/10
  • SUPPORT - 8/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
  • BREATHABILITY - 8/10
  • DURABILITY - 7/10
  • WEIGHT - 8/10
TOTAL SCORE
B+ 81 / 100

PERFORMANCE RANKING

TAGS