Adidas Crazy Light Boost 2 Low Primeknit 2015 Performance Review

2月 6, 2016
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  • テストカラー:Bright Cyan/Black(S85577)
  • 主な機能:Heel 180 Boost, Forefoot AdiPRENE+, CMEVA Midsole, Stable Frame, Primeknit Upper, PU Insole, TPU External Heel Counter
  • 着用した主なプレイヤー:James Harden, Andrew Wiggins, Jeff Teague, Mike Conley Jr, Josh Smith
  • 価格:¥17,064(国内)・$130(海外)

Introduction

今回のレビューはクレイジーライト・ブーストの2作目。

クレイジーライト・シリーズとしては5作目に当たります。

この2作目はハイカットとローカットの展開がありますが、レビューするのはローカットの方。

アディダスに移籍したジェームズ・ハーデンや2015年新人王のアンドリュー・ウィギンズはローカットを着用していますし、アディダスもローカットの方を前面に売り出している印象です。

2015-16シーズンのオールスター頃に発売される“Crazy Light Boost 2.5”もローカットの様ですし、比較しやすくするためにローカットを選びました。

個人的にもローカットの方が好みですし。

肝心の機能はどうでしょうか?

前作“Crazy Light Boost”がかなりの低パフォーマンスでしたが、果たして…。

それでは機能の細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 8 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

DSC05822細かいヘリンボーン・パターンのアウトソール。

ラバーは柔らかく、粘性も高め。

難点はヘリンボーンの溝がかなり浅く、ほこりが吸着するとグリップ性が一気に低下。

頻繁に拭いてやる必要があります。

綺麗なコートであれば、素晴らしくグリップします。

CUSHIONING - 8 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

DSC05820CMEVA製ミッドソール、ヒールに大容量のブースト、フォアフットにアディプリーン・プラス、ポリウレタン製インソールのセットアップ。

前作ではEVAに包まれ、容量も少なかったためあまり存在感を感じなかったブースト。

今作では周りに干渉するパーツもなく、180度みっちり大容量のブーストが使われています。

ヒールの衝撃吸収性は素晴らしく、アディダスのバッシュの中では間違いなく歴代最高でしょう。


フォア部分はCMEVAアディプリーン・プラス

CMEVAとは“Compression Molded Ethyl Vinyl Acetate”の略称で、圧縮成型された樹脂素材EVAのことです。

このCMEVAは従来のEVAより密度が高く硬めの感触。

アディプリーン・プラスも入ってますが、ヒールとは一転、フォアはかなり薄めのつくりで衝撃吸収性は必要最低限レベル。


硬めのCMEVAは衝撃吸収にはイマイチですが、反発性にはプラス。

フォアフットのシャーシ部分をCMEVAが厚く包むことで、フォアフットの剛性・復元力は強化されています。

アディプリーン・プラスはやはり薄いせいか存在を感じませんが、トータルでは平均以上の反発性があります。


クッションについて留意すべき事が1点。

前作もそうでしたが、このモデルでもデフォルトのPU(ポリウレタン)インソールは極薄で、厚いところでも3-4mmしかありません。

本当にペラッペラです。

市販のインソール、もしくは他のバッシュのインソールでも良いので、入れ替えて使うことを強くオススメします。

通常のオーソライト・インソールやフルレングスズーム・インソールなど色々試しましたが、自分は市販のSuperfeet(スーパーフィート)が一番しっくりきました。

色々試してみると良いでしょう。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

DSC05829ヒールはブーストに乗っている感触で接地感は弱め。

フォアはクッションが薄いためしっかりした接地感があります。

アウトソールがフラットな形状なのもプラスです。

FIT/LOCKDOWN - 7 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

DSC05824アッパーはプライムニット単体のセットアップ。

このプライムニットは、ナイキのフライニットと同じでデジタル制御で編込まれたニット素材。

ナイキでは“Kobe IX”“Kobe X”・“Kobe XI”のエリートモデルでフライニットが使われていますが、裏にかっちりしたフューズ素材を張り付けたり、TPU素材のストリング(糸)で強化したりでした。

純粋にニット素材単体で構成されたバッシュは、このモデルが史上初です。


肝心のフィット感は、プライムニットの成型がゆったりし過ぎていて、特につま先がシューズ内で動いてしまいます。

通常ならハーフサイズダウンをオススメするところですが、今回はクッションの薄さもあるので、やはりインソールを厚めのものに交換した方が良いでしょう。

プライムニットの足当たりは優しいので、インソールを代えてサイズが合えば非常に快適。

ヒール周りは成形が良く、カカトの収まりは良好。

シューレースは特に機能名は付けられていませんが“Flight Web System”と同様の構造でロックダウンもしっかりしています。


スコアはインソールを交換前のものです。

インソールを交換後のスコアは“9/10”です。

SUPPORT - 8 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

DSC05823ヒール周りは外付けのTPUヒールカウンターがあり、足首のブレを防止。

そのヒールカウンターは中足部のシャンクプレートと一体になっていて、捻れを防止。

CMEVA製ミッドソールは“Stableframe”と名前のとおり、こちらもシューズの変形を防止し、安定性を確保。

基本のサポート性能は揃っています。

スコアが下がったのは、デフォルトのインソールだとフィットが甘くシューズ内で足が遊ぶ事でマイナス1点。

もう1点はヒールのブーストが強いステップでグニャッと大きく変形することがあるためです。

トータルでは平均以上のサポート性能かと。

インソールを代えればスコアは“9/10”です。

LATERAL TRANSITION - 7 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

DSC05817フラットなアウトソールに、しっかりした捻れ防止があり、軽量で、良いトラクションと左右方向への動きやすい要素は揃っています。

それでもこのレビューはあくまで製品そのままの機能をスコア化していますので、フィットが緩いことが、大きく左右方向へのステップには影響します。

インソール修正後のスコアは“9/10”。

ブーストの変形とほこりに弱いトラクションが無ければ修正後スコアは満点でした。

HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

DSC05830縦方向に走る分には緩いフィットやブーストの変形の影響は少なめ。

加えてトラクションが前後方向の方がよく効くソールのため、重心移動は非常にスムーズ。

インソール修正後のスコアは“9/10”です。

BREATHABILITY - 10 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

DSC05833アッパー全体がニット素材であることに加えて、大きな通気口が多数開けられています。
ローカットであることも通気性にはプラス。

通気性は文句なしのパーフェクトです。

DURABILITY - 7 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

DSC05828プライムニットの耐久性は未知数ですが、平均レベルの耐久性はありそうです。

注意する点としては、ニット素材が汗を吸いやすい構造なので、使用後はしっかり乾かして保管する必要があるでしょう。

ブーストのへたりも10数回履いた時点では全く感じません。

気になったのはソールのエッジの減り。

体育館でしか使用してませんが、母子球あたりや小指あたりが少し削れてきています。

ラバー自体に粘性があるのでエッジがなくても、ある程度はグリップすると思いますが、ほこりには更に弱くなるでしょう。

WEIGHT - 9 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

DSC05831約351g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

前作と同じシリーズとは思えない出来の良さ。

特にプライムニットや大容量ブーストなど使われている素材の質感・プレミアム感が全く違います。

フィットの緩さは前述のとおり、インソールを厚めのものに代えるか、ハーフサイズダウンで解消できるでしょう。

つま先の空間の高さにも余裕があるので、個人的には厚いインソールで対応の方がベターだと思います。

インソールでフィットを修正後であれば、スコアは“86/100”。

ランクも“A-”となり、十分勝負靴としてオススメ出来るレベルのパフォーマンスです。

[caption id="attachment_1074" align="alignnone" width="672"]Oct 6, 2015; Memphis, TN, USA; Houston Rockets guard James Harden (13) attempts a three point shot against the Memphis Grizzlies at FedExForum. Memphis defeated Houston 92-89. Mandatory Credit: Nelson Chenault-USA TODAY Sports Oct 6, 2015; Memphis, TN, USA; Houston Rockets guard James Harden (13) attempts a three point shot against the Memphis Grizzlies at FedExForum. Memphis defeated Houston 92-89. Mandatory Credit: Nelson Chenault-USA TODAY Sports[/caption]
  • TRACTION - 8/10
  • CUSHIONING - 8/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 7/10
  • SUPPORT - 8/10
  • LATERAL TRANSITION - 7/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
  • BREATHABILITY - 10/10
  • DURABILITY - 7/10
  • WEIGHT - 9/10
TOTAL SCORE
B 80 / 100

PERFORMANCE RANKING

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