Adidas D Rose 7(VII) Performance Review
- テストカラー:Core Black/Scarlet/Core Black(B54133)
- 主な機能:Full-length Boost, PU Insole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter, TPU External Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Derrick Rose, Ricky Rubio
- 価格:¥22,669(国内)・$140(海外)
Introduction
今回はデリック・ローズの7代目シグネチャー"D Rose 7(VII)"のパフォーマンス・レビューです。
アディダスのバッシュは久々になりますね。
今作もカラーによってアッパー素材が異なり「プライムニット」と「メッシュ」の2種類が発売されています。
今回使用したのは「メッシュバージョン」の方です。
ローズシリーズにブーストが搭載されて今作で3作目。
前作"D Rose 6(VI) Boost"は「ブーストをどこまで厚く搭載できるか」に挑戦したような仕様。
正直過剰気味なクッションで、トータルスコアも伸び悩みました。
ブーストの衝撃吸収性・足当たりの良さは十分に証明されているので、期待したいのは「接地感」や「動きやすさ」の向上です。
それでは早速機能の細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
ミッドソールの全てがブースト・フォームで構成されたクッションセットアップ。
正真正銘のフルレングスで、カカトの端から足指の先までみっちりブーストです。
ブーストはヒールからフォアに掛けて徐々に薄くなってます。
ヒールはシャンクプレートのおかげでしっかりした剛性があり、厚いブーストながら安定性も十分。
フォアはヒールに比べてブーストが薄く、かなりソフトな感触。
適度に圧縮される前はブヨブヨとバランスボールに乗っている様な感覚でしたが、圧縮後は適度な感触になりました。
ブーストの感触は活かしつつ、ブレも生じさせないつくりで、衝撃吸収性はかなり快適、パーフェクトです。
フォアブーストが圧縮するまでの不安定な期間は、反発性は絶望的に弱く感じられました。
体調悪いときに履いた"Nike Zoom Kd 9(IX)"のクッションがちょうどこんな感覚だったかと。
フォアの屈曲部分の剛性はそこそこあるので、ブーストが圧縮された後は悪くない感覚。
平均レベルの反発性は確保されているかと。
ただ、ブースト自体の反発性というのは今作でも感じられず、反発性を生んでいるのは主にシャンクやソールの剛性です。
完全にビッグマン向けのクッションだった前作"D Rose 6 Boost"比べると、格段に履きやすくなりました。
前々作"D Rose 5 Boost"よりは若干サポート寄りで、「過去2作の中間のようなクッション」です。
COURT FEEL - 8 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
ソール形状はフラットで安定性は十分。
ヒールは厚いクッションながら適度な剛性があるため、なかなかダイレクトな接地感があります。
最初は不安定だった薄くてソフトなフォアフットも、ブーストが圧縮されてからは基本快適です。
体調が悪いときは自分の重心がブレているのか、やはり"Nike Zoom Kd 9(IX)"と同じ感覚で、ブーストのソフトさを持て余すことがしばしば…。
それも限定されたシチュエーションで、トータルでは優秀なレベルの接地感が確保されているかと。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
アッパーは今流行りのワンピース構造。
フォアフットはメッシュ素材、タンとヒール周りにはネオプレン素材が使われています。
そのワンピース・アッパーのヒールサイドを挟むようにヒールカウンターとシンセティック・レザーの補強パーツが設置されています。
ワンピースですが、履き口はタンの上半分が独立するよう切れ込みが入っていて、普通のバッシュと同じく簡単に着脱可能です。
ネオプレン部分には厚くパディングがあり、足甲への当たりを気にすることなく、タイトにシューレースを締めてもOK。
ローズモデルでは往々にしてヒール周りのパーツがフィット感に干渉して来ましたが、今作ではまったく気にならず快適。
ヒールカウンターの収まりも良く、レザーのパーツもフィット感に干渉しません。
唯一気になったのは「シューレースの最下列とつま先の距離の遠さ」。
フォアフットのフィット感を調節できるよう、距離がもう少し近ければパーフェクトでした。
※サイズ選びについて※
若干長さが長めのつくりですが、基本普段と同じサイズで問題ないでしょう。
足幅が細いプレイヤーはハーフサイズダウンでも良いかもしれません。
SUPPORT - 9 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 9 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 7 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
「クッション性」ばかりで「動きやすさ」に欠けていた前作"D Rose 6 Boost"からは大きくバウンスバック。
両者のバランスは大幅に改善されています。
やはりサイズも身体能力も高いローズモデルらしく、クッションは平均よりは厚めで、重量もある作り。
軽量プレイヤーよりは、ある程度以上の体重・体格のあるプレイヤーに好まれるパフォーマンスでしょう。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 8/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 9/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 9/10
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WEIGHT - 7/10