Adidas D Rose 6 Boost Performance Review
- テストカラー:White/Core Black(S85532)
- 主な機能:Forefoot Boost, Heel Boost, EVA Midsole, Stable Frame, TPU Internal Heel Counter, TPU External Heel Counter, Inner Bootie(Forefoot Only)
- 着用した主なプレイヤー:Derrick Rose
- 価格:¥20,304(国内)・$140(海外)
Introduction
今回はデリック・ローズの6thシグネチャーのレビューです。
前作“D Rose 5 Boost”に続きクッションにはブーストを搭載。
今作のクッションは、メーカー説明だと“ブーストをフォアフットとヒールのカートリッジに内蔵したフルレングス・クッション”とのこと。
説明だけだと分割されてるのか、フルレングスなのかイマイチよく分かりません…。
インソールを取り除いて、見てみると中足部はEVAのみでブーストはなし。
分割型が正解みたいです。
それでは機能の細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 8 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
Introでも触れましたが、ブーストは前作のフルレングスから、フォアとヒールの分割タイプに変更されています。
ブースト以外のミッドソールは“Crazy Light Boost 2015”と同じEVA製の“Stabel Frame(ステイブル・フレーム)”。
ブーストはかなり分厚くなり、アディダスモデルでは今まで見た事ない程の量感あるクッションです。
ヒールもフォアもブーストに乗っている感が強いです。
衝撃吸収性はアディダスのみならず、全バッシュ史上で最高レベルでしょう。
前作でマイナスポイントとなったインソールは、今作では少し厚くなり、アーチサポートも少しだけ追加。
ですが、ヒールのブーストが大きく沈み、カカトが下がった状態になってしまいがち。
前作とは別の形で足のアーチが崩れやすい構造です。
アーチが維持できない事は反発性にはマイナス。
フォアフットの剛性も通常レベルで、動きを加速してくれる感覚はありません。
ブーストも衝撃吸収以外の効果は感じられないので、トータルの反発性は平均以下かと。
COURT FEEL - 6 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
今作もアッパーの素材はカラーによって異なります。
シンセティック・レザー、シンセティック・スエード、テキスタイル、ニット等々。
このカラーはテキスタイルで、メッシュ生地にメッシュ生地を貼り付けた構造です。
また素材に関わらず、フォア部分はインナーブーツになっている点も前作同様。
インソールのアーチサポートにより、足とソールがしっかりフィット。
そして今作もヒール周り、足首周りはゴテゴテして、さらに装飾過剰気味に。
ヒールカウンターの成型は良く、カカトの収まりも良好。
ヒール周りとタンには、モチモチした分厚いパディングが入り、足を余すところなく包みます。
またシューレースホールの上から2列目はアッパーで隠れて見えませんが、この位置が絶妙で、締めると足を分厚いパディングにグッと押し込んでくれます。
足首・カカト周りのフィット感は文句なしです。
一方、フォアフットは正直微妙です。
シューレースホールの最下列の位置が高過ぎ、つま先周りの調節ができません。
“Jordan Super.Fly 4”でも問題になったこの最下列の高さは、オフコートモデルならアリですがバッシュとしては厳しいかと。
この構造だとピッタリしたフィット感で着用したい自分のようなプレイヤーには完全にNGです。
フォアフットの成型と足型がぴったり一致すれば話は別ですが、そんな事なかなか無い訳で、実際に今作の成型はゆとりがあり過ぎる訳で…。
サイズに関しては、通常のサイズからハーフサイズダウンは必須です。
場合によってはワンサイズ(1.0cm)ダウンでも良いかもしれません。
シューズの作り自体が大きく、さらにヒールのパディングが予想以上に沈みます。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 6 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 7 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 9 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 7 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
ブーストはこれ以上厚くすると不安定になり過ぎ、バッシュとしては履けなくなるでしょう。
それくらい分厚いです。
それでもブースト本来の売りであるはずの反発性は、残念ながら感じませんでした。
反発性を期待するとガッカリするでしょう。
ここまで厚くしても反発しないという事は売り出し方を変えた方が良いかもしれませんね。
アディダスモデルでクッションに反発性を求めるなら“D Lillard 2.0”のバウンスフォームの方が優秀でしょう。
一方で、厚いブーストの衝撃吸収性は凄まじく、驚くほどフカフカです。
着地時の関節への衝撃はかなり緩和されるでしょう。
“とにかくバッシュには衝撃吸収性”というプレイヤーには強くオススメできます。
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TRACTION - 8/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 6/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 6/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 7/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 9/10
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WEIGHT - 7/10