Jordan Super.Fly 2017(VI-6) PF Performance Review
- テストカラー:Black/Black-Infrared23 (AA5637-024)
- 主な機能:Nike React Cushioning, Phylon Midsole, TPU Internal Heel Counter, TPU Shank Plate, Two-piece Bootie Construction, Flight Web System, Podulon
- 着用した主なプレイヤー:Blake Griffin
- 価格:¥17,820(国内)・$140(海外)
Introduction
今回は"Jordan Super.Fly 2017"(ジョーダン・スーパーフライ 2017) PFのパフォーマンス・レビューです。
ナンバーから年号にカウントが変更されていますが"Jordan Super.Fly 5"の後継モデルに当たります。
注目は何と言っても"Nike React(ナイキ リアクト)"と呼ばれる新しいクッショニングシステム。
「リアクト」と聞いて真っ先に思い浮かんだのはコンバースのゲルタイプのクッション。
遥か昔に履いていたリアクト搭載の"Aero Jam(エアロ・ジャム)"を久々に思い出しました。
現在コンバースはナイキ傘下なので、版権も商標も関係ないとは思いますが同じ名称はちょっと違和感アリ。
ナイキの方のリアクトはゲルではなく「フォームベースのクッション」で「かつてない弾力性と耐久性を備えている」との事。
今までのナイキのフォームはポリウレタン、ファイロン、クシュロン、ルナロンなど。
軽量化は年々着実に進んでいると思いますが、弾力性・反発性に関しては試行錯誤が続いているように感じます。
ともあれ久々の新クッショニングシステム、期待して細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
「プレッシャー・マッピング・パターン」のアウトソール。
色が濃くなっている部分は僅かに出っ張ったポッドになっていて、体重を掛けると沈む仕組み。
これは"Air Jordan XX(20)"やCP3シリーズでも使われていた"Podulon(ポデュロン)"ですね。
沈んでコートをピタッと掴み、トランスルーセントラバーの質感もソフトで、粘性も悪くありません。
エッジ部分は少し硬めで若干ホコリの影響が大きくなります。
また母指球部分のエッジが丸いと言いますか、角度が急で接地面積が足りなくなるシチュエーションがしばしば。
この部分は時間と共に慣れてくると思います。
トータルでは安定したトラクションと言って良いかと。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
今回レビューのメインテーマである「ナイキ・リアクト」と呼ばれる新しいクッショング・システム。
解剖画像の黄緑の部分が「ファイロン」、黄色の部分が「リアクト」、紫の部分が「アウトソール」です。
ファイロンを型枠として、その内側にリアクトを埋め込んだ組み合わせを「ナイキ・リアクト」と呼ぶようです。
それに加えて今作はアウトソールに「ポデュロン」が搭載されています。
事前の噂では「硬い」との声が多かったクッション。
実際に初回の履き心地はなかなか硬めでした。
ところが2回目でポッド部分が一気にソフトになり、それ以降はソフトでフカフカした履き心地に変わりました。
インソールもソフトで厚く、リアクトはモチっとした質感。
そのため沈む感覚が強く、反発性よりもかなり吸収性に寄った設定。
吸収性はかなり優秀な部類に入るでしょう。
インソールとポデュロンはかなりソフト。
そしてそれに挟まれたリアクトも弾力がありそうな質感ではありますが、体重を掛けた沈みを跳ね返すような反発性は感じられません。
ソールの捻れ剛性やフォアの屈曲部の剛性は強めですが、そのソールに上手く体重が載らず…。
期待に反してトータルの反発性は平均以下。
"KD VII(7)"のクッションと似ている気がします。
反発性を期待して履くと、感覚の修正に戸惑うでしょう。
吸収性・快適性を求めるプレイヤーにはオススメできます。
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 10 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 9 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 8 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
Final Conclusion
リアクトを搭載したクッションは確かにプニプニした感覚で、プレーする前は高反発が期待できそうな感覚でした。
実際にプレーしてみるとその感覚は何処へやら…何とも残念。
個人的にはコンフォート寄り過ぎると感じるクッションも、快適性・吸収性を求めるプレイヤーには好まれるかと。
やはりビッグマンやインサイドプレイヤー向けですかね。
今作に関してはソフトなポデュロンとインソールがリアクトのパフォーマンスを阻害している可能性もゼロではありません。
なのでリアクトの真価は"Hyperdunk 2017"を履いてから結論付けようと思います。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 7/10
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FIT/LOCKDOWN - 10/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 9/10
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WEIGHT - 8/10