AIR JORDAN XX(20) Performance Review

11月 19, 2015
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  • テストカラー:Stealth(310455-002)
  • 主な機能:IPS(Independent Podular Suspension), Phylon Midsole, Mid-foot Velcro Strap, Floating Velcro Ankle Strap
  • 着用した主なプレイヤー:Jimmy Butler, Isaiah Thomas, Michael Beasley, Ray Allen, Terrence Ross
  • 価格:¥25,920(国内)、$225(海外)

Introduction

Air Jordanの記念すべき20代目となるAir Jordan XX。

ところがオリジナル発売当時は、マイケル・ジョーダンの完全引退が影響してか、エアジョーダン人気が下火な時代。

奇抜でギミック感を前面に出したAir Jordan XIX(19)、Air Jordan XX(20)ともにあまり人気がなく、発売間もなくアウトレット価格で出回っていた記憶があります。

NBA選手は結構当時も、今回の復刻でも履いていますが、肝心の機能自体はどうなんでしょうか?

それでは、機能の細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 8 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

DSC0475510個に分かれたポッド状の部分はヘリンボーン・パターン、それ以外の部分はストライプ・パターン。

主に接地するのはポッド状の部分です。

接地面積が少ないですが、ラバーは粘性があり、ピタッと止まります。

ほこりには弱く、頻繁にソールを拭く必要があります。

CUSHIONING - 10 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

ミッドソールのファイロンと、IPSと呼ばれる10個のポッドのクッショニング・セットアップ。

IPSは「インディペンデント・ポデュラー・サスペンション」の略称で、当時このAir Jordan XXが初搭載のモデルでした。

ポッドはミッドソールと同じファイロン製ですが、密度を高く設定。

そのため、体重を掛けるとミッドソールを押し込むように衝撃を吸収し、次のステップを踏むときにはミッドソールの復元と合わさって反発力を産む仕組みです。

シューズ裏にバネを付けてジャンプ力を上げる、どこかの発明家と同じ発想ですね。

発明家のシューズと違い、ネタだけで終わらないのがエアジョーダンの凄いところでクッションは素晴らしいです。

衝撃吸収性は文句なく満点。

反発性は満点以上の評価です。

フォアフットの剛性・復元性もしっかりあります。

ジャンプ力を少しでも上げたいなら、IPSは間違いないクッショニングです。

COURT FEEL - 8 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

DSC04756IPSポッドが少し、ソールから膨らんだ設計のため、接地感は不安視してましたが特に問題なし。

クッションが厚いので、満点ではありませんが、ポッドはどんなステップを踏んだときでもナチュラルに沈み、十分な接地感があります。

FIT/LOCKDOWN - 8 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

DSC04754みっちりフォームの入ったライニングに、中足部のストラップと独立したアンクル・ストラップのセットアップ。

まず何よりも足が入らない…。

履き口の素材に伸縮性がなく、かなり強めに足を押し込む必要があります。

オリジナルではもっと伸縮性がありましたが、2008年のカウントダウンパックと、この2015年復刻は伸縮性がありません。

一旦足が入れば、フィット感は素晴らしいです。

中足部のストラップは、レーザープリントがアーティスティックで美しい。

機能面では、シューレースが解けるのを防いでくれ、フィット感も増します。

独立したアンクル・ストラップはオリジナル当時から思ってましたが、未だに機能性が謎です。

足に巻いてもフィット感や安定性は特に変わらず…。正直フォームの入ったアッパーだけでフィット感は抜群です。履き難さと、足首ストラップが余計なことで点数を下げています。

SUPPORT - 9 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

DSC04753足首ストラップが意味を成さないとなると、このバッシュは完全にローカットです。

加えて、IPSが若干ですが出っ張っているため、安定性が危惧されますが、ソールの内と外、両面に張り出したアウトリガーがしっかりサポート。

シューズの捻れも、中足部に内蔵されたプレートにより問題なし。

足首周りもフォームの入ったアッパーと、ヒールカウンターによりブレがありません。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

IPSポッドの配置、またはアウトソールの素材が影響しているのか定かではありませんが、ソールの屈曲がイマイチ。

硬いソールは好きなのですが、必要なときに変形すべき箇所が足りない…そんな印象です
細かいステップを踏むのにはあまり向いてないかと。

左右に張り出したアウトリガーは、体重を乗せることはあまりありませんが、サポートがある安心感により、大きなステップを踏むのには向いています。

HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

上記のLateral Transitionと同じ感想です。

加速・反発性は素晴らしいので、フルパワーのカットインやジャンプには向いていますが、細かいステップにはあまりお勧めの設計ではありません。

BREATHABILITY - 7 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

DSC04752

アッパーの素材にほぼ通気性はなく、タンに申し訳程度に通気口が開いてます。

足首ストラップを除くとローカットなので、ぎりぎり平均レベルの通気性かと。

DURABILITY - 9 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

あまり変形しないソールのため、アッパーも変形負荷が少なく、耐久性は問題なし。

このモデルはエアは入っていないのでエア抜けの心配もなし。

唯一心配な点は、IPSポッドがファイロン、つまりフォーム素材のため、繰り返し使うとヘタって徐々に機能が低下してくることです。

それでもIPSは高密度ファイロンなので、相当使わないと明らかな機能変化は出てこないと思われます。

WEIGHT - 7 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

DSC04758約478g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

デザインやバッシュとしてのトータルの機能は正直あまり好みではありませんが、IPSには正直驚きました。純粋にジャンプ力を高くしてくれることに、当時感激した覚えがあります。

多少の動きやすさを犠牲にしてでも、クッション性を追求したモデルなので、ガードプレイヤーにはあまりオススメしません。

クッション重視のフォワードか、ビッグマン向けのセットアップです。

サイズに関しては、足入れが難しいですが、中の空間は通常のNikeサイズです。

  • TRACTION - 8/10
  • CUSHIONING - 10/10
  • COURT FEEL - 8/10
  • FIT/LOCKDOWN - 8/10
  • SUPPORT - 9/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
  • BREATHABILITY - 7/10
  • DURABILITY - 9/10
  • WEIGHT - 7/10
TOTAL SCORE
B+ 82 / 100

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