Nike Zoom Live EP(Zoom Hyperlive 2017) Performance Review

6月 16, 2017
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  • テストカラー:Black/Black(852420-011)
  • 主な機能:Hyperfuse, Half-length Inner Bootie, Forefoot Zoom Air, Phylon Midsole, TPU Shank Plate, TPU Internal Heel Counter, Midfoot Strap
  • 着用した主なプレイヤー:Gordon Hayward, Paul Millsap, D'Angelo Russell, Dario Saric, Giannis Antetokounmpo
  • 価格:¥12,960(国内)・$100(海外)

Introduction

 今回は"Zoom Hyperlive EP"の後継モデル"Zoom Live EP"のパフォーマンス・レビューです。

前々作"Hyperchase EP"から続いた「ポリウレタン・ドロップイン・ミッドソール」は今作では不採用。

オーソドックスなクッションセットアップに回帰しています。

アッパーはローカットのまま、大きめのストラップが追加されています。

ストラップ以外は特に際立った機能はなく、素直なパフォーマンスが期待できそうです。

早速細部を見ていきたいと思います。

TRACTION - 8 / 10

【Traction (トラクション) 】
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。

"Hyperdunk 2016"「ブレード・パターン」を細かく刻んだ様なアウトソール。

敢えて名称を付けるなら「マイクロ・ブレード・パターン」とかでしょうか。

このマイクロブレードはかなりソフトでコートを噛むようにグリップします。

"Hyperdunk 2016"同様に「加速感のあるアグレッシブなトラクション」です。

惜しいのはガムラバーの「粘性が高くない事」「ソフト過ぎる事」

そのソフトさ故にブレードの摩耗が比較的早く、また気温の高い日は熱で更に柔らかくなるのか、変形が気になりました。

今は春先なので、夏にはあまり向かない仕様かもですね…。

とは言え変形は許容範囲内で、ホコリの影響も少なめです。

トータルでは優秀なレベルのトラクションと言って良いでしょう。

特に前後方向では加速感があります。

CUSHIONING - 9 / 10

【Cushioning (クッショニング)】
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。

ファイロン・ミッドソールのフォアフット上面にズームエアを埋め込んだクッション・セットアップ。

ソフトめの配合のファイロンですが、アウトソールで覆われている面積が大きいため、剛性あるミッチリした感触。

アウトソールの巻き上げによりフォアの屈曲部分の剛性、シャンクプレートによる捻れ剛性も強く、反発性は良好。

アグレッシブなトラクションも一役買っています。


ズームエアの感触は微かにある程度ですが、ファイロンには弾力性があり、ソールのブレードもクッションとして機能してくれます。

衝撃吸収性も充分なレベルで、"Hyperdunk 2016"のクッションをよりコンパクトに、よりガード向けにした印象です。

COURT FEEL - 9 / 10

【Court Feel (コート・フィール)】
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。

クッションは適度な厚さで、ソール形状もフラット。

ブレードの変形がたまに気になりますが、影響は限定的。

パーフェクトに近い接地感です。

FIT/LOCKDOWN - 9 / 10

【Fit/Lockdown (フィット/ロックダウン)】
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。

メッシュを貼り付けたフューズ素材をメインに使用したアッパー。

フォアフットのみタンと繋がったインナーブーツ仕様になっています。

"Kyrie 2"に似たタイプのフューズ素材はしなやかで、アッパーもヒールカウンターの成型も良く、足入れした段階でかなり好感触。

フラットシューレースは細く、下方向にはタイトなロックダウンが可能。

タンは厚めで、タイトながら足へのストレスは感じませんでした。

ただ、レースホールの最上段が低く、ヒール方向へのロックダウンは不十分。

これを補ってくれるのがTPU素材のストラップ。

バッシュのストラップは補助的な機能、もしくはデザインのアクセントに過ぎない場合が多いですが、今作は主役クラス。

マジックテープの毛足も長く、プレー中に緩む事もなく快適です。

※サイズ選びについて※

今回使用したのはアジア人向け幅広ラストの「EPバージョン」

僅かに大きめの作りで、ハーフサイズダウンするか微妙なところ。

基本は普段と同じサイズで問題なさそうです。

SUPPORT - 8 / 10

【Support (サポート) 】
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。

インターナル・ヒールカウンターのブレ防止、シャンクプレートの捻れ防止も充分。

ブレードのブレがたまに起きる以外は、フラットなソールの安定性も問題なし。

ローカットのバッシュとしてはサポート性は優秀なレベルにあります。

LATERAL TRANSITION - 8 / 10

【Lateral Transition (ラテラル・トランジション) 】
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。

左右方向ではブレードのブレと、ホコリの影響が比較的大きめ。

それでもクッションの反応・トラクション・フィット感・軽量性など安定して高いレベルにあります。

トランジションに不満を感じる事は少ないでしょう。

HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10

【Heel-toe Transition (ヒール/トゥー・トランジション) 】
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。

前後方向ではブレードのブレもホコリの影響も少なめ。

加速感があり、パーフェクトに近いトランジションです。

BREATHABILITY - 7 / 10

【Breathability (ブレイザビリティ) 】
通気性能。 通気が良いほど高評価。

アッパーの半分以上は通気性のないフューズ素材がベースに使われています。

表面のメッシュは接着してあるだけです。

大きく通気するのはタン部分のみ。

ローカットであることを加味して、ギリギリ平均レベルの通気性と言ったところでしょう。

DURABILITY - 6 / 10

【Durability (デュラビリティ) 】
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。

このバッシュで唯一の弱点が耐久性です。

気になるポイントは3点。

まずアウトソールのラバーが削れやすいこと。

次に細いフラットシューレースとソフトなフューズ素材の組み合わせ。

この組み合わせでは「シューレースを勢い良く引っ張るのは厳禁」です。

最後に毛足の長いマジックテープで、シューレースがボロボロになる可能性が高いこと。

マジックテープはロックダウンに最適な位置ですが、同時に少しでも油断するとシューレースが張り付いてしまう位置でもあります。

部活など毎日の使用にはあまり向かない耐久性なので、試合用の勝負靴か、ローテーションの1足として履くのが正解でしょう。

WEIGHT - 10 / 10

【Weight (ウェイト) 】
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。

約344g(27.5cm・片足)

※実際に計測した重量です。

Final Conclusion

PEラインナップ:Giannis Antetokounmpo(ヤニス・アデトクンポ)・Isaiah Thomas(アイザイア・トーマス)・Zach Lavine(ザック・ラヴィーン)

"Hyperdunk 2016 Low"は剛性を落とし過ぎた印象で、最高スコアの"Hyperdunk 2016"とは程遠い仕様でした。

今作は適度な剛性があり、より"Hyperdunk 2016"に寄せたパフォーマンス。

個人的にはかなり好みの履き心地で、もう1足買い足す予定です。

2足目は珍しいカラーが良いのでGiannis Antetokounmpo(ヤニス・アデトクンポ)のPE(Player's Edition)を…。

もし買ったらプロダクト・レビューと言いますか、デザイン・レビューも書こうと思います。

話が逸れましたが、今作はかなりの良作です。

 

特に「ローカットで剛性あるバッシュ」を探している方には是非オススメしたい1足です。

  • TRACTION - 8/10
  • CUSHIONING - 9/10
  • COURT FEEL - 9/10
  • FIT/LOCKDOWN - 9/10
  • SUPPORT - 8/10
  • LATERAL TRANSITION - 8/10
  • HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
  • BREATHABILITY - 7/10
  • DURABILITY - 6/10
  • WEIGHT - 10/10
TOTAL SCORE
B+ 82 / 100

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