Air Jordan XX9(29) Performance Review

- テストカラー:RIVERWALK(695515-625), BUGS BUNNY(695515-805)
- 主な機能:Performance Woven Upper, Flight Web System, Flight Plate Technology, Tendril, Unlocked Zoom Air
- 着用した主なプレイヤー:Russell Westbrook, Kawhi Leonard, Jimmy Butler
- 価格:¥25,920(国内)、$225(海外)
Introduction
今回は29代目エアジョーダン"Air Jordan XX9"のパフォーマンス・レビューです。
前作"Air Jordan XX8 SE"のクッショニングは革新的に感じましたが、全体のバランスがまだ取れていない印象でした。
※XX8のレビューは近日中にUP予定です。 ※UPしました→"Air Jordan XX8 SE"
なので次作である今作XX9には発売前からかなり楽しみにしてました。
試着した感じではかなり良さそう…。
コート上ではどうなりますか?
その細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 10 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全体に波の様にうねったウェーブ・パターンのアウトソール。前作エアジョーダンAir Jordan XX8 SEに比べると少し固め。それでも十分に粘性の高いラバー。ソール形状がほぼ平面な設計なのでコートとの接地面積が拡大したのは個人的にポイント高いです。
実際、ほこりの多いコートでも滑ることはほぼありませんでした。
あえてマイナスポイントを挙げるなら、クリアラバーとソリッドラバーの違いでしょうか。クリアソールの方が若干ほこりを吸着しやすいと感じました。ほこりの多いコートでプレーすることが多いなら、ソリッドラバーの方がオススメです。
CUSHIONING - 9 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
ヒールは圧縮成型ファイロンのみ。個人的にはヒールではあまり着地することがないので、エアが無くても支障なし。
フォアフットは2つに分割されたズームエアです。Air Jordan XX8 SEの左右分割から前後分割に変わり、出っ張りもだいぶ控えめに変更。左右分割だとエアバッグに負荷がかかり過ぎなのでは?と問題になっていましたから、変更してきたという事はやはり、ですかね。
上記の変更から、ズームエアの反発性はAir Jordan XX8 SEに比べ下がってますが、十分感じられるレベル。耐久性を確保しつつなので、良い改良ですね。
またズームエアの反発性と連動して必要なのが、フォアフットの返り、復元性です。XX9ではつま先近くまで伸びたフライト・プレートが、硬すぎず、柔らかすぎず、絶妙に返りが良い。フライト・プレート・テクノロジーのズーム・エアの能力を解放する、というコンセプトが前作よりもオンコート向けで実現されていると感じました。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
XX8では土踏まず部分は浮いた状態になってましたが、XX9では「テンドリル」と呼ばれるブリッジを追加。
アウトソールが平面に近い設計になり、ヒールエアの省略により、よりコートを近く感じます。ジョーダンが現役時代にバッシュに特に強く求めた「素足感覚」に近年では一番近づけたモデルではないでしょうか。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
アッパーはピクセル単位で調節され編み込まれたパフォーマンス・ウーブン素材。
アッパーの生地内をシューレース・ループがミッドソールまで繋がっているフライト・ウェブ・システム。ウーブン素材はとても柔らかく、また細かく編まれた性質上、わずかに伸縮性があります。
普段よりきつめにシューレースを締めてちょうど良いくらいでした。締めた後の足との一体感はスゴイです。
ヒール内部には膨らんだパッドがあるのでカカトのおさまりも良好です。
また市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」との相性は良く、よりシューズとの一体感が増すのでオススメです。
※インソール交換はスコアに含めていません。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
小指部分の溢れ、シューズの捻れ過ぎの防止に関しては、フライト・ウェブ・システム、テンドリル、フライト・プレート、アウトソールのアウトリガー(小指部分の広く張り出した部分)により、足はシューズ内に収まるようしっかりしたサポートがあります。
カカト周りのサポートは、アッパー内に埋め込まれたインターナル・ヒールカウンターがあるにはありますが、非常に薄い。
アッパーの素材上、薄くせざるを得なかったと思われますが、ならばヒール部分のシャーシーをアッパーの半分程度まで巻き上げれば良かったのでは?、と思います。
ココはデザインが優先された印象を受けますね。
次作のXXXでは修正を期待したいところ。
自分は捻挫癖がないので特に違和感はないですが、足首に不安がある方は要試着だと思います。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
横方向への動きは問題なくスムーズ。グリップも全方向に良く効きます。
但し足首の弱い方は上記のヒールカウンターの弱さがあるので、急な切り返しに違和感を覚えるかもしれません。
※スコア修正しました。
ヒールカウンターの耐久性が予想より低かったため、左右方向には影響が出てきました。
HEEL-TOE TRANSITION - 9 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
テンドリルの追加とほぼフラットなソールにより、ナチュラルな走行感覚。
前作Air Jordan XX8 SEに比べると、フォアフットの加速は抑え目ですが、適度に前方向へ加速してくれます。
※追記
ヒールのクッションの硬さを扱い難いと感じるプレイヤーがけっこういるようなので、マイナス1ポイントだけ修正を入れました。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 6 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
・フライト・ウェブのシューレース・ループを強く引っ張り過ぎないよう注意。
・薄いヒールカウンターの耐久性。
この2点が気になりました。前作のようにエアに問題が無いのはありがたいですね。
※追記
フライウィーブ(パフォーマンスウーブン)の小指部分は負荷でダメージが来る可能性が高いです。
またヒールカウンターはやはり割れて、カカトの安定性がダウンします。
この2点は思ったより早く症状が現れたのでスコアも修正しました。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
約370g(27.5cm・片足)
※実際に計測した重量です。
Final Conclusion
近年のエアジョーダンの中では最高クラスの完成度かと。
特にソール周りは秀逸です。デザインは非常にシンプル。そのシンプルなシルエットで、これだけのパフォーマンスを発揮するのは、さすがエアジョーダン・シリーズと言える1足です。
自分に合ったバッシュのランキングを作るなら、Air Jordan 8.0、Jordan Jumpman Team Proと並んでベストです。
定価は高めですが、今ならナイキ・オフィシャルや楽天市場でも値下げされてるので、一度は試してみる価値はあると思います。
サイズに関しては、通常のNikeサイズで問題ないと思います。
※追記
修正を入れてトータルスコアは90⇒83と大幅ダウン。
今作に関しては耐久性が予想よりかなり低かったため、複数項目のスコアを下げざるを得ませんでした。
それでも瞬間的なパフォーマンスは素晴らしいモデルである事は変わりありませんので、ローテーションの一足としては申し分ないでしょう。
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TRACTION - 10/10
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CUSHIONING - 9/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 9/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 6/10
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WEIGHT - 9/10