Under Armour UA Embiid 1 Performance Review
- テストカラー:MCB/BLK/PCG(3023086-401)
- 主な機能:Micro G Midsole,Heel HOVR,TPU Shank Plate,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Joel Embiid,Will Barton,George Hill,Josh Richardson
- 価格:¥13,750 / $120
Introduction
今回はJoel Embiid(ジョエル・エンビード)の1stシグネチャー"Under Armour UA Embiid 1"のパフォーマンス・レビューです。
発売自体は2020年でしたが、2シーズン経った21-22シーズン現在でもエンビードは今作を履き続けています。
その期間の彼の活躍はNBAトップクラス、特に今シーズンはMVPも十分有り得る内容。
足元を支える今作のパフォーマンスはいかに。早速その細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全面が「リップル(波紋)・パターン」のアウトソール。
ラバー素材は全面がグレー系カラーの「ソリッド」。
粘性(変形のしやすさ)は高めで、粘着性も高めです。
スキール音はよく鳴り、綺麗なコートでは強力にグリップしてくれます。
やや急ストップ系の部類に入るトラクションかと。
粘着性が高いのでホコリの吸着は早め。ですがパターンが深い事もあってか一度拭けばしばらくはパフォーマンスは維持されます。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「マイクロG・ミッドソール」のヒールに「HOVR(ホバー)」を埋め込んだクッション・セットアップ。
マイクロGはカリーシリーズの初期の頃によく使われていたフォーム素材。
当時はヒールやフォアにパッドとして使われるのがメインで、今作の様にミッドソール全体に使われるのはほとんどなかったと記憶しています。
HOVRは数年前からバッシュカテゴリに使われ始めたネットにより包まれたフォーム素材。
クッション特性としてはマイクロGが吸収寄り、HOVRが反発寄りなイメージです。
今作は前者がメインなので、案の定トータルでは吸収性寄りのクッショニング。
フォア下のクッションは弾力があるもののソフトめで、屈曲剛性もマイルドです。
またフォアを押すと後方に押し戻される感覚あり。
この現象は今までになく、初めての経験です。
フォア寄りで履いていも、ヒール寄りで履いてもこれは改善されず、クッションの位置と足指の長さ問題かと思われます。
足長に対して足指が長い足型の場合、同じ現象が起きるかもしれません。
前後のクッションバランスが、フォアよりヒールが低い後傾であることもこれを助長している気がします。
インソール含め、全体にクッションは薄めなので、ヒールストライク気味で動くなら扱いやすいクッションかと。
※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」を入れると、ヒールの収まりは良くなったものの、フォアの押し戻しは改善されず。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」では多少フォアの感覚が良くなるので替えるならこっちが良さそうです。
※インソール交換はスコアに含めていません。
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
ソールの接地面積は広く、安定した形状。
後傾な事とフォアの押し戻しはありますが、クッションは全体的に薄めでトータルの接地感はまずまずです。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「フォアフット・インナーブーティー」をテキスタイルメッシュの「アッパー」が包むオーソドックスな構造。
素材の質感はソフトで、しなやか。
ヒール周りとタンのパディングは厚めです。
フォアには高さがあり、ナイキのEPラストっぽい成型。
加えて幅は通常レベルで、長さには余裕があります。
これにクッションの押し込みポイントの話も加わるのでサイジングはちょっと考える必要があります。
それ以外の部分は癖のあるパーツなどは無く、ベストサイズを履けたらフィットは良好かと。
※※※サイズ選びに関して※※※
ナイキグローバルのマイサイズである"27.5cm"を購入。
前述のとおり、長さとフォアの高さに余裕がある成型。
基本ハーフサイズ(0.5cm)ダウンで選んで良いと思います。
フォアの押し込みポイントに関しては個人の足型によるので試着推奨です。
特にフォアメインで使うプレースタイルで、足長に対して足指が長いプレイヤーは必須かと。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
カットは低めですが捻れ剛性もしっかりしていて、ソールに安定性もあります。
サイジングが肝ですが、そこさえ合わせることが出来ればサポートに不安を感じることは無いでしょう。
LATERAL TRANSITION - 8 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
左右方向ではフォアの押し込みポイントの影響は少なくなります。
特に加速感のあるトランジションではないですが、スムーズに動けます。
HEEL-TOE TRANSITION - 6 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
前後方向ではフォアの押し込みポイントがダイレクトに影響して来ます。
後ろに押し戻される感覚は初めてなので、けっこう履いた段階でも未だに慣れません。
フォアメインは諦めて、ヒールから転がすステップや足裏全体で押すステップに切り替えざるを得ない模様です。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タン以外にもトーボックス部分のメッシュからも多少通気します。
素材的にも吸湿速乾性はあり、トータルの通気性は優秀な部類かと。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
最下段と上段二つのシューレースホールに特に補強はありませんが、サイジングを合わせれば問題にはならないでしょう。
ソールの剛性は最初からマイルドなので、しばらくは同じパフォーマンスが続くかと。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
435g(片足・27.5cm)
Final Conclusion
今作をまとめると…月並みですが「次作に期待」。
エンビードのファーストシグとしては大人し過ぎる仕様かなと。
彼がそれまで履いていたホバーハボックシリーズが好感触だったので、あの感触に戻してくれるだけでも歓迎です。
最後にアンダーアーマーのバッシュ全般に言える「フォアの押し込みポイント問題」について少し。
全般と言っても近年発売されたモデルで、特にクッションにFlow(フロー)搭載モデルにこの現象が起きがちです。
これが店頭では試着から先に進めず、カリーシリーズにも手を出せていない理由です。
まあよくよく考えてみるとアンダーアーマーの広告塔はNBA史上最高のシューターであるステフィン・カリー。
「加速よりも減速」に重きを置いたバッシュは、シュータータイプには合うのかもしれません。
自分の場合はスラッシャー型なので合いませんでしたが…ご自身に合うかは店頭でトライを。
(via tsn.ca)
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 7/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 8/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 6/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 9/10