Nike Shox BB4(2019) Performance Review

- テストカラー:BLACK/METALLIC SILVER-LAPIS(AT7843-001)
- 主な機能:Heel Shox,Forefoot Zoom Air,Internal Heel Counter,External Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Vince Carter,Rudy Gay,DeAndre Bembry,Patrick Patterson
- 価格:-(国内)・$160(海外)
Introduction
今回は2019年に復刻発売された"Nike Shox BB4(ナイキ ショックスBB4)"のパフォーマンスレビューです。
オリジナルは2000年の夏のシドニーオリンピックでVince Carter(ビンス・カーター)がディフェンスを飛び越えてダンクを決めた際に着用していたモデル。
それだけでもPR効果は抜群でしたが、当時は国内でTVコマーシャルも頻繁に流れ、かなり話題になっていた記憶です。
2012年のロンドンオリンピックに合わせて初回復刻があり、今作はそれ以来2回目の復刻。
一応どちらも履きましたが、オリジナルの感触は忘れてしまったので「初回復刻との比較」だけ最後のConclusionで述べたいと思います。
それでは今作の細部を見ていきます。
TRACTION - 8 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
フォアは「ヘリンボーン」、ヒールは「ストライプ」と4個の「サークル」で構成されたアウトソールパターン。
ラバー素材は全面がブラックの「ソリッド」で粘性(変形のしやすさ)は高めで粘着性も高めの質感です。
スキール音は全く鳴らず、特にフォアは強力にグリップしてくれます。
フォアはパターンも深めでホコリにも強めの仕様。
ヒールに関してはショックスの形状からステップによっては上手く体重が乗らないこともあり、綺麗なコートでも少し滑ってしまうことも。
ホコリの多いコートでは大きく滑ることもありヒールメインでステップを踏むプレイヤーはスコア以下に感じるかもしれません。
CUSHIONING - 7 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ファイロン・ミッドソール」に「フォアフット・ズームエア」と「ヒール・ショックス」を合わせたクッションセットアップ。
フォアのミッドソールはアッパーに覆われた「ダブルラスト構造」になっています。
この構造だとファイロンに逃げ場が無くなりより硬質になり、より反発が強くなる傾向がありますが、今作はファイロンが薄いからかあまり硬くありません。
ファイロンが薄いことでズームエアの感触も割とはっきりとあります。
ヒールのショックスは4つの硬質ラバーの「コラム(柱)」で構成され、スプリングの様な見た目。
実際の感触はビヨンビヨン跳ねるわけではなく、ほぼ変形しません。
足入れの段階ではほぼフラットなクッションバランスですが、フォアズームだけ沈むのでプレー中は「前傾」がやや強めに。
前傾から前へ前へと転がるように自動的に重心移動が可能。
いつもどおりプレーするとイメージ以上に前傾姿勢になってしまうため、ジャンプやストップ、方向転換は少し脚力が要る仕様です。
フォアの屈曲剛性が強ければまだ扱いやすかったのですが今作は通常レベル。
このあたりはペースや方向転換をあまりしないプレースタイルなら扱いやすいかもしれません。
PGポジションをやる身としてはちょっと方向性が違うと感じたクッションでした。
※市販のインソール「スーパーフィートのグリーン」との可もなく不可もなく。あまり変化が見られません。
※"Nike Zoom BB NXT"の「リアクト・インソール」だと内側アーチが過剰になりアンバランスになるので、こちらはやめた方が良いでしょう。
※インソール交換は評価に含めていません
COURT FEEL - 7 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
ショックスは厚めですが沈まないため、コートの感覚は意外にあります。
気になるのはそのショックスとフォアズームの感覚の差。
トータルではギリギリ平均レベルの接地感と言ったところ。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「フォアフット・インナーブーティー」をシンセティック・レザーの「アッパー」が包む構造。
今回復刻のこのカラーだけ、オリジナルや今までの復刻とアッパーの成型が異なっていて、フォアの高さが低くなっています。
2012年の前回復刻ではフォア、トーボックスに空間が広く今の「EPラスト」の様なフィットでした。
今作の作りはオリジナルとは異なる仕様ですが、足型的にはこちらの方がピタリとフィットしてくれ好みです。
足入れは簡単で、レザーはソフトで癖はなく、シューレースループは多いためフィットの調節がしやすくなっています。
ショックスはシャンクプレートの役割も果たしていて土踏まずのサポートはやや高め。
個人的にはこちらもピタリとフィットしてくれトータルでなかなかのフィット感です。
※ローアーチやハイアーチの方はインソール交換が必要かもしれません。
※※※サイズ選びに関して※※※
普段のマイサイズからハーフサイズ(0.5cm)ダウンして"27.0cm"を購入しました。
EPラストは存在せず、今作はすべてグローバルラストです。
普段のソックス2枚ではキツく、ソックス1枚に減らしてジャストで履けました。
このカラーに関してはマイサイズで良かったようです。
前述のとおりこのカラー以外はシルエットが異なりフォアに高さがあるので、もしかしたらそちらはハーフサイズ(0.5cm)ダウンでも行けるかもしれません。
SUPPORT - 7 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
「前傾」バランスのクッションは、ブレーキの際に膝や大腿四頭筋などの怪我に繋がりやすいと思っているので少し厳しめの採点。
※ランニングやウェイトトレーニングなどでは良いと思いますが、バスケやサッカーなど対人のスポーツではフラットが理想かと。
とは言え極端にアンバランスなわけではないので必要最低限のサポート性は確保されている印象です。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
左右方向ではヒールを使うことが増えるため、ショックスとフォアズームの違いが少なからず気になります。
また、捻れ剛性が意外におとなしめなことも左右の切り返しのスムーズさに影響してくるため、ギリギリ平均レベルのトランジションかと。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
前後方向では前に進む分には加速感あり。
ブレーキの時に前傾クッションを考慮に入れる必要はありますがスムーズと言える範囲のトランジションでしょう。
BREATHABILITY - 7 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
タンの表面はシンセティックレザーですが通気口がしっかり開けられています。
そこまで厚くないため必要最低限の通気は確保されています。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
今作に関してよく聞かれるのは「ショックスのコラムが壊れてしまわないか?」。
経験上コラムが壊れそうと感じたことは無く、相当無茶なステップをしなければ大丈夫でしょう。
WEIGHT - 7 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
482g(片足・27.0cm)
Final Conclusion
ショックスと言う最新(2000年当時)テクノロジー搭載の初号機としては、まずまずのパフォーマンス。
2012年復刻と比べてもアッパーの成型以外はほぼ変化は感じず、当時の機能が好きだった方には嬉しい仕上がりかと。
ショックス搭載のバッシュは2014年くらいまでは毎年新作が出ていたと記憶していますが、その後はバスケットボールのカテゴリーからは姿を消しています。
沈まないクッション特性は個人的には好みですが、この硬度をこの厚さでヒールに設置するとどうしても前傾なクッションバランスに。
これはアジリティを要求されるバスケにおいては敢えて選ぶ機能ではないと感じますが、現代バッシュとはかなり異質なテイストが体験できます。
国内発売はなく海外からしか買えませんが、比較的安価なので気になる方はトライするのもアリでしょう。
自分はオフコートで履いて楽しみたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
via https://www.dudeshopping.com/nike-shox-bb4-vince-carter-2019-release-delayed-foot-locker/
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TRACTION - 8/10
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CUSHIONING - 7/10
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COURT FEEL - 7/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 7/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 7/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 7/10