Nike Air Max 90 Performance Review
- テストカラー:Nike By You(DJ2774-991)
- 主な機能:Polyurethan Midsole,Heel Visible Air,TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Thabo Sefolosha
- 価格:¥13,200・$120
Introduction
今回は"Nike Air Max 90(エアマックス90)"のパフォーマンス・レビューです。
オクラホマシティ・サンダーなどで活躍した元NBAプレイヤーThabo Sefolosha(タボ・セフォローシャ)がオンコートで履いて一時話題になったモデルが今作。
個人的には昔からオフコートで愛用していて、たまに代々木や駒沢のストリートバスケでも履いていたのでバスケでアウトドアコートで使えるのは知っていました。
インドアコートで試すきっかけになったのはセフォローシャの影響です。
早速その細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
フォアは「ワッフル・パターン」、ヒールは「ブレード・パターン」で構成されたアウトソール。
ラバーの素材は全面が「ソリッド」。
粘性(変形のしやすさ)は通常レベル、粘着性はやや高めの質感。
スキール音は鳴らないタイプです。
ホコリの影響はあまり感じず、接地面積は少ないながらアグレッシブにグリップしてくれます。
若干ワッフルのパターンが深過ぎて、フォアのみ接地の場合に少しヨレる事がありますが、気になるのはその一点のみ。
トータルではかなり信頼の置けるトラクションです。
CUSHIONING - 8 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「ポリウレタン・ミッドソール」のヒールに「ビジブルエア」を埋め込んだクッション・セットアップ。
ヒールには厚みがあり、フォアに行くに連れて薄くなっていく前傾のクッションバランス。
普段なら前傾クッションはつま先を痛める可能性があり、そもそもオススメしないモデルに分類するところ。
今作に関しては、ミッドソールは確かにフォアに向かって薄くなっているものの、代わりにアウトソールのパターンがフォアの方が厚くなっています。
アウトソールのラバーはポリウレタンに比べて硬質で、この硬度差が体重を掛けた時の前傾の違和感を解消している感覚。
※後のフィットの項目で詳述しますが、これはフォアの空間をしっかり埋めて履いた場合に限ります。
ポリウレタンは最近のファイロンやクシュロンと比較すると密度は高くかなりの硬度。
高硬度なだけだと、ただただ重いクッションになってしまいますが、ポリウレタンには弾力性が強い特性があります。
体重やパワーが足りないと吸収性が足りずストレスになる可能性があるのでその点は要注意。
ポリウレタンはしっかり押せばかなり頼りがいのあるフォームで、個人的には昔から好きなクッションです。
今作はフォアの屈曲剛性はややマイルド寄りで、最高とは行かずとも高反応で扱いやすい反発性。
もし屈曲剛性が強かったらプラス1ポイントでした。
※「スーパーフィートのグリーン」に替えると前傾が強くなり過ぎ、トーボックスの空間が大きくなるためNG。
※"Nike Zoom BB NXT"のリアクトインソールはトーボックスの空間は埋めますが、ヒールクッションが厚くなり過ぎ、カカト抜けしそうになるためこちらもNG。
※純正のインソールがベストバランスです。更に言うと純正のフォアにテーピングなどで厚さを足すとバランスは更に良くなります。
※インソール交換はスコアに含めていません。
※テーピング修正はスコアに含めています。
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
クッションは硬質で反応はダイレクト。
ダイレクト過ぎて(硬過ぎて)違和感があったりしなければ、常に鋭敏な接地感を得られます。
FIT/LOCKDOWN - 8 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
「独立タン」を「アッパー」が包むクラシックなセットアップ。
素材は「シンセティックレザー」をベースにトーボックスは「メッシュ」、ミッドソール上のオーバーレイにはナイロン調の「シンセティックレザー」。
シューレースホールと両くるぶし下のロゴは「TPU素材」です。
履き口はかなり大きく開き、足入れに苦労することは無いでしょう。
タンとヒール周りのパディングは適量。
成型も良く、カカトの収まりも良好。
カットは浅いですがシューレースを締めるとしっかりと足首はロックされます。
調整が必要なのは「トーボックスの空間」。
全体的にはやや細めなつくりながら長めで、トーボックスにはけっこう高さがあります。
ここの高さをしっかり埋めないと、先の反発性も次項のサポート性にも大きく影響して来ます。
自分の場合はソックスを必ずいつもの二枚履き、もしくは分厚いパワーエリートソックスで対応できました。
※ソックス調整はスコアに含めています。
空間をしっかり埋めた後は前後左右、どの方向のステップでも足とシューズの一体感がありました。
それでもスコアを下げたのは細め且つ長めなラストなので、足型によっては調整が効かない可能性があるためです。
※※※サイズ選びに関して※※※
今作にEPラストは存在せず、グローバルラストのマイサイズ"27.5cm"を購入。
前述のとおり、長さはやや余りますがサイズダウンすると幅が厳しくなりそうなので、結果これがジャストな模様。
甲高なプレイヤーは良いと思いますが、幅広のプレイヤーは要試着です。
SUPPORT - 8 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
トーボックスの空間を埋めなかった場合、足がシューズ内で遊んでしまうでしょう。
その場合、左右方向の動きでは不安定になったり、前後方向ではブレーキの際につま先にダメージが来る可能性があります。
ヒールのアッパーは浅いですが、クッションは沈むことなく安定していて、捻挫癖があったりしなければ基本問題ないでしょう。
中足部の捻れ剛性も強力でトータルのサポート性は十分なレベルが確保されている感覚です。
LATERAL TRANSITION - 7 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
フォアの空間を埋めて履く事が出来ればスコア以上に左右方向は動きやすいでしょう。
クッションの反応は速く、捻れ剛性は強力です。
HEEL-TOE TRANSITION - 8 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
前後方向ではフォア空間を埋める/埋めないの影響は少なめ。
むしろ埋めた場合は加速感ある重心移動を体感できるでしょう。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
トーボックス上部のメッシュはタン部分と同程度に通気してくれます。
カラーによっては素材が異なり通気性は大きく変わる可能性があるので、こだわる方は要注意です。
DURABILITY - 8 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
ポリウレタンはヘタリにくい素材です。
ビジブルエアも支柱が入ったタイプなので、普通に履いていればエア抜けの心配も少ないでしょう。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
405g(片足・27.5cm)
Final Conclusion
今作をまとめますと「中間カテゴリ」。
ナイキのシューズカテゴリには「バスケットボール」や「カジュアルシューズ」、「ランニング」などがありますが、足型によってどこにでも転がり得るパフォーマンス。
個人的には最近の沈む系のクッションよりは圧倒的に履きやすく感じ、普通にちょくちょく履いてプレーしています。
まあシャンクやヒールカウンターなどバッシュとして必要なパーツは揃っている構造なので、オンコートで使えるのも当然と言えば当然ですが。
オンコートで合わなかったとしても、オフコート用で間違いなく活躍してくれるモデルでもありますし、そういう意味ではローリスク・ハイリターンかもしれません。
気になる方は是非お試しを。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 8/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 8/10
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SUPPORT - 8/10
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LATERAL TRANSITION - 7/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 8/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 8/10
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WEIGHT - 9/10