Nike Zoom KD11 Performance Review
- テストカラー:Still KD(AO2604-004)
- 主な機能:Full-length Zoom Air Unit, React Midsole, One-piece Upper, TPU Internal Heel Counter
- 着用した主なプレイヤー:Kevin Durant, Shai Gilgeous-Alexander, Chris Boucher, Kentavious Caldwell-Pope, Tyrese Haliburton, E'Twaun Moore, Taurean Prince, Grant Williams
- 価格:¥18,360・$150
Introduction
今回はKevin Dunrant(ケヴィン・デュラント)の11thシグネチャー"Nike Zoom KD11"のパフォーマンスレビューです。
レビューを書き上げた気になって、アップを忘れていた今作。
忘れている間にKD本人はアキレスを負傷し、ブルックリンに移籍し、現在またMVPクラスで活躍しています。
かなり今さらとなりますが…その細部を見ていきたいと思います。
TRACTION - 9 / 10
コートをグリップする性能。 良くグリップするほど高評価。
全面に「波紋パターン」を採用したアウトソール。
ブルーの「トランスルーセント・ラバー」は、粘性(変形のしやすさ)は高めで粘着性は通常レベル。
ややホコリを吸着しやすいですが、パターンが深いことが奏功してか、状態の悪いコートでも一度拭けば数往復は保ちます。
綺麗なコートではピタリとグリップしてくれます。
くれますが、止まり方が少し急過ぎるシチュエーションも時折。
急ブレーキのエネルギーに負けてエッジ部分のアウトソールは減りやすい事だけが懸念点かと。
長期使用ではソール減りがトラクションに影響を与える可能性があります。
とは言え癖はありつつも、慣れれば快適なトラクションです。
CUSHIONING - 9 / 10
「衝撃吸収性能」/「反発性能」。 両性能を合わせて総合的に評価。
「リアクト・ミッドソール」の上面に「フルレングス・ズームエア」を埋め込み、これらをアウトソールで完全に覆ったクッションセットアップ。
覆う構造のおかげでフォアの屈曲剛性は強めで屈曲からの復元も速め。
復元速度は最高クラスにあと一歩ですが、復元のタイミングに慣れたらかなり快適にプレー出来ます。
特に前後方向へはポンポンと必要最低限に近い接地時間で次のステップへ進めます。
クッションの沈みがほぼ無く反応は欲しいタイミングで返ってくる事と、ソール形状がフラットで接地感が強い事も大きなプラス要因。
沈みは少ないですが厚みのあるクッションで吸収性も問題になることは無さそうです。
中足部にはシャンクが入っていない為、左右の動きではごくたまに捻れから遅れる感覚がありましたが、気になったのはそれくらい。
スーパーフィートのグリーンに替えればシャンクプレートが加わった形になり、扱いやすさはさらに増します。
もし買われた方は交換をぜひともオススメします。
(※インソール交換はスコアに含まれていません)
COURT FEEL - 9 / 10
コートに対する接地感覚。 コートを近く感じれるほど高評価。
FIT/LOCKDOWN - 9 / 10
足に対するフィット性能。 足と一体感があるバッシュほど高評価。
フライニットをベースにした「ワンピース・アッパー」。
フォアは耐久性のためにおそらく内部にフューズが追加されていてやや硬質。
中足部とタンは伸縮性あるフライニット単体で構成されています。
足入れが少し難しい分、一度足入れしてしまえば足全体にピタリとフィット。
タンにも指を掛けるタブは欲しかったなと思いますが、体感としてはパーフェクト。
それでもスコアを下げたのは「フライニット単体部分」が問題になる可能性があるため。
個人的には気にならなかったのですが、Twitterなどで感想を聞いているとこの部分が横のステップの際に伸びて危険との声が散見されました。
色々と実験したところ、ソールをコートに強く「擦る」ように、もしくは「蹴る」ようにステップを踏むと確かに伸びることはありました。
これはしっかりコートにソールを置いて「押す」ようにステップすれば解決するかと。
足幅が合わない、または大きめのサイジングで履いている場合は効果がないかもしれませんが、基本的にこの方法で問題はなくなるはずです。
※※※サイズ選びに関して※※※
今作はこのカラーだけグローバルラストが国内で発売され、マイサイズの"27.5cm"を購入しました。
普段のソックス2枚で高さと幅は問題なくフィット。
長さに関してはけっこう余ります。
スーパーフィートのグリーンに変更すると更に捨て寸は大きくなりますし、厚いインソールをそのまま使ってもヘタッて来るので、最初から「ハーフサイズ(0.5cm)ダウン」が良いでしょう。
EPラストに関しては試着できるタイミングがなかったため未トライです。
SUPPORT - 9 / 10
怪我を防止するサポート性能。 安定感があり、左右のブレ・捻れがないほど高評価。
LATERAL TRANSITION - 9 / 10
左右方向への動きのスムーズさ。 スライドやクロスオーバー時など横方向へ動きやすいほど高評価。
HEEL-TOE TRANSITION - 10 / 10
縦方向への動きのスムーズさ。 通常のランニング、カットイン時など前方向へ動きやすいほど高評価。
BREATHABILITY - 8 / 10
通気性能。 通気が良いほど高評価。
DURABILITY - 7 / 10
耐久性能。 耐久性が良いほど高評価。
WEIGHT - 9 / 10
バッシュの片足の重さ。 軽いほど高評価。
427g(27.5cm・片足)
Final Conclusion
"KD VI(6)" と並んでKDシリーズのトップパフォーマーです。
("Zoom KD 9"も対抗馬に成り得ましたが、耐久性が残念だったため除外)
フィットの部分で触れた「押す」ステップに関してはTwitterの方で定期的に発信してる内容ですが、身体操作的には「擦る⇒押す」に変えるとプレーは劇的に良くなる可能性があります。
その動きを試す意味でも今作は最適なセットアップかと思います。
もちろん純粋なパフォーマンスも試合で使えるレベル。オススメです。
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TRACTION - 9/10
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CUSHIONING - 9/10
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COURT FEEL - 9/10
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FIT/LOCKDOWN - 9/10
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SUPPORT - 9/10
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LATERAL TRANSITION - 9/10
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HEEL-TOE TRANSITION - 10/10
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BREATHABILITY - 8/10
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DURABILITY - 7/10
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WEIGHT - 9/10